IMG_2659「車2台で工事を止めていることに安倍首相も怒っていると聞いています」と沖縄県東村高江地区でヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の建設に反対している住民から話をうかがった。そして、非暴力で対抗する手法にも驚かされた。

■負担軽減でなないヘリパッド

 高江地区は沖縄本島の北部、ヤンバルとよばれる亜熱帯森林のなかにある人口約160人の小さな集落だ。この集落をかこむように米軍のヘリパッドがあるのだが、県民の負担軽減を理由に高江の周辺にある7つのヘリパッドを6つにするとして工事が行われようとしている。

 しかし、6つのヘリパッドは、より集落近くに作られること。全体で22あるヘリパッドが21にしかならないこと。ヘリパッド周辺には湖があり沖縄県民の6割の水を提供しているが、ここで事故があったときにどうなるのか。何よりも工事が始まるまでオスプレイを配置することを隠してきた。環境アセスメントでは、訓練に使う航空機を明らかにしないで進め、オスプレイの配備が明らかになったときは終わっていた。住民意見を言えないままのアセスメントであり、普通のヘリコプターとは違うオスプレイの環境基準がないなかでの配備や工事はおかしい。

 米軍の資料を調べると、近くの海でオスプレーから海兵隊を海に降ろし、森林の中の歩行ルートを行動し、ヘリパッドから乗り込む訓練を行うことがわかった。辺野古に新基地ができれば、伊江島と高江を使うことになり海も山も川もヤンバルの森がすべて訓練場になってしまう。

 ここは、ベトナム戦争など戦争につながる基地でもあり、これ以上戦争に加担したくない。だから反対をするために座り込みのテントを設営し、工事予定地へ続く道路前に車を止めて工事を阻止していると話されていた。


IMG_2650IMG_2620IMG_2670■車2台で政府に対抗

 冒頭に安倍首相が怒っているというのは、この車のことだ。

 やんばるは森が深いこともあり道路が少ない。ヘリパッド予定地への道路をふさぐことで工事をさせない、遅らせようとの考えだ。
 
 東京にいる感覚だと、車を置くと青空駐車でレッカー移動されてしまうように思うが、道路と米軍基地用地の間にある空間(砂利は敷かれている)は、日米の共同使用区域となっており、米軍といえども手出しができないのだそうだ。したたかなやり方だ。


 阻止活動が始まったのは2007年7月から。来月からは9年目になる。時にはテント村が壊されてしまうこともあり24時間、寝泊りしながらここに誰かがいるようにしており、沖縄だけはなく、本土からも支援者が交代でかけてつけ、反対行動を続けているという。

 しかし、6つのヘリパッドのうち、2つは完成し残りも工事の入札は終わっているそうだ。国が日米共同使用から米軍専用に切り替えてテントや車を排除するらしいとの情報もあり、近く工事が行われ、強制排除されてしまうかもしれないという。


■憲法があるからできる

 話を伺った伊佐育子さんは、ここにいるのもデモができるのも反対の声をあげられるのも今の憲法があるから。それができなくなる不安はある。それでも、次の世代に平和を引き継げるように頑張りたいと話されていた。

 沖縄の基地問題は、簡単には解決はできない。しかし、戦争へ加担したくない、今以上に基地はいらないとの気持ちは同感できる。情報を隠しながら工事を進めているやり方にもおかしなことだ。少なくとも負担軽減が目的なら、本当に軽減することをすべきではないか。

 テントの前には、「座り込みガイドライン」が書かれており、「コトバの暴力を含め誰もキズつけたくありません」と書かれ、「いつでも愛とユーモアと」と書かれていた。匿名によるネットでの批判は数限りない。このことも含めて、納得できないこと、おかしいことへ行動で示すことの大切さ。それも、非暴力でおこなうことを高江では学んだ。

 沖縄の人たちは、反対行動を行い、突破されても、次の行動を行う。基地が作られたら基地をなくすことをすればいいと明るく答えていた。しぶとく、そして、したたかに。


■行動しあきらめないこと

 沖縄で起きていることは、安保法制と原発と同じ考え方だ。政府が決めたから従うのは当然ではない。納得できないことには反対の意志を示し、活動しあきらめないこと。これは、今の日本に必要なことではないだろうか。

 このことからこれからの日本を考える、民主主義を終わらせてはならないと武蔵野市民を中心に「辺野古アクションむさしの」との団体が結成された。沖縄に出かけたのは、この団体の第一次派遣団の一員としてだった。

 「辺野古アクションむさしの」は、すでにカンパを集め現地に送っている、20日には吉祥寺で現地報告会を行った。今後は、8月12日に沖縄の基地問題に詳しく、反対運動の中心となっている真喜志(まきし)好一さんを講師に沖縄環境ネットワークの出前学習会を吉祥寺で行う。9月27日には武蔵野公会堂でイベントを行う予定だ。詳しくは後日。



写真上から
・工事予定地へ続く道路に置かれた車
・高江地区周辺にヘリパッドができることの説明をうける
・座り込みのテント
・座り込みガイドライン
・テントのある周辺。豊かな自然が残っている
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