東京都十一市競輪事業組合の視察でヤマダグリードーム前橋を視察した。いわゆる公営ギャンブル(公営競技)を開催する施設で競輪場がメインとなる前橋市の施設だ。だが、公共施設の在り方として考えさせられた。


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 武蔵野市は、教育施設整備費や一般財源へ繰り入れるため公営競技を行っている。東京都十一市競輪事業組合と東京都六市競艇事業組合と2つの一部事務組合(※)を作り、京王閣競輪場と江戸川競艇場とで開催している。それぞれに議会があり、川名はその議員でもある。

 公営競技は、ひところは年間10億円以上の配当を得ていたこともあったが、配当金ゼロ、赤字(市から持ち出し)になる危険性がひと頃にはなり(※2)、経費削減やナイター開催を行うなどの経営努力で現在は赤字にはなっていないが、武蔵野市では年間約1000万円の収益という状況だ。開催から撤退すると違約金などがあり、すんなりとはでききない状況ともなっている。

 その現状下での視察だった。

 前橋グリーンドームは、地上7層6階建て。総事業費約184億円、施設工事費約157億円の巨大な施設で、競輪場となるメインステージと中小規模のイベントはできるサブアリーナ、会議室やレストランなどが入っている。

 収益はヤマダ電気からのネーミングライツによる収益もあるが、競輪からの収益が中心で、以前に比べるとかなり減少してきている。前橋市への繰出金(配当)は、平成26年度で年間約2億円、25年度で年間1億円あり、数億円になるという施設の光熱費などもは、収益事業で負担できている状況だ。

 施設の稼働率を聞くと、平成26年度で95.5%と非常に高い状況だった。これは競輪を開催しない日はコンサート(最大規模で約2万人収容)やスポーツイベント、集会や会議などを開催していることが理由だ。
 ドームであることから天候に左右されずに開催できる強みがあること。また、ドームなので施設全体に冷暖房ができるため他の競技場とは違い冬や夏の暑い時期でも観戦ができることが理由との説明があった。

 これだけの大型施設を市からの持ち出しなしで運営でき少なくなったとはいえ利益を出し、施設改修費も積み立てているなど独立した運営ができていることを考えると、公営ギャンブルの意味はあるように思う。
 しかし、市の施設でもあるので、成人式もここで開催されているし、視察した日には就職説明会が行われスーツ姿の若者が訪れていたなど、競輪場で、と考えると、どうなのだろうとも思ってしまった。

 公営ギャンブルの是非は別として、少なくとも多少の利益をあげることは短期的には求められるだろう。武蔵野市が他の市と一緒に開催している京王閣はドーム型ではないので前橋のようにとはいかないが、競輪以外のイベントで収益をあげることを考えるべきだろう。しかし、京王閣の持ち主は別会社のため簡単にはいかないという。

 一方で最近の収益の柱は、インターネットでの販売だ。ナイター競輪は、観客がいないなかで行われているなど観客がいない状況で収益を上げている。となると、この施設は今後どうなるのか、とも思ってしまった。

 着地点は見えない中で、いろいろと課題はありつつも微妙なバランスで続いている。今すぐにどうすべきか思い浮かばないが、考えていくべき事業だ。


※東京都十一市競輪事業組合 競技場:京王閣競輪場(調布市)
 構成市:八王子市、武蔵野市、青梅市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市

 東京都六市競艇事業組合 競技場:江戸川競艇場 (江戸川区)
 構成市:八王子市、武蔵野市、昭島市、調布市、町田市、小金井市

※2 八王子市のサイトに配分金の推移がある。

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