大深度地下による外環道路本線の工事が始まっているが、地下トンネルの避難路がどのようになるかを調べるためにアクアラインと現在、工事が進められている首都高速中央環状品川線を武蔵野市議会で視察してきた。どちらも外環道路本線と同じく、地下40mを通過する自動車専用道路(高速)だ。

IMG_2799
武蔵野市内を通過することになる外環道路本線は、地下40mに上下線別の二本のトンネルで通過する。このトンネルで、“もしも”の事故が起きた時にどのように避難できるのかを市民に聞かれることも多い。

 アクアラインは、トンネルが二階建ての構造となっており、車が通る二階部分から1階へと人は避難できる。300m間隔で滑り台が設置されており滑り降りることで避難が可能で、火災が発生した場合の煙が入り込まないようにもなっているという。また、一階部分は車の通行も可能で、救助隊が駆けつけることもできるのだそうだ。外環道路本線は、アクアラインと同じような構造が予定されている。

IMG_2772IMG_2785



 中央環状品川線の場合は、海面下ではないことから上下線のトンネルが並走している場合には、反対側のトンネルへ避難し、並走していない場合には、独立した耐火性のある避難通路を設けて避難する。この避難連絡坑は250m以下の間隔で26箇所設置する計画だ。
 
 どちらも、シールドマシンという巨大な掘削機が地下でトンネルを掘り進めていくという工法。外環道路本線と同じ工法だ。技術的には最先端でもあり、避難計画も現状で可能なことは行われていると思う。ただし、素人目での判断であり、絶対に安全とは言い切れない。想定以外のことは起きるものだ。




■地盤沈下への事前調査

 二か所の地下トンネルを視察した後、外環道路本線が予定されている世田谷区を通り戻ったのが、その時に他の議員と話題となったのが、地下トンネルを掘り、地上部が地盤沈下などの被害が起きたとき、どのように検証していくかだった。
 トンネルを掘る前に調べておかないと、工事の影響がどうかが判断し難くくなるから。だが、外環道路本線では事前調査を行うか、まだ明確ではないのだ。

 以前にも書いたが、平成28年に完成予定で工事が進められている首都高横浜環状北線は、外環道路やこの二つの工事を同じシールドマシンで工事が進められており、最大で地下60mを通る。
 この工事の公式サイトにある「よくある質問」に「工事による建物への影響と対応について」があり「建物等事前調査の対象範囲について教えて下さい」、との質問に対して、「都市計画線から40mの範囲とトンネル底面から45°の角度で立ち上げていった範囲を比べ、大きい方を調査対象範囲としています」と回答している。
 同じように考えれば、外環道路でも同じ範囲で調査をすべきだろう。


 外環道路については『東京外かく環状道路(関越道〜東名高速間) 環境への影響と保全対策 』(平成18年2月発行)があるが、この中のp37とp38には、『東八道路インターチェンジ周辺(中略)の河川沿いの沖積地で地盤沈下が生じます。青梅街道インターチェンジ周辺は、軟弱な沖積層が分布していないため、地盤沈下はほとんど生じません』と書かれている。
 武蔵野市内のルートは、この東八インターチェンジと青梅街道インターチェンジの間。地盤沈下の影響があるのかどうか分からない。もっと明確することがも今後、求められていると思った視察だった。


hinan


画像は上から
実物大シールドマシンの模型(アクアライン)
アクアライン地下トンネルへの入り口。海ほたるから入る
トンネルの一階部分。左側に滑り台がある。他に二階へ向かう通路もある
中央環状品川線の避難連絡坑(動画)
外環道路パンフレットより外環道路本線の断面図