5月23日に市議会鉄道対策・武蔵境駅周辺整備特別委員会が開催され、現状の武蔵境駅周辺の整備状況について報告があった。現状で鉄道の高架事業が終わっているが、中央線北側の側道が今年6月以降に開通し、北口駅前広場が平成27年度に整備が終わることで大方の整備が終わる予定だ。
 
現状で完成予定が決まっていないものは、駅東側、ホテルメッツの北側から鉄道の高架下、北口交番がある場所だけとなった。JRと西武鉄、市の土地が並んでおり、個別に施設をつくるのか、連携して作るかなど、どのように使うかまだ決まってないためだ。市の市政センターはここに入る予定だが、まだ、先行きが見えないことなる。

 委員会では、鉄道高架下には他に商業施設が入る予定が伝えられているかを確認してみた。以前示されていたJRの中央ラインモール構想では、さらに入ることも考えられたからだ。現状では市には情報はないとの答弁だった。

 また、中央線の複々線化事業の進捗状況も確認をしてみた。この事業は、現在の中央線の地下に新たにトンネルを掘り、線路を通すというもの。2009年8月に行政報告があったが、この時は複々線化する場合の費用について自治体の負担割合が課題となっており、大きくは進むようには思えなかった。今回行われた鉄道を高架にする場合、踏切をなくし道路の交通が良くなるとして道路財源から補助金を得られたが、地下トンネルではこの財源が使えないため、自治体の費用負担はさらに増えることが考えられているからだ。

zu2 その後、私が調べた範囲でも平成23年7月に促進協議会総会が開かれた以降、大きな動きが見えていない。答弁でも同じような認識で、今年には、部会活動で行われていることが報告されるそうだとの内容だった。

 中央線には、複々線化の事業計画だけではなく、三鷹駅から新宿駅を通り東京駅を結ぶ路線があり、さらに道路の環状八号線のように環状の鉄道路線を新設についても検討すべきという計画がある(図参照 ※)。できれば確かに便利だが、問題はその費用負担だ。武蔵野市の財政は、今後、公共施設の再整備や上下水道の更新などで多額の費用が必要となり巨大な出費はできないのが現実だ。運賃の値上げ、定期券の割引率圧縮など受益者負担ではどうかとの提案もある(ケンプラッツ 2009/11/11 「中央線は立川まで複々線にできるか」。さて、どう考えるべきか。

 今回の報告で、武蔵境駅周辺のまちづくりも先が見えてきたことになる。このこともあり長年にわたって設置されてきたこの特別委員会も終える予定。今後は建設委員会などで報告や議案審議が行われる。


※国土交通省「東京圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について(答申)」にある「整備計画」→「2 路線の新設、複々線化等」→「具体的路線」の「付図2」より

下の図は委員会資料。PDFはこちら

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