空中庭園な日々

「空への軌跡」別館 ―― 北海道の詩誌を中心に & 気になるニュース

『RIVIERE』153

RIVIERE『RIVIERE』
発行:横田英子(堺市)

釣部与志作品「毬と老人」。第一連の出だしの感じがすごく好き、子どもの声が大きくてうるさいと言うクレーマの町を思い出しながら、その対比のように緩やかに年を経ていく町なのだろう。その意味での後半が、何とも悲しく、町内会というシステムの崩壊を思う。
永井ますみ作品「禁足せられし時の歌」。大宰府ねぇ、基本的に島流しであるとの認識なのですが、捨てるも朝廷に持ち出すことも許さない歌。元々は政治的なものであった一面を思わずにいられない。
山下俊子作品「姉妹」。うーむ、飛び込みですか。暗いよねぇ、姥捨て山を復活させたらどうかとも思うほどに今の時代の側面を映し出す。一切説明なし。であって女同士というのは本当に一人で行動しないように思えるのは、男性の私には理解し難くもある。
嵯峨京子作品「杜の楠」。なんだか樹齢700年に意味はあるのだろうか、手を合わせるよりも、伐採する方がいいのではないのかと思うのだ。そのうちに駅舎が古びて取り壊され、少子化でこの駅周辺がさびれて横へと枝を伸ばす。うんー、しかしそういうことを歓びとは言えないか…。

電磁パルス攻撃

核攻撃と聞けば、多くの日本人は広島、長崎の原爆投下のような被害を想定する。だが、それとはまったく異なる脅威が存在する。核を高高度の上空で爆発させる「電磁パルス攻撃」だ。元陸上自衛隊化学学校長の鬼塚隆志氏が電磁パルス攻撃への対策を講ずるよう訴える。
 * * *
 ある日の夕方、原因不明の停電が首都圏を襲う。交通機関はすべてストップし、信号や街灯が消えた道路を帰宅難民となった何万人もの人々が埋め尽くす。何が起きたか理解できず、ニュースを見ようにもテレビやラジオの電源が入らない。携帯やスマホも動かない。家族の様子が気になったあなたは、連絡手段が何もないことに茫然とする。
 近い将来起こりうる、この未曽有の惨状が「核攻撃」によるものだと知れば、誰もが驚くのではないだろうか。
 核攻撃といえば、広島、長崎のように建物が粉々に破壊されて大勢の人が死にいたるイメージがある。だが北朝鮮の核攻撃による新しい脅威は、冒頭の惨状をもたらす「電磁パルス攻撃」といってもよい。
 核兵器が地上30〜400kmの「高高度(高層大気圏内)」で爆発すると、放出されたガンマ線が大気中の分子と衝突して、強力な電磁波である「電磁パルス」を発生させる。
 電磁パルスは地上の半径数百〜数千km内に存在する電子機器や送電線に落雷よりもはるかに大きいといわれる負荷をかけて破壊する。
 核爆発の高度が高ければ高いほど被害を受ける地域の半径は拡大する。2004年に米議会に提出された専門家委員会の報告書「電磁パルス攻撃の合衆国への脅威評価」で示された被害推計を日本に当てはめると、東京上空高度30kmで爆発した場合、中国地方を除く本州が被害地域に収まり、高度100kmでは北海道から本州、四国、九州一帯まで覆われる。
◆警察も消防も動けない
 高高度の核爆発で生じる爆風や熱風、放射線は地表に届かないので、爆発の時点で人は死なないが、あらゆる電子機器や社会インフラが機能不全に陥る被害は甚大だ。前述の報告書では、電磁パルスで米国全土の社会インフラが崩壊し復旧が遅延すると食料や燃料などの不足と衛生面の悪化により深刻な疾病及び飢餓が発生して、「1年後には米国人の9割が死ぬ」と報告している。
 現代は電気・電子機器が生活の隅々に行き渡っているゆえ、電磁パルス攻撃の被害は底知れない。最も懸念されるのは国民生活に不可欠な社会的インフラへの影響だ。
(中略)
 この攻撃が厄介なのは、復旧までに多大な時間を要することだ。きわめて広範囲に被害が及ぶため復旧要員や修理装備・備品が圧倒的に不足し、被害の長期化は避けられない。前述の米国の報告書では、復旧まで数週間から数年かかるとされる。
(後略)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170711-00000002-pseven-kr&p=1
※SAPIO2017年8月号
インフラ破壊し1年後に9割死亡 「電磁パルス攻撃」の恐怖 (←出典

個人詩誌『水の呪文』No.47

水の呪文個人詩誌『水の呪文』
発行:富沢智(群馬県)

富沢氏による個人誌である。
さて詩が三篇掲載されているが、そのうちの作品「崩壊する栞」を。どう読むかという視点であるが、ここにいう”栞”は悲しく一人で戦うものなのだ。臭い匂いのする散文の川では、栞は刻まれた思い出以外の何物でもないであろう。それに気づく人以上には読まれるどころか見向きもしない。その証拠に、川はどんどん流れてそれでも岸へと辿り着き、舟を抱きとめるのだから。つまり栞の出番など無いに等しい過去の遺物にされていくということだ。まさに詩は、何をしているのか!
まほろば通信イ任△襦ゴルフ詩というジャンル。あまり関係ないと思われているところにも、詩はあるわけだし。実際村野四郎『体操詩集』は有名である。その辺りを考えると、躊躇しているのは常に筆者であるのだなと、自戒を含めて思わざるを得ない。

『小樽詩話会』No.605

小樽詩話会『小樽詩話会』
発行:十和田梓恭子(小樽市)

加藤多一作品「もらって暮らす」。薪ストーブを選択するということからして贅沢であるという感想は、勘違いである。薪を調達することは容易ではない。勝手に公園からかっぱらうわけにもいかない。そうであって、普通の生活をしていると述べているに過ぎない。ただ、そこに他人と接しているというリアリティを持てるかどうか。
仁木寿作品「オレンジ色の朝」。春という季節はまあ、北海道からすると待ちわびているものではあるが、しかしここまで露骨に素敵と言われると、なんか腹が立つ(?)けど、清々しい。
畠山紀奈子作品「母への手紙」。さようなら・って、言っちゃえ、言っちゃえ。どうせ別れるのだもの…。ま、それを止まらせるひとつの仕掛けが、手紙ではあるのだけれど。
木田澄子作品「かたちなく」。ひゆ・とひらがなで書かれると誤植かなと思ってしまう。しかも、ひふだのひとひらだの微妙な遊びを抱えて、皮膚と比喩とひと時の季節の混合をつい、と見あげさせられる。

名もなき家事・の存在

 大和ハウス工業が、20代から40代の共働き夫婦に調査したところ、夫が家事と認識していない「名もなき家事」が存在しているとのこと!さて…
■「この仕事は家事?」妻と夫で認識差
 最近は、「夫の家事参加が増えてきた」といわれている。
それでも、家事分担の割合を聞いた今回の調査結果を見ると、妻は「夫1割:妻9割」が最多の37.3%を占めているのに対し、夫は「夫3割:妻7割」が最多の27.0%を占めるなど、妻の認識と比べて、自分は家事をやっていると感じている夫が多く、妻と夫の認識にギャップがあることが浮かび上がった。
 どうやらその背景には、夫が見落としがちな「名もなき家事」の存在があるようだ。
 今回の調査では、「一般的にどこの家庭でもやっている家の仕事30項目」について、「家事と思うか」を妻と夫に聞いている。30項目のうち、妻の方が家事だと認識している割合が高い項目は18項目あり、一部を除いて妻と夫の認識差が大きい傾向が見られた。一方、夫の方が家事だと認識している割合が高い項目は11項目あったが、妻と夫の認識差はそれほど大きくなかった。
 10ポイント以上の認識差がある項目を見ると、「トイレットペーパーがなくなった時に、買いに行く」(妻83.0%、夫67.3%)、「靴を磨く」(妻57.7%、夫46.0%)、「町内やマンションの会合に出席する」(妻56.7%、夫46.7%)が挙がった。ほかにも、「食事の献立を考える」、「飲みっぱなしのグラスを片付ける」、「調味料を補充・交換する」、「食べ残しの食品を冷蔵庫にしまう」、「新聞・雑誌などをまとめて捨てる」でも8ポイント以上の差が見られ、妻と夫で家事の範囲に認識の差があることが分かった。
■家事だと認識しているけど、妻任せ、夫はやっていない家の仕事がたくさん!
 (中略) 大和ハウス工業では、夫の家事の認識と実行の落差、つまり「分かっちゃいるけどやっていない」項目に着目している。
 夫の認識と実行の落差が大きい項目として、
「アイロン掛けをする」(認識86.3%、実行30.3%)
「食事の献立を考える」(認識84.3%、実行36.7%)
「クリーニングに出す、取りに行く」(認識61.3%、実行47.0%)
「手洗い場のタオルを取り替える」(認識74.3%、実行58.0%)
「調味料を補充・交換する」(認識79.3%、実行54.0%)
「子どもの送り迎えをする」(認識76.3%、実行57.0%) などを挙げている。
(中略) もちろん、家庭ごとに妻と夫の家事にかけられる時間や得意分野など、いろいろと事情が異なるだろう。しかし、家事と考えられる家の仕事を洗い出して、互いの得意分野など負担感がない家事分担をしたり、やったことを互いに認め合うことができれば、家庭内の家事ストレスが減っていくはずだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170524-00133796-suumoj-life
SUUMOジャーナル 5/24(水) 7:20配信
夫が家事と思っていない「名もなき家事」が存在。やっているのは9割が妻(←出典

詩集『海の落とし子たち』

海の落と子たち詩集『海の落とし子たち』
佐藤洋子・著(砂子屋書房)2017.7.1

作品「それからの、こどもたちになって」。未来志向なのか願望なのかというタイトル、と思っていたらメンデルの法則・から始まる。しかも不完全優性という例外的バージョンなので、思い出すのに苦労した。多分に分類できるものばかりではないコトの方が多いであろうし、と納得。
作品「微かからくる蝶」。”コエ”をカタカナで表記する。使者蝶には、成る程、声は無理であろう。目一杯暗く籠ることは可能かもしれないが。
作品「ららの談笑が」。ほんわりとした印象の、しかし声を大きく立ててはいけない。カンブリア紀からの、定まっていたかのような表情。
作品「風告」。潮の匂い、ままごと、星になる人を送る日、海のなか、奥の松林、それらの風景の伝えるもの。あの日? 帰るの? それともただいま。伝えるものと告げられるものとが、同時に存在するから、そんなに強く言い切るばかりではいけないのだ、と。
なんともタイトルの付け方が独特である。そこに説明はなく、意図を考えていかないといけない。それを面倒ととるかどうかは好みではあるが、私は楽しい。

こんな人たち 安倍政権

 「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんです」
 今回の都議選の最中に、閣僚や自民党幹部から出た様々な発言の中で、安倍首相が発したこの言葉が、私にとっては最もインパクトがあった。
 最終日、秋葉原で初めて街頭に立った安倍首相に対して、今回の政権を批判する人たちから発せられた「安部やめろ」コールに怒り、「憎悪や誹謗中傷からは、何も生まれない!」と語気を強め、声のするとおぼしき方向を指さして、冒頭の言葉を言い放ったのだった。
(中略)
 安倍シンパたちは、「やめろ」コールをしていたのは一部の過激な集団と決めつけているが、現場の状況を、客観的にレポートしていると思われる記事を読むと、こんな記述があった。
・・・
〈中心となっていたのは一部の集団だったようだが、街宣が始まるとともにコールは広がりを見せ、通行用のスペースを隔てた場所で演説を見ていた人まで「安倍やめろ」と口ずさむ有様だった〉(東洋経済オンライン「都議選の『安倍やめろ!』は尋常ではなかった
 選挙戦最終日、安倍首相の目の前で大逆風」より)
・・・
 言い始めたのは一部の集団でも、それに多くの人がそれに呼応した、という現象に、本当は深刻さを感じなければならないところだったろう。ところが、安倍さんの対応は違った。

○総理大臣という立場
 内閣総理大臣は、安倍さんの考えに共鳴する人たちだけでなく、反対する人々を含めた、すべての国民に責任を負う立場だろう。仲間や支持者だけではなく、批判勢力を含めた、あらゆる国民の命や生活を預かっている。なのに安倍さんは、自分を非難する人々を「こんな人たち」という言葉でくくってしまい、それに「私たち」という言葉を対抗させたのである。「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかない」と。
 都議選の応援は、自民党総裁という立場で行ったものだろうが、安倍さんを紹介する垂れ幕には、しっかり「内閣総理大臣」と書かれ、司会の石原伸晃議員も「ただいま、安倍総理が到着しました」と紹介していた。
 小泉内閣の総理秘書官だった小野次郎・元参議院議員は、ツイッターで次のように書いている。
・・・
〈この方は、自分に反対の考えを持つ人々は国民ではないと思ってる。総理になって何年も経つのに、この方は全国民のために選ばれた職にある自覚は持ち合わせない、遺憾ながら。〉
・・・
 同感である。 (後略)

https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20170703-00072877/
「こんな人たち」発言にみる安倍自民の本当の敗因 (←出典

詩誌『花』第69号

花詩誌『花』
発行:菊田守(東京都中野区)

下川敬明作品「存在」。虚空に投げられた”石”なんだが、この石は語るのである。最終行の一行前”飛び続ける”とは、語ることを意味しているのだ。なかなかの"小さき"ものである。
山田隆昭作品「幹」。古木の瘤のふくらみが気になっていく。押し出す力が必要なのだと筆者は言う。幹はドシドシ歩き始めるわけで、決してそのままではいてくれないのだ。何という生命力に溢れていることか。
平野光子作品「わたしの時間」。古希になってから気付くこと。それは遅いわけではないのだ。気付ける自分がいたことに、ラッキーです。実感できたことは素晴らしいことなのですから。
菊田守作品「源五郎―昭和二十八年」。時代ですねぇ〜、分からないことでしかないんだけれど。私にも固有の子ども時代という時間軸があって、それはまして北海道なので、練馬大根も分からのであるけれど。ああ…という感覚の共有。

一帯一路対抗・インド・3

●チャーバハール港は中央アジア戦略でもある・・・ しかも、この「中国・パキスタン経済回廊」構想は単に中国とパキスタンだけでなく、中央アジアへの影響力も持っている。例えば中央アジア諸国が天然資源を輸出するとしたらどこを通るだろう。
 陸続きのルートはあるが、やはり海に出ないと不便だ。そこで、インド洋への出口を探すことになる。アフガニスタンを通ってパキスタンに出て、「中国・パキスタン経済回廊」の道路をたどればインド洋に出ることができる。これは、中央アジアの国々の重要な貿易ルートを、中国が管理することを意味する。
 そこで、日本とインドとしては、まず、中国がインド洋へ進出するのを阻止するために、グワダル港のプロジェクトを無力化したい。方法は2つある。1つは、「中国・パキスタン経済回廊」の信頼性を低下させること。もう1つは、中央アジアからインド洋につながる別のルートを開拓することである。
 1つ目の方法、信頼を低下させるにはどうしたらいいか。「中国・パキスタン経済回廊」にはもともと脆弱性がある。そのことを強調すれば、信頼が低下する。例えば、パキスタンのグワダル港があるバルチスタン州では、独立を求める反乱がある。この地域の反乱軍 は2004年に中国人技術者を殺害している。2017年に入ってからは、道路の建設現場を襲撃したり、中国人を誘拐したりする事件も起こしている。パキスタンは、これらをインドが支援したとして非難している。
 インドが実際に支援している証拠はない。ただ、バルチスタンの反乱軍がおかれた状況に同情はしているようだ。インドのモディ首相は2016年8月、パキスタン政府がバルチスタンで行っている人権侵害(反乱軍を鎮圧する苛烈な作戦)について公式演説の中で初めて非難した。2016年9月には、バルチスタン反乱軍の指導者がインドに入国し、亡命を申請している。
 バルチスタンにおける反乱軍の活動によってこの地域の治安情勢が不安定との情報が強調されれば「中国・パキスタン経済回廊」の信頼性が低下することが予想される
 もう1つの方法、中央アジア諸国がインド洋へ出るための別の貿易ルートを開拓するのは、日印による協力事業だ。ここにイランのチャーバハール港が登場する。
 この港はグワダル港にほど近いイラン側にある。つまり、中東からインドに向かうシーレーンは、先にチャーバハール港に着く。さらに、海底にガスパイプラインを敷設する。そうすると、モノも資源も、パキスタンをすっ飛ばして、イランからインドに直接つくルートを開発することができる。
 チャーバハールは既に中央アジアと道路でつながっている。鉄道を建設計画もある。治安も比較的いい。だから、中央アジアの国々が「中国・パキスタン経済回廊」を通らずに、インド洋に出ることができるようになる。
(後略)

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/261283/053100010/?s_cid=nbp_grcx_na
「一帯一路」に対抗する日・インドの戦略構造〜インドを陸海空物流のハブに〜(←出典

『YOCOROCO』10

YOCOROCO『YOCOROCO』
編集・発行:佐藤裕子(函館市)

渋谷美代子作品「はつなつ」。登り坂の橋ね、初老になっていくという自覚、年を取るということは避けられないわけだ。その中で見つける”夕陽”の名前。読み進むと、ペットの名前だとわかるのだけれど、なんか可愛いちゃ可愛いのは何故だろう。それと、今時期の6,7月に”春”とかいう内容やタイトルを見かけることがあるのだけれど、私的には嫌い。やっはり、その時期時節に合ったテーマが綺麗ではないですか、ということでこのタイトルが好き。ただ内容と絡めると、晩夏っぽい気はする・ですが。好みあるし…。まして、発見だと言われれば、ハイ、失礼しましたッ。
佐藤裕子作品「姉妹」。さて、めんどくさいタイトルであるなと思いつつ(笑)読み始める。母と娘とか、姉妹とかなんでそんなにお互いが同化してしまうのだろうと、男である私には難しい。案の定というか、冒頭から”薬を付ける指 傷を作る指”などと、相反する事象を持ち出してくる。上下の入れ替え、左右の入れ替えでほぼ構成されていく。この目的を推察するに、表裏一体であることを目指しているのだろう。そう思えば、最終行はそうなっていると思えるカタチ。ところで、本論と関係はないのであるけども、この結論は女性には楽しいことなの?・とは思うのですけど、んんん。

一帯一路対抗・インド・2

●インドと東南アジアを陸路でつなぐ・・・ まず注目されるのは、インド北東部の道路建設プロジェクトだ。このプロジェクトの趣旨は、インドと東南アジアを陸路でつないで物流を活発化させ、経済を活性化させることにある。ただし、経済的な目的の裏に、安全保障を含めたより戦略的な思惑もある。
 中国が南シナ海で強引な行動を取っている原因の一つとして、東南アジア諸国の態度がはっきりしないことがある。安全保障に不安を覚えつつも、経済面で中国に強く依存していることが一因だ。この中国依存を緩和するのに、インドとの貿易拡大が貢献する。
 さらに、インド北東部には、インドと中国の双方が領有権を主張しているアルナチャル・プラデシュ州(中国名:南チベット)がある。インドは防衛力の増強を進めているが、インフラがないために軍を素早く移動させることができない。もし道路が整備されれば、それがたとえ民生用の道路だったとしても、インド軍の展開を助ける結果になるだろう。
●中国に対抗し、スリランカに新港を建設・・・ 次に注目されるのはスリランカのトリンコマリー港の開発だ。日本とインドが協力して同港を建設する計画である。その戦略的背景は何か。
 前述のように、スリランカでは中国がハンバントタ港を建設している。日印は、中国がスリランカで影響力を強め、最終的に中国海軍の拠点を構築することを懸念している。
 そこで日印は、スリランカに中国製よりも優れた港を作り、中国の港の存在意義を低下させて、日印の影響力を維持しようとしているのである。優れた港とは、実際にスリランカの経済に資する拠点となるものだ。そこでトリンコマリー港が候補になった。
(中略)
 トリンコマリー港も大都市コロンボとはつながっていない点では同じだ。しかし、日印はハンバントタ港の失敗を見て、大都市コロンボとつなぐことを考えている。コロンボ=トリンコマリー経済回廊構想だ。距離は直線距離で255辧東京=大阪間の約半分だ。現在はクルマで6時間、鉄道で8時間かかる。この時間を短くする。
●イランにも新港、グワダル港をけん制・・・ 日本とインドが進める3つ目のインフラ開発は、イランのチャーバハール港である。元々はインドが、イランのチャーバハールにある港の近代化を進めていた。これに日本が参加し、資金や技術面で協力する。日本がかかわる戦略的な背景は何か。やはり、中国の存在がある。
 中国は今、「中国・パキスタン経済回廊」の計画を進めている。中国軍がカシミールのパキスタン側に駐留して道路を建設しているのは前述の通りだ。この道路は、中国からカシミールを通ってパキスタン国内を南下、バルチスタン州のグワダルにたどり着く。そのグワダルで中国は港湾建設を進めている。
 「中国・パキスタン経済回廊」は、実は多分に軍事的な色彩を持っている。カシミールで中国軍が道路を建設しているだけでなく、グワダル港を警備するために中国軍は海兵隊1個旅団を派遣する用意をしている。また、パキスタン軍に警備艇をはじめとする武器を提供してグワダル港の警備を強化する。
 中国がパキスタンに輸出する潜水艦8隻についても関係している。これらの潜水艦は、グワダル港を封鎖する可能性のあるインド海軍の接近を阻止するのに役立つだろう。
 パキスタン軍の動きも顕著だ。「中国・パキスタン経済回廊」の道路を守るために、2016年、パキスタンは1万5000人(9000人の軍人と6000人の治安部隊要員で構成)からなるセキュリティ師団を創設している。今後、セキュリティ師団をさらに増設する計画だ。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/261283/053100010/?s_cid=nbp_grcx_na
「一帯一路」に対抗する日・インドの戦略構造〜インドを陸海空物流のハブに〜(←出典

一帯一路対抗・インド・1

 中国は5月に北京で「一帯一路」サミットを開催したが、インドは「一帯一路」構想の問題点を指摘し、代案に「アジア・アフリカ成長回廊」構想を提起した。
●借金漬けにして中国の影響下に・・・ インド外務省のホームページに、「一帯一路」構想を取り上げたページがある。ここには、本来あるべき経済協力の姿と、「一帯一路」構想がその理想からかけ離れていることが書かれている。どうやら、インドは2つのことを気にしているようだ。
 1つ目は、返済できないような多額のローンを中国が高い金利で貸している点だ。諸国を借金漬けにして中国の影響下に置こうとする、悪意に満ちた計画ととらえているのである。
 例えば、中国がスリランカに建設したハンバントタ港の建設がその例として挙げている。スリランカ政府は、ハンバントタという場所に、中国の協力を得て港と空港を建設した。その際、中国から借り入れを受けた。金利は6.3%。
 ローンは返さなければならない。だがスリランカは80億ドルに及ぶローンを返却するめどが立っておらず、中国に今後99年にわたって運営権を渡す契約に合意することになりそうだ。さらには、同港の敷地内において治安や警備の権限まで中国に認めることになりかねない。
 もし治安や警備の権限を認めた場合、スリランカ政府は、ハンバントタ港の中で何が行われているか把握できない状態に陥る。同港は中国の、中国による、中国のための港になってしまう。
(中略)
●“インドの領土”で中国軍が道路建設・・・ インドが反対したもう1つの理由は、インドの領土問題にかかわるからだ。「一帯一路」構想には、「中国・パキスタン経済回廊」が含まれる。中東産の石油をパキスタンで陸揚げし、パキスタン国内を北上して中国へ運ぶルートを指す。
 このルートは、パキスタンが管理するカシミール地域を通過する。この部分の道路を、中国軍が駐留して建設している。インドが自国の領土と主張しているところに中国軍が駐留して道路を建設して使用するというのは、インドにとって譲れない一線だ。
(中略) 
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/261283/053100010/?s_cid=nbp_grcx_na
「一帯一路」に対抗する日・インドの戦略構造〜インドを陸海空物流のハブに〜(←出典

『現代詩神戸』257

現代詩神戸『現代詩神戸』
編集:三宅武・永井ますみ・田中信爾(神戸市)

永井ますみ作品「奈良公園の鹿」。日本への観光客に対して、言葉が分からないからとほうっておく。しかし鹿だけは鹿センベイさえ持っていれば、あなたのコトバ分りマス的な顔をしてすり寄っていくというのは、なかなかの皮肉屋さんである。
宮川守作品「しながら」。生きるということにどんな意味を持たせることが出来るのか。ここでは”リフォーム”と言っているのであるが。とかく、自分は間違っていないからを繰り返す雄武になるばかり。なんとも難しく。
張華作品「殺されるのは」。ここでの対象は津波ということであろう。その災害の大きさを自覚するから、海(波)は風を避けるのだ。そうであって唯の拒絶ではない。あたかもぬるま湯の、風のないだ日ばかりであろうはずもなく。

『ONL』第149・150号

ONL詩誌『ONL』
発行:山本衛(高知県四万十市)

水口里子作品「いのちのスープ」。玉ねぎ、にんじん、セロリなど植物の死体を齧るわけだ。命には命であるわけで、それが病む人に飲ませることでの実感になる話。しかし内科健診での待合室で読むとビミョ〜であった(笑)。
國友積作品「あの男」。田畑に恋しているというのは、どんなものだろう。妻方の実家が農家であったが、恋?ではないな、絶対に。まあ、自分の小さな家庭菜園であれば可能であろうし、また、数ある人の中にそうした人が皆無とは言い難いけれど、どこか勘違いがある気がするのは何故だろう。
山本衛作品「垂直と水平と」。水平思考と垂直思考の二通りの考え方。ここでは海辺に住んでいるものと、山に住んでいるものということである。分かり易い気はするが、実際には坂道の存在が大きいと思うのですけど、如何でしょうか。
芝野晴男エッセイ「将棋ソフト」。強すぎると買わないし売れない、うん、当然かな。ここでは研究者タイプの開発者の話である。

「うんこ漢字ドリル」に警鐘

 〈大学生が、うんこを□小(しゅくしょう)コピーしている〉――すべての例文に「うんこ」を取り入れた小学生向け『うんこ漢字ドリル』(文響社)が絶大な人気を博している。子どもたちが喜ぶ「うんこ」を巧みに取り入れ、“面白く学ぶ”ことに成功したこの教材には教育界からも称賛の声が上がる。
 さはさりながら、やはり糞である。児童が破顔する情景を微笑ましく見守るばかりが術ではあるまい。実際に、教育の専門家からも懸念の声は上がっていて、
「ドリルでは漢字は覚えられるかもしれませんが、表現力までも身につけられるかは疑問です」とは、森上教育研究所の森上展安代表である。
「いい文章というのは、読んだ後に爽快感が残ります。昨夏の『俳句甲子園』では、東京の女子高生が『利口な睾丸を揺さぶれど桜桃忌』と詠んで話題になりましたが、一見乱暴な言葉でも、このように美しい表現をなすことができる。漱石の文章でも『唐変木』などと汚い言葉が散々使われていますが、読んでいて爽快です。こうした部分が、子どもに表現を教えていくうえで難しいところです」
 今回のうんこドリルは、 「小学校1、2年生くらいまででよいのではと思います。高学年であれば、もっと品のよい文章を読ませたい。排泄行為は、いじめの標的にもなるくらい過激な言葉でもあり、5年生あたりは最もいじめが起こりやすい時期。児童がいじめの材料として使いかねないという危惧はあります」
■“嫌なもの”に向かう行為
 元国立市教育長で教育評論家の石井昌浩氏も、こう警鐘を鳴らすのだ。
「『三つ子の魂百まで』です。このドリルで育ち、果たして自分の核となるものを持ち得るかどうか。品性のない大人に育ってしまわないか心配です。何でも『うんこ』を媒介にするのは、子どもの未熟な感性に迎合することに他なりません」(後略)
 
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170521-00521396-shincho-life
特集「84万部突破! 子供も大人も魅入られた『うんこ漢字ドリル』の社会的考現学」より
「週刊新潮」2017年5月18日菖蒲月増大号 掲載(←出典
WORLD ALARM

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