遊佐町子どもセンターを市議会文教委員会で視察した。0歳から小学6年生までを対象として乳幼児支援、一時保育、学童クラブ、遊び場事業を行う事業だが、児童館のようで児童館ではない施設だった。


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 施設は、雪などで遊べなくなる冬季でも遊べるようにと考えた屋内施設として建設された。今年で開設2年目となる。施設は、乳幼児の専用の部屋、大型遊具がある小学生を対象とした部屋、調理室と多目的に使える集会室と廊下を兼ねたた遊び場と図書コーナー、それに事務室のスペースに分かれ、施設内に学童クラブが併設されている。大型児童館とまではならない中規模な子ども施設で、武蔵野市の0123とさほど変わらない規模だった。

yuza3 学童クラブは、子どもセンターのある地域の学童クラブの位置づけで、学童クラブがない地域からはタクシーで学校からセンターまで送っている(タクシー代は無料)。19時まで開所しているが利用はほとんどないそうだ。

 鳥海山を望む景色の中、広々とした土地にあり、隣接した芝生の公園(別管理)もあることから子どもにとっては魅力が多い施設だろう。武蔵野市で同じようにはできないが参考になることはいくつもあった。


■国交省の補助金活用

 そのひとつは、児童館の建設となれば所管する厚生労働省の補助金を使うことになるが、国土交通省の補助金を使って建設していたことだ。
 児童館の建設補助金は、一般財源化されたため武蔵野市のような地方交付税不交付団体には補助金はなくなっている。運営費も同様で、民間児童館の運営費にのみ補助金が残っており公設公営の児童館には補助金はない。このこともあり、民間委託化や他事業への転用を考える自治体が多いのだが、運営費は別として建設費を国交省の社会資本整備総合交付金を活用していたことは興味深い。

 この交付金は、道路やまちづくりなど多用途に使えるもので、自治体が計画をつくることで得られる。補助金とは違い交付金なので、建設額が予定よりも低くなっても(安くなっても)国へ戻すことなく他の事業に使うくこともできる自由度の高いものだ。この交付金を使うことで約2億5000万円の建設費の40%を賄っていた。武蔵野市で活用できるかは分からないが、参考になる使い方だろう。

 もうひとつは、事業の目的だった。

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■子どもの関係づくり

 武蔵野市と比べると遊佐町は遊べる場所が多く、子どもたちがどこでも遊べるように思ってしまう。だが、実際には少子化もあり子どもたちは家庭で過ごすことが多く、さらに共稼ぎ家庭がほとんどいう状況なので、子ども同士が遊ぶことなく家でゲームばかりになっている。異年齢による子どものたての関係もないことから、この場所を作ることで子育て支援に加え、子ども同士の関係づくりを考えていたことだった。

 センターは児童館としなかったことで対象を小学生までと限定し事業目的をより明確化している。児童館ではあるが児童館ではない施設でもある。武蔵野市で同じような施設は、場所の問題もあり実現は難しいだろう。しかし、今の子どもに何が必要かを考えると自治体施策として子ども同士の関係づくりを目的にすることは、より重点を置くべきだと思えた。

 あそべえや児童館の目的を今一度考え直すことも必用だろう。遊び場を提供するだけではなく、今の子どもにとって必要なことを考えること。より来てもらうことも考えた事業内容とすることなどだ。今後の参考にしたい事業だった。


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 施設からは鳥海山を望むことができた。このロケーションを活かした設計でもあるそうだ。こういうところで、子育てできる環境はうらやましいばかりだが、武蔵野市は武蔵野市ならでも良さを今後も考えていきたい。