教授の名誉挽回

ボクが、稀に聴きたくなる曲で、

YENレーベルの鏡の中の10月 と言う曲があります。

これは、たぶん82年〜83年。当時の○I○Iっぽい空間なのです
が、教授のPERSPECTIVEと一緒に墓場までもって行きたい曲でもあります。

この曲は、メロよりもアレンジが素晴らしいのです。
まず、小池玉緒のウイスパーボイス。
で、濁音とかアタックの強い歌詞については、クァ=カとかで録っているんですね。
ボーカルの質感から、アタックまで結構神経質にやっているのがわかります。

コード進行も、メロと進行は同一箇所ですが、『ため息〜Je t'aim』で緊張感を与えるのは、昔の教授っぽい。っていうかこの手法は、ボクもパクリました。
『faire I'amour』で何気にダブルにしてるし。

そして、感想で彼女のポエム『千の夜さえ〜』が入るのですが、これも上手い。
エフェクトがドライになって、真正面から来るので、ドキッとする。

売野雅勇は、言葉遣いとチョイスが、日本のウイスパー、アンニュイ系の女性歌手には最適だと思います。

今なら、中谷美紀とか良いでしょうね。

アレンジは、リンドラムのバスって言う音と、プロフェットのパッドが良い。

実は、糸井重里が司会だった、NHK教育のYOUにYMOがでていて、先日20年ぶりに見たのだけれど、このときの収録していたのが、この曲で、小池玉緒もチラッと見えた。

教授は、プロフェットでこのパッドを、”雪が降るパッド”と命名していたみたいだけれど、この時期のニューウェーブ系・・・デビッドシルビアンとかに使ってた、このパッドは最高です。あと、教授とロビンスコットのARRANGEMENTあたりでも、使っていたんじゃないかな。

和音の影響もあるんだけれど、とにかくこの曲のパッドの奥深い深みと、上の周波数でキャーンというハーモニーは、この曲の一番最後の ”あなたのまぼろし・・・”というボーカルとパッドだけのソロで、凄い空間を醸し出している。
ボーカルの繊細な、消滅して死んじゃいそうで、救われない美しい声と、パッドの厚みがあるけれど、広大な雪原を感じさせるこの融合も、正にスタジオで感覚的に計算されたのでしょうね。

ボクが影響を受けた曲を、今のうちにまとめておこうと思ってます。

THE VERY BEST OF \EN LABEL VOL.2