2013年10月10日

● 都庁の展望台 日本の恥、文化度サイテー!

 ボランティアで、東京へ来た外国人への観光ガイドを時々している。観光スポットのひとつに都庁の展望台(地上202m)がある。無料だ。しかし、展望台の環境は最低で国際的に極めて恥ずかしい。

 私はこれまでに一度も行ったことがなかった。来週に案内を予定しているイタリア人夫妻が都庁訪問を希望しているので、昨日、仕事の帰りにフラッと下見に行った。

 展望台は、平日だし空(す)いており、ふたり連れや5人連れが10組くらいだった。予想に違(たが)わず土産物屋があるのはいいが、商品は小学生以下が客層と思えるものばかり。

 おまけに夜景の素晴らしかろう東北向きには全展望スペースの3分の1は占めようというレストランがある。調べればこれは外部委託の民間業者が経営している。

 都庁の展望台(しかも無料)ともなれば外国人も多い。昨日も約半数が外国人だった。そんな国際的な観光名所で、日本のどこにでもあるような、子供の幼児性を助長するような凡百の軽薄な品質の商品を陳列して、都庁として恥ずかしくないのか。

 私はこのような土産物屋は外国人に見せたくないと思った。日本の文化・歴史・地理に関わるようなクオリティ商品は見当たらない。

 レストランも、なぜここにレストランか、というように唐突にある。食事をしたり、貸切パーティもできるという。なぜ、そのようなことを日本の首都・東京の庁舎内、しかも国際的な観光スポットでする必要があるのか。

 飲食を供するなら、抹茶や和菓子、ブリティッシュ・ティー、コーヒー、ソフトドリンクス程度を供すればよく、すべてのフロアは訪問者全員がどの窓からも展望を楽しめるようにすべきだろう。

 パッと考えてみて、この為体(ていたらく)はこの展望台の接客コンセプト(目的)、およびそれに基づく運営指針(戦略)がないからだと思う。

 当時のローブローな広告代理店の提案を、もっとローブローな役人が判を押した結果に違いない。利権絡みがあったかどうかは知らない。

 今の新庁舎が完成した時の都知事は、鈴木俊一(敬称略)。その後、青島幸男、石原慎太郎と代わり、現在は猪瀬直樹。

 彼らが決定権者ではなかったにしろ、この現状に気が付かないのか。あるいは誰かが進言しないのか。都庁内の役人はしないだろうな。情けないことだ。


この記事へのトラックバックURL