2012年06月04日

●セックスレス生活の不自然 1/2

 人間は知性・教養や学歴、収入を云々する前に動物であり、動物である限り、生殖とか種族保存などとおこがましいことを言う前に、愛や憎しみにまみれたセックス・ライフが日常的に行なわれていることが極めて自然であると思われる。それは知性でコントロールしがたい本能である。

 不本意ながら離婚となったとしても、やがて相応しい伴侶に恵まれ、互いに理解し合い、入籍の可否はともかく、満たされた生活をささやかながら送る、これもまた自然の成り行きだろう。

 50歳時で一度も結婚したことがない人の割合を生涯未婚率というそうだ。2010年では男性が20.1%、女性が10.6%だという。1980年代に比べて男性は8倍、女性は2倍に急増したらしい。

 これを報じた新聞は、その原因は不況、雇用不安、少子化、家庭の在り方の変化、社会の抱えるひずみの結果だと暗示していた。結婚できない理由もおカネが無いからと、よく言われる。

 私はそれは、一人っ子が最大の原因だとかねてから指摘してきた。

 子だくさんの昭和前半時代に比べ、その後の一人っ子は衣食住と親の歪んだ愛情に恵まれてきた。その結果、人間本来が持っていた生活能力のかなりの部分が欠落され、それでも親の家で何不自由なく暮らせて行ける。

 生活能力が欠落してくれば、気力や健全な性欲も大幅に減衰し、時折、間違った凶暴でみじめな性欲が犯罪を引き起こしている。

 都会へ出てきて収入に恵まれなくても、気力と健全な性欲があれば、やがてこころを通じ合える相手に恵まれよう。食費、電気光熱費、部屋代等も、ひとりより二人の方が全然効率的で安上がりといえる。入籍の可否は二次的な課題だろう。

 一人っ子に生まれてきた人に罪はないと、偽善者のようなことは言わない。一人っ子が自らを厳しく鍛え、自分で自立するしか道はないのだ。兄弟姉妹が多かった人々は、一人っ子が体験できないような苦労をたくさんしてきた人も多い。

 

 

 

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