IMG_9106 市議会文教委員会で、大人でも十分楽しめる遊具がある山形県東根市の子育て支援施設、「さくらんぼタントクルセンター」(総合保健福祉施設)を視察した。「子育てするなら東根」というキャッチフレーズを具体化した施設だった。
 東根市は、人口約4万80000人。新幹線の駅や高速道路があり空港も近いことから大規模な工業団地が複数ある。このことで、人口は微増しており、子どもも増えている。東根市の特徴として子育て支援を前面にしている。これは現在6期目となる市長の重要政策でもあり、市の総合計画(長期計画)でも、少子高齢化が大きな課題であることから、「だれもがやすらぎと充実、しあわせを実感できるまち」を目指すべきまちの将来像と位置づけ、実現するために「子育て環境向上」を最重要視していることに表れていた。


 タントクルセンターは平成17年にオープンし、子育て支援エリア、保健エリア、福祉エリア、医療エリア、共有エリアと事務エリアがある複合施設だ。保健施設の老朽化や保育園が求められていたことから新たな複合施設として建設が決まった。施設構想などを検討する市民委員会で、子どもの遊び場が必要との意見が出され、市長もやろうとなったことでこの屋内大型遊具施設が実現している。「子育て環境向上」の象徴的な施設ともいえる。
 
 武蔵野市から見れば、東根市は自然が豊で、土地は広い。遊ぶ場所はいたるところにありそうに思えてしまう。東根市の公共施設を調べると、小学校が9校、中学校が5校あり、幼稚園2園に保育園は9園で待機児なし。学童クラブは9施設あり、図書館と7つの公民館に加え、児童館・児童センターが5か所もあるのだから、このような大型施設が必要なのかと思ってしまう。
 しかし、子どもたちに、サンマ(仲間、時間、空間)がないことから子ども同士が遊ぶことがなく、ゲーム漬けになりがちなこと。特に冬の間に体を動かしての遊び場がなかったことが建設への大きな理由になったのだという。
 
 月平均の利用者は、2万8292人(平成26年度)。オープン当初の約3万人に比べると若干少なくなってはいるものの、この5年間で同じ程度であり、定着していることが分かる。東根市に遊び場はどこにでもあるように思ってしまったが、このような施設が必要であったことの証明ともいえそうだ。

 施設の目的には、集まった人が交流することもあった。これは、単なる遊び場だけでなくコミュニティを作り出すことも考えられていることになる。

 これは武蔵野市にとっても重要な視点だ。
 それは、子どもの課題や地域課題、行政課題を解決するツールとしての施設を考えてみる視点。さらに、市民任せでだけでなく、行政が仕掛けをするとの視点だ。

 施設はとかく維持管理費に注目しがちだ。非常に重要なことだが、現状の課題解決になり、それ以上の成果を出せるのなら新ためて検討してもいいのではと思う。武蔵野市は、今以上に公共施設の施設面積を広げないという考え方を基本的に持っている。これは評価すべきことだが、このような大型施設をつくることはハードルが高いとしても、視察をしてみて、施設の意味を考え直すことも必要だと思えた。

IMG_9108IMG_9107 同じような施設を考えると武蔵野市では桜堤児童館が思い浮かぶ。しかし、小型館であり、市内に一館しかない。他の地域ではコミュニティセンターでその機能を担うとなっているが、子ども同士や保護者の交流、コミュニティにつながっているかと考えると、現実的には難しい。それは、子どもが自由に暴れまわれるほどのスペースはないし、来た人が交流する仕掛けは弱い、仕掛けを作れる人も十分にいないと考えられるからだ。

 もちろん、施設がなくてもソフト、人で対応できることもある。このことも含めて、課題解決へ向けて行政が何をすべきかを考えることが必要ではないだろうか。
 何よりも東根市でさえ、サンマが問題なら武蔵野市はより課題と考えるべきだろう。

 本来なら調整計画でその議論がもっとあってもいいのだが、今以上に作らないという呪縛で思考停止になっていないか。このことも危惧している。

 今の課題は何では対策として何ができるか。大型遊具で、少しだけ遊びながら考えてしまった。

 また、保健健康施策部門と同じ施設にしたことで、健康診断と子育て支援が同じ施設で行えるなど複合化によるメリットもある。これからの公共施設再編での重要な視点にもなりそうだ。
 



写真は施設の一部。大きすぎて全体を写せなかった。
遊具は乳幼児や低学年、高学年用と分かれている。高学年でも楽しめるように、かなりハードな遊具としている。これは、高学年でも何回も来たくなる施設として考えられたため。
異年齢の子どもでも遊べる施設となっていた。


「子ども施設で市のアピールに。あそびあランド視察」へ続く

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