5月16日の市議会文教委員会で行政報告があり、義務教育就学児医療費(マル子)助成の見直し方針が示された。これまで小中学生の医療費は、保護者の所得制限なしで児童にかかる医療費のうち保険診療の自己負担分を助成し、実質的に無料にしていたが、一回当たり200円の負担(通院負担金)を求めたい。さらに、高所得者には医療費負担を求めたという内容だった。


 見直す理由は、児童数の増加が今後見込まれており、待機児対策などの子ども施策にかかる経費も増加していることから、児童施策の経費の一部にしたいというもの。平成26年10月より通院負担金助成を廃止し200円を負担。27年10月からは、所得制限を行いたいとしていた。

 見直しによる財政効果は、通院負担金を求めた場合、年額で約2,000万円。所得制限を行った場合は年額で約1億1500万円になる(平成25年度事務事業(補助金)評価実施結果より)。
 この日の委員会では、新しく定員80人の認可保育園ができることも報告されたが、認可園での子ども一人あたりにかかる市の負担額は月額約13万4000円だ(2013年保育概要より)。80名分の年額にすると約1億28064万円になる。かなり荒い計算だが認可保育園の一年分の市負担金を生み出すことになる。


 義務教育就学児医療費助成制度は、そもそもで言えば東京都の制度だ。東京都の制度は、一回200円の負担が必要であり所得制限もして医療費を助成している。この制度に武蔵野市が市費を使い200円の負担と所得制限をなくするという二つの上乗せをしているのが現状だ。
 このように都の制度よりも二つの制度を上乗せしているのは、武蔵野市の他は府中市があるのみ。他はどちらかひとつか、どちらもないのが多摩26市の状況となっている。

 
 子どもへ予算をかけることは必要。だが、財源は限られている。負担できる範囲であれば負担をしてもえないかと思う。所得制限は、低所得者に対しては今と同じように無料にする方針を考えると、今回の見直し方針を私は否定できない。
 また、導入時に無料化することで早期発見が可能で医療費全体を下がる効果も期待できるとしていたが、そのような効果は検証できないと委員会の答弁ではあった。


■三多摩格差

 そもそもでいえば、自治体によって子どもの医療費が異なるのはおかしなこと。国として全国一律に無料にすべきことだ。さらに、この無料化は23区内では実施されているが、多摩地域では200円負担と所得制限があると同じ東京都なのに差がついている。このような東京都の制度も問題だ。この差をなくすことこそ優先させるべきだろう。

 今回はあくまで方向性をしめしたもの。200円の負担を求めることは6月議会で議案が提出され、議会が可決すれば成立する。所得制限を入れることは来年度だ。今のところ、反対意見を述べている委員もいたことから、どのようになるかは分からない。

 なお、今回の見直しは義務教育就学児への医療費で、乳幼児への助成は対象ではない。

画像は議会へ提出された資料

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