武蔵野市第五期長期計画・調整計画への策定委員会からの答申には、調整計画へ市議会議員がどのような意見を発言し、調整計画へ反映された、されなかったのかが分かる資料「第五期長期計画・調整計画案に対する意見集約表」も用意されていた。


 この資料は、市議会全員協議会で策定委員と意見交換を行なったさい、議員の意見ごとに、会派名、計画のどの部分か、意見概要と策定委員による回答、対応案が一覧表にしてまとめている。対応案に書かれていることが、ほぼ、答申には盛り込まれていた。

 また、意見として承るとしているものや対応案がないもの。策定委員からの回答で終わっているものもある。

 このような資料が公表されたのは、おそらく、これまでの長期計画の策定で初めてだと思う。議員としても自分の意見や調整計画への反映が分かりやすい。市民にとっても議員の意見や活動のひとつが分かる貴重な資料になりそうだ。
 個人的な感想だが、私の意見には真摯に対応していると思えた。対応に満足とはいえないが、今後もこのような分かりやすい資料はあったほうが良いだろう。

 議員だけではなく、パブリックコメントや市民との意見交換で示された意見と対応を記した資料も公表されている。このような資料も市民意見に対応したのかが分かる貴重な資料になる。事務局の手間はかかるとは思うが、今後も続けてもらいたい。


■1月26日に全員協議会

 策定委員からの答申は市長へ提出されたが、今後は市が最終的な計画にまとめ(修正もあり得る)、1月下旬には公表され、平成28年度予算に反映されていく予定だ。
 市議会は、1月26日に市議会全員協議会を開催し、市の計画として完成した調整計画の説明を受け、議員との意見交換を行なう。出席者は、議員と市長、市職員。市の計画となったので策定委員の出席はない。この場での意見が計画に反映するにならないので、そう長く時間はかからないとは思うが、それは中身しだいだ。

 いずれにせよ、武蔵野市の今後、4〜5年の概要を示す重要な計画となる。

 以下は、資料から川名の意見と対応などを転載したもの。他の議員の意見などは資料をご参照ください

 ・意見の要約=全員協議会での発言
 ・回答の要約=全員協議会での委員からの回答
 ・対応案=調整計画の修正について事務局が策定委員会へ提案した内容

全協


----------------------------------------------------
■市立保育園の役割の検討
(意見の要約)
P.18の(3)待機児対策と多様な保育ニーズに対する対応、という題の下に新武蔵野方式と保育に関するサービス利用の2つあるが、これはこのタイトルに合った話なのだろうか。公務員保育士のあり方というのも確かにこれから非常に重要になってくると思っているが、この書き方だとよくわからず、市立保育園の役割の検討と書かれると民間委託するという意味かと捉えてしまうが、この点について御説明いただきたい。

(回答の要約)
【松本副委員長】 (3)は保育園でくくっているためここに入っている。もしかするとタイトルと内容がずれたのかもしれないので、タイトルを変えるか、中身をどうするかは、持ち帰って議論したいと思う。

(対応案)
五長の基本施策1(3)「保育サービスの充実」に待機児童対策、公立保育園の役割、保育の利用と負担の記載があり、それに対応するように記載した。なお、委員会にて待機児童対策についてウエイトを置いて記載しているので追加すべき、との指摘があり「待機児童対策」を追加した。


■保育料の見直し
(意見の要約)
P.18に保育の料金の適正化の話が入っているが、これは突出してしまっている印象がある。P.47に適正な受益者負担の話が書かれているのでそこで十分間に合う話ではないか。ではほかの料金については一体どうなのか、何故保育料だけここに書くのか。ここ3年で保育料は2回値上げしていて、それについては理由の説明を受けて賛成したが、待機児問題も解決できていない中で、また見直しというのも腑に落ちない。この点について御意見を伺いたい。

(回答の要約)
【松本副委員長】 今後適正化の検討が必要となったときに、保育料の見直しについて調整計画に書いていないまま行うというのは心配だったため、必要なことはやるという方針でここに書いている。

(対応案)
保育料の見直しについては、今後も定期的に保育料審議会を開催し、利用者の費用負担のあり方を確認していく必要がある旨、保育料審議会の答申、付帯事項に記述されている。今後の制度改正、経済状況の変化等の状況を鑑みながら、定期的な保育料の見直しについて検討していくこととなっている。また、五長にも当該記載があることから、「利用者の適正な」と追加した上で改めて記載した。


