野原から

自然の中に生きる野鳥を自然のままに・・・。

2019年08月

野鳥録音者におすすめの熊除けベル

登山をする人は熊除けの鈴やベルを着用したり、あるいは携帯ラジオをつけっぱなしにしたりして山歩きをしますが、野鳥録音をする人は、それらの音が邪魔になるので、私はいままで「熊は気にしない」ということにしていました。
しかし、先日のタイマー録音でもツキノワグマらしき声が入りましたし、人がほとんど行かないような山奥へ徒歩で行く場合には、ベルくらい持参した方が良いなと思いました。
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今日、山用品屋さんで購入したのですが、このベルは野鳥録音に最適だと思います。
金色のベルの部分を引っ張ると、カチッと音がして「ベルが鳴る」「鳴らない」を瞬時に切り替えられるのです。
これならば、いつ目の前にヤイロチョウがやってきてさえずりだしたとしても、ワンタッチで音が出ないようにできるので、録音を邪魔することもありません。
里に下りてきて、熊除けが必要なくなったときも、ワンタッチで消音できれば、ザックにしまい込むなどしなくて済みますので、良い商品だと思います。

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こちらは、滑落した時に助けを呼ぶ笛。私が散髪している美容院さんの奥さんが、若いころは山を登っていた人で、先日散髪に行ったときに「笛だけは絶対持っておくべき!」と強く勧められたので購入しました。
これは、買ったけど一度も使う機会が無かった、というほうが良い商品ですね。








ツキノワグマの声か?

今年は山の奥地のほうにもタイマーレコーダを仕掛けました。
何か所か斜面の崩落個所もあり、行くのもけっこう大変なところです。

そのレコーダーに入っていた声ですが、これはツキノワグマではないか?と思います。

tukinowa



ツキノワグマの声もネット上にあまりなくて、以下の二つがこの声と似ていると思います。
どちらかというと、幼獣の声なのかもしれません。どうでしょうか?

https://www.youtube.com/watch?v=-Rcwp7UPDvE

https://www.youtube.com/watch?v=blmCwVPGFik

ミゾゴイの高音鳴きと、聞こえ方の考察

今年の山間部での録音はミゾゴイにターゲットを絞って、台数を減らして録音しました。
台数は減らしたものの一晩中録音を毎日したので、今年も4TBのハードディスクがいっぱいになりました。

今年の録音では、一か所、ソングポストに近い場所にレコーダを設置できて、非常に大きくクリアな録音ができました。
近い距離で録音できると、聞こえ方がまったく違うもので、いろいろと驚きのある良い録音となりました。(これがあるからやめられない・・(笑))

まず、普通のミゾゴイのさえずりです。


MIzonormal
↑このように350hz~400hzあたりが響いて聞こえてくるのが一般的なミゾゴイのさえずりです。
一番遠くまで届くのがこの350hz~400hzの「ポー」という声ですが、この録音の5番目の声が、350hzの響く音程が無くて「クゥー」と聞こえます。
このあまり響かない声を私は「かすれ鳴き」と呼んでいますが、さえずりの前後、合間に時々聞こえますし、5月6月あたりはこの「かすれ鳴き」だけ鳴く場面も何度かありました。

次に直近で録れたミゾゴイの声です。

Mizoclose
↑カタカナでの表記は難しいのですが、これだけ近い録音だと350hz以外の音や息遣いが聞こえて「グ クォー」というような迫力のある声です。良く聞くと声と同時に「キュー」というような息が抜けるような音も聞こえます。
この声を少し離れて聞くと一番最初の普通の鳴き声に聞こえるのだろうと思います。
ちなみに最後の2声は別個体が鳴いた可能性もあります。

次に、今年初めて知ったミゾゴイの鳴き方です。

Mizohigh
↑スペクトログラムを見ていただきたいのですが、400hzよりちょっと上に最低音があり、その上に800hz,1200hzに倍音があります。ミゾゴイとしてはとても高い声です。
この場所の録音では、複数日、複数回、この声がミゾゴイのさえずり前後や合間に録音されていますので、ミゾゴイで間違いないと思います。
この声を録音したのは、もしかして私が日本初だったり?と、一人で興奮しています(笑)。


Mizo3type
↑こちらは3種類の声が入っています。スペクトログラムを見ながら聞いてください。


Mizo2individuals
↑こちらは2個体が鳴き交わしています。
単なる感想ですが、これを聞くと雄2羽がなわばりを争っているようには聞こえず、雌雄で鳴き交わしているのではないだろうか?とさえ感じます。(こういう場面が何回もあります)
今回挙げた3種類の声が雄のものなのか?雌のものなのか?それとも両方が出す声なのか?などはタイマー録音では断定しかねるところです。また課題が増えました。

この場所で、また来年も同じように鳴いてくれるか?。
ぜひぜひ来年も帰ってきて、鳴いてください!
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