2011年05月08日
Mishima: A Life In Four Chapters
『ミシマ:ア・ライフ・イン・フォー・チャプターズ』(原題:Mishima: A Life In Four Chapters)は、日本とアメリカ合衆国の合作映画。三島由紀夫の人生を扱った伝記映画。
1985年にアメリカ合衆国などで公開されたが、現在も日本では未公開である。制作は日本のフィルムリンク・インターナショナル、アメリカのアメリカン・ゾエトロープとルーカスフィルム。
<スタッフ>
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ、ジョージ・ルーカス
製作:山本又一朗、トム・ラディ
監督:ポール・シュレイダー
脚本:ポール・シュレイダー
原作:三島由紀夫
音楽:フィリップ・グラス
美術:石岡瑛子
ナレーション:ロイ・シャイダー
<概説>
三島由紀夫の人生を、『金閣寺』『鏡子の家』『奔馬』(『豊饒の海』第二部)の三つの三島文学を映像化したものと、三島が自決した『1970年11月25日』を描いたドキュメンタリー調のシークエンス、それに三島の半生をモノクロームで描いた『フラッシュバック(回想)』のシークエンスを加えた5部構成によって描かれる。
緒形拳が三島の役を熱演している。緒方は1970年11月25日に起きた陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地での籠城事件、自衛隊決起を促す演説、そして最後の割腹自殺までを演じた。
なお、三島役として坂本龍一にもオファーがあったが、彼はこれを断っている。自身がパーソナリティーを務めていたサウンドストリートの中で、「『戦場のメリークリスマス』のあとにこの映画で三島役を演じたら、海外から『サカモトは右翼だ』と思われそうだ」と、その理由を語っている。ただしこれは冗談めかした口調であったため、坂本の真意かどうかは確認できない。ちなみに坂本は、『ラストエンペラー』のパンフレット内のインタビュー記事でも同様のコメントをしている。
製作総指揮は『ゴッドファーザー』シリーズと『地獄の黙示録』のフランシス・フォード・コッポラと、『スター・ウォーズ』シリーズのジョージ・ルーカスが務めている。監督と脚本は『タクシードライバー』の脚本で高く評価されたポール・シュレイダーが、ナレーションは『フレンチ・コネクション』『ジョーズ』シリーズのロイ・シャイダーがそれぞれ担当している。また、主演の緒方を含め、映画に出演した日本人キャストも非常に豪華なものだった。
本国アメリカでは興行的に惨敗したものの、1985年度のカンヌ国際映画祭最優秀芸術貢献賞を受賞し、各方面で絶賛された。当初、日本でも『ミシマ 11月25日、快晴』の邦題で公開が予定されていたが、三島夫人の抗議等の諸事情により日本では劇場未公開、ビデオ・DVD化もされていないため「幻の作品」となっている。日本人俳優は日本語で演技をしているため、英語の字幕とロイ・シャイダーによるナレーションが要所に付いている。海外で発売されているDVDには、緒形拳による日本語のナレーションが収録されている。なお、最後の総監室の場面にて総監が「気が狂ったのか、きちがいじみてる」と言うシーンがあるため、万一日本でソフト化された場合もこのシーンを削除、または音消しなどの措置を取られる可能性がある。
2010年11月25日に、日本の出版社の鹿砦社から「三島由紀夫と一九七〇年」が刊行された。本作のDVDが付録として封入されている。事実上、本作の日本での公開はこれが初めてとなる。
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8/10点
日本では未公開の作品らしいが、youtubeでブツ切りだが見ることができた。
youtube画質なので、映像のディテールについては何とも言えないが、
緒方拳さんは三島をやるにしてはゴツめだが、流石の熱演で三島の持つ熱さや人柄の良さが上手く表現できていたと思う。
小説を映像化した虚構の世界と現実との間を行ったり来たりする演出は幻惑的で、死や破滅への憧れなど、三島の心の中の闇を暗示させる。
自分はなかなか楽しめたけど、所詮は三島さんの文学やら生き様に多少なりと興味がある人のための映画で、
興味がない人には退屈だったり、独善的なところ鼻に着いたりと、とにかく見る人を選ぶ映画だと思った。
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キャスト
緒形拳 - 三島(『1970年11月25日』、『フラッシュバック(回想)』)
利重剛 - 三島の青年時代(『フラッシュバック(回想)』)
大谷直子 - 三島の母(『フラッシュバック(回想)』)
加藤治子 - 三島の祖母(『フラッシュバック(回想)』)
塩野谷正幸 - 森田必勝(『1970年11月25日』)
三上博史 - 「楯の会」隊員(『1970年11月25日』)
立原繁人 - 「楯の会」隊員(『1970年11月25日』)
織本順吉 - 自衛隊益田総監(『1970年11月25日』)
小林久三 - 文学者の友人(『フラッシュバック(回想)』)
新井康弘 - 新聞記者(『フラッシュバック(回想)』)
細川俊夫 - 『鹿鳴館』のプロデューサー(『フラッシュバック(回想)』)
坂東八十助 - 溝口(『金閣寺』)
佐藤浩市 - 柏木(『金閣寺』
萬田久子 - 真理子(『金閣寺』)
沖直美 - 女(『金閣寺』)
高倉美貴 - 女(『金閣寺』)
辻伊万里 - マダム(『金閣寺』)
沢田研二 - 収(『鏡子の家』)
左幸子 - 収の母(『鏡子の家』)
烏丸せつこ - 光子(『鏡子の家』)
倉田保昭 - 武井(『鏡子の家』)
横尾忠則 - 夏雄(『鏡子の家』)
李麗仙 - 清美(『鏡子の家』)
平田満 - 悪漢(『鏡子の家』)
永島敏行 - 飯沼勲(『奔馬』)
池部良 - 尋問官(『奔馬』)
誠直也 - 剣道教師(『奔馬』)
勝野洋 - 堀中尉(『奔馬』)
根上淳 - 蔵原(『奔馬』)