■保育士の働く環境
(意見の要約)
保育士の働く環境という視点が計画案には記載がないと思っている。介護士のところには記載がある。保育の質を高めたいと書いてあるのだったら、当然そこに生活に必要な給料を保証してあげないとその質を保てないと考えれば、計画内に書き込みも必要ではないか。この辺についてもお考えを伺いたい。

(回答の要約)
【松本副委員長】 保育士の働き続けられる環境づくりに関して、この場で私が保育士の給料を上げることを明言はできないので、お給料の問題だけではなく、待遇そのものについての検討に関しても、持ち帰りの議論とさせていただきたい。

(対応案)
保育人材の確保と働きやすい環境整備の支援を図るため、給与等の処遇改善に対する取り組みを国や都の補助に合わせて進めていく予定とのことである。しかし、総合計画に直接的に記載する段階に至っていないため、記載については見送った。


■桜堤児童館
(意見の要約)
児童館の運営に関して、民間の活力という言葉が使われているが、これは一般的に見ると民間委託していくと読める。民間委託自体が悪いと言っているわけではなくて、これを書くことによって、逆に民間委託が目的化してしまうことを危惧している。目的やミッションが明らかになった上で、民間の力を使ったほうがそれを達成できるのだったらやるべきだが、その理念をこれから考えていくにあたって始めからこういう言葉が入ってくると非常に混乱すると思うが、この点について御意見を伺いたい。

(回答の要約)
【松本副委員長】 では児童館の運営は市民の力を生かしたものだけでいいのかどうか。市民だけの力で大丈夫なのか、NPO等の民間の力を借りた方がいいのか。ここの議論なくして、民間の活力を入れるか入れないかというところの判断は、今できない。これについては策定委員会に持ち帰らせていただきたいと思う。
(他の議員からも指摘あり)

(対応案)
委員会議論に沿って以下のとおり修正した。「 (3) 桜堤児童館における子育て支援機能の充実桜堤地区における乳幼児・児童の増加に伴う子育て家庭への支援事業の必要性、保育所待機児童の増加、小学生の放課後の居場所など多様なニーズに的確に対応する必要がある。桜堤児童館は、地域が求める課題解決に向け、市民の意見を聞きながら子育て支援機能の充実を図り、子育て支援団体など市民の力を活かした運営を行っていく。」


■吉祥寺図書館の指定管理者の導入
(意見の要約)
吉祥寺図書館への指定管理者制度の導入検討の話は、なぜ策定委員会の案として計画案の中に入れなくてはいけないか。ここに書いてある「地域や施設の特性に応じた特徴ある図書館を目指す」というのは全然構わないと思っているが、先ほどの民間活力の話と同じく、特徴ある図書館を目指している中で、道具として指定管理者制度が適切だったら導入してもいいと思うが、ここに書くと、指定管理者制度導入が先走ってしまって、導入することが目的化してしまうのではないかと危惧しているので、これは削除すべきではないか。吉祥寺図書館への指定管理者の導入の話は、この調整計画の策定委員の皆さんが初めて公言した。教育委員会事務局内部では検討したが、教育委員会における議論は今年の7月、8月で初めて行った。現場の図書館の運営委員会もその話はしていない。現場の意見や教育委員会さえもすっ飛ばしているという印象だが、その理由が何なのか。図書館基本計画の大切なポイントは、図書館員の人材育成を図る点だったと考える。図書館に色々な機能が求められていて、それを実現するには図書館員の人材であり、それに対して育成計画を図ると書いてあるが、指定管理者制度を導入したら、その人材はどうなるのか。指定管理者制度の導入は、図書館基本計画の内容をすっ飛ばしていることにならないか、説明をお願いしたい。

(回答の要約)
【小林委員】 私は指定管理者制度という制度自体は悪いものだとは全く思っておらず、何かのミッションを達成するために最もいい行政の代行者を選ぶというのが指定管理者制度の本来的な趣旨であり、それを選んで監督するのが行政側の立場だと思っている。そして図書館だから指定管理者制度がいけないとも思っていない。しかし、この導入の問題は、実は策定委員会の中で話し合って入った話ではなかったということは言っておきたい。
【堀井委員】 吉祥寺図書館の指定管理者制度の導入の話は、庁内のヒアリングの中で出てきたのは確かだが、どういう経過で出てきたかについてはもう一度確認をしなければいけないので、その確認を踏まえた上で、策定委員会のほうでもう一度この件についての、記述の必要性について議論をしたいと思う。

(対応案)
策定委員会で議論した結果、目指すものは、地域や施設の特性に応じた特徴ある図書館であり、その過程に、指定管理者制度の検討がある。指定管理者制度導入が目的とは考えていないため、計画案記載のとおりとする。


■旧桜堤小学校跡地利用
(意見の要約)
P.27の旧桜堤小学校のグラウンドについては、スポーツ広場としての整備を検討するぐらいの記述にしたほうがいいと思っている。まだまだ桜野地区は子どもも増えるし、児童館の話もあって、求められる機能を達成するためには、もしかしたら施設が必要になってくるのかもしれないという可能性を考えると、ここでスポーツ広場に限定しないほうがいいと思っているが、この点について意見をお願いしたい。

(回答の要約)
【五十嵐委員】 旧桜堤小学校跡地については、まさに桜野小学校の児童数の推移などで、暫定的にどういうふうに使っていくかというのが、この調整計画期間中ではないかと思っている。それを整備を検討すると書くか進めると書くかは書き方の問題だと思うので、その辺りはまた策定委員会で議論したい。

(対応案)
旧桜堤小学校跡地については、第五期長期計画において、「旧桜堤小学校跡地を利用し武蔵境駅圏に運動広場を設置する」と記述されている。しかし、一方で、桜野小学校児童数が今後も増加傾向で推移することが想定されていることから、桜野小学校の第2校庭として活用し、またその後には第二中学校の生徒増加や校舎の改築も考えられることから、当分、暫定的な運動広場として整備していく方針である。


■二俣尾等に関する「資産」という記述
(意見の要約)
P.34の緑と水のネットワークのところで二俣尾について「これらの資産を活用しながら…」とあるが、二俣尾等々は資産ではなく、借りている場所なので、資産という言葉を書く必要がなく、削除した方が間違いがないと思うが、いかがか。

(回答の要約)
【堀井委員】 この資産というのは現在市が借りている二俣尾、それから時坂の森のことを言っていて、しかしここでの意味は単に所有物ということではなく、山という資産という大きなもの、全体の資産という意味で使っているのでそこは誤解はないと思っているが、ただ、その表現だと市有財産という取られる可能性があるということであれば、もう少し表現を検討させていただきたい。

(対応案)
意見を踏まえ、「資産」の記載を「共有の資源」と修正した。


■都市マスタープランの記述
(意見の要約)
P.37の調和のとれた都市景観の形成で「都市マスタープランで示されている…」という記述があるが、これもないほうがいいのではないか。都市マスタープランは第四期基本計画をもとにしている、とプランの前文に書いてあり、調整計画に都市マスタープランの話があるとどちらが上位か下位かよくわからなくなってしまうという技術的な問題が出てくるのではないかと思うが、この点について意見をお願いしたい。

(回答の要約)
【堀井委員】 都市計画マスタープランの重要性というのを示すためにここに記入をしたわけだが、全体の整合性と上位計画等の考え方から、もう一度ここは精査をしていきたいと思う。

(対応案)
委員回答のとおり、都市マスタープランの重要性から記載しており、長期計画に基づくものである。分かりやすくするため、一部記載を変更した。


■策定全体を通じての課題
(意見の要約)
今回の策定全体を通じて課題がどこにあったのかという、率直なところを伺いたい。それぞれ計画の策定の仕方というのは常日ごろ課題はあるかと思うので、例えば次の六長をつくるにあたって、こういうふうに改善したほうがいいのではないのかということがあればお聞きしたい。策定委員会の傍聴も何回かさせていただいたが、委員さんの議論が、言葉の端々について取り上げていることが多く、本来、中期的に武蔵野市がどっちに行かなくてはいけないのかという本質的な議論をしている時間が非常に少ないという印象を受けた。言葉のことは別で、後でまとめてほしい、もっときちんと本質部分について議論してほしいという感想を持っている。

(回答の要約)
【松本副委員長】 課題を語り出したら切りがなく、この全協のあり方自体も六長では少し考えてもらいたいと思っている。これを一例にして、ほかにもっとこうしたら、ということはたくさんあるのでまた別途取りまとめていただきたい。文字、言葉にこだわり過ぎたということに関しては思い当たることがあり、作業工程の中で私が反省した部分でもある。何を今議論するのかという会議の内容と目的が曖昧なまま議論が進んでしまったことがあったという認識はある。言葉は使い方により人の尊厳を傷つけることがあるため、私は言葉にこだわりを持っている。ただ方向性の議論を飛ばして言葉のことばかりを議論していたわけではない。

【小林委員】 先ほどの施策の大綱の問題にも関わってくるが、私たちはこの施策の大綱にすごく縛られていた。私は今回調整計画で初めてここに参加したので、新しくつくるわけではなくて、この中でつくらなければいけないのだということにすごく縛られていて、むしろ新しいことはできなかったなというのが