2013年09月14日

● ニック・バレー、東京2,020オリンピック/パラリンピック招致でハットトリック

 東京オリンピック/パラリンピック2020招致での素晴らしいプレゼンテーション・スピーチをTVで観て、さてこの黒子(agency)はどこだろうと興味を持った。このようなコミュニケーション手法の黒子はPR agencyに違いないからだ。長年PRの仕事にかかわってきて、こんなexcitingな仕事にぜひかかわってみたいと思う。

 最初、このプロジェクトは国家的なものだからD社かと思ったが、国際的なプレゼンのスキルとなると外資系のagencyかとも思った。

 TV番組からこの仕掛け人がNick Varleyなる人物と判明してからは、英文のwebsiteをサーフしまくり、大方以下の情報を拾った。

 Nick Varley は元イギリスの一般紙ガーディアンの記者。イギリスの一般紙には発行部数順にデイリーテレグラム(64万部)、タイムズ(50万部)、ガーディアン(26万部)、インデペンデント(18万部)そして日経のような経済紙フィナンジャルタイムズ(9万部)がある。ガーディアン紙は中道左派、リベラル派の編集方針という。

 Nickは2006年に「Seven46」というスポーツ・イベント招致のためのPR agency をロンドンのコベントガーデン(チャリングクロスの北側にある繁華街)にあるビルの3階に創設した。目下のところ年商は1億円から5億円。従業員は5〜10人。

 主要業務は、国際的なスポーツ・イベントの招致で、基本的なコンセプト作りから、キー・メッセージの開発、各種スピーチの執筆やプレゼンテーションの演出、キャンペーン関係のカタログ、DMの執筆など招致成功のための一連のサポートを行う。

 彼が今回の招致成功でハットトリックを成し遂げたと国際メディアで報じられているのは、ロンドン2012およびリオ2016オリンピック/パラリンピック招致の黒子として成功しており、今回が3回目の成功となったからである。

 今回の招致に当たり彼は、国際的なコミュニケーションやマーケティングのあらゆる分野で戦略的なコミュニケーションのアドバイザーとして2年前からかかわってきていた。

 このほかにも、2010シンガポール・ユース・オリンピック、ワールド・スキル・ロンドン2011、ロンドン2017世界選手権アスレチックなどを手掛け、キー・メッセージの開発や原稿執筆、プレゼンの演出を手掛けてきている。新聞記者の出身だけに、要を得たわかりやすい原稿の執筆はお手の物なのだろう。私もそうだが日本でもPRスペシャリストにはジャーナリズムの出身者が多い。

 今回の招致で東京チームは、Nick Varleyを含む9つの実績のある海外の専門家集団に、イベントの管理運営、セキュリティ、デザイン、交通等々につき依頼をしていることを去年の7月に発表している。このような専門家集団はオリンピック/パラリンピックの内情に詳しい元IOC委員らを擁し、各種国際的なスポーツ・イベントで多くの実績を残している。

 ロンドンでは、Nick Varleyの快挙に加え、新国立競技場の設計コンペで栄誉を勝ち取ったのもロンドン在住のZaha Hadidであるので話題になっている。

 あの日本人離れしたプレゼンの裏には、それなりのコンサルティングがあったのだ。

 日本のビジネスマンには、英語ができてもプレゼンやビジネス交渉は下手という人は多い。英語はできるだけではダメで、それを使ってどのようなコミュニケーションができるか、要諦となろう。


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