2024年07月21日

札幌エルプラザ 2024.6.29

北海道ポーランド文化協会主催、第111回例会である。
メインはドキュメンタリー映画「Ainu-ひと-」2018年制作(81分)溝口尚美監督監督作品の鑑賞会である。
始めに二風谷アイヌ文化博物館の長田佳宏館長が「ジャパン・ハウス ロンドン JHLにおけるアイヌ文化展について」のお話が合った。まず1910年にロンドンで開かれた「日英博覧会」のことである。当時日本から10名のアイヌの方が参加され、そこにブロニスワフ・ピウスツキが訪れて50以上のアイヌ物語を記録した。参加したアイヌの方のメッセージ、当時17歳であった見澤こきん氏のものもあったとかを、ピウスツキが新聞社に持ちこみ記事になったとも。
そして2023年11月から24年4月の期間にジャパン・ハウス ロンドンを会場にした文化展が開かれたとのことである。113年前の縁を大切にしたいということである。
次いで溝口監督とハルクローヴァ在住の三和昭子氏とワルシャワ在住の石塚芳明氏によるビデオレターの紹介があった。今回の例会のために作られたとのことです。
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さて、いよいよ映画の上映会である、まずアイヌとは「ひと」を意味する言葉である。主人公は、昭和初期1930年頃に生まれの平取在住の古老。同化政策のなかで生きてきた、川奈野一信、萱野れい子、木幡サチ子、鍋澤保の4氏が主人公である。
木幡サチ子氏は若い頃は4トントラックの運転手であったという、男の中でただ一人の女性運転手であったと笑う。
萱野れい子氏は萱野茂氏の妻で、夫が国会議員になっても自分は関係ないなと夫の喋ってたことなんか気にしなかったし”色々とわすれてきた”日々であったけれど、覚えておれば良かったなと思うようになってきた。楽しくないことばかりえている、と。
舟というのは比重の軽いものを使うのだけれど、北の方向は見定めるのだという。枝が少なくしかし年輪の密度が高いのでそこを舟底にするのだと。アイヌ語も忘れてしまったのに、と川奈野一信氏は言う。差別とかうらみで言うことはしない。そうした時代であったのだと、そういう風に考えていると。
アイヌから逃げて来たのかな、であってもアイヌはアイヌである、そう納得したと。
2017年から3年かけて写したもので、平成30年に完成したものだ。
忘れようとして、しかしアイヌはアイヌだというとき―それは単純に民族のことをいっているのであろうか? Ainuという”人間”は人間、自分は自分でしかない、という風に聞こえたのだけれど。


M0814gliding_flight at 14:28│コメント(0)講演会など │

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