NY帰りの翌朝(3月16日)、時差ボケで6時のニュースを見ようとしたら、いきなり「吉本隆明死亡」の報が出た。まだ4時間前の事だった。彼の背景はすでに報道済みなのでここでは繰り返さないが、私には映画の「寅さん」の死亡ほどのインパクトがあった。
学生運動に日本が激動した60年代後半、われわれ学生は彼の書きものをむさぼるように読んだものだ。彼の言わんとする事がどれほど理解できていたか。
しかし、彼が「日本読書新聞」や「週刊読書人」などに発表した書きものを、ダンモが流れるうす暗いサテンで必死に文字を追った。
昨夜、本棚に行ってササッと見たところ写真(クリック>>>拡大)のような書籍が見つかり、懐かしくなり2,3本読んでみたが、今読むと、結構わかりやすい。「転向論」「芸術的抵抗と挫折」「情況とはなにか」「共同幻想論」そして「“パルタイ”とは何か」等々、あのころはかなり難しかったなぁ。
「状況」ではなく「情況」を使い始めたのは彼が最初だと思うけれど、そんなことも解らずにやたらに「情況」をつかう昨今の連中には苦笑いだな。
写真の全集は69年の春ごろから刊行され始めたものだ。卒業して安月給の中から1冊ずつ買って行ったのを覚えている。時間ができたら読み返したい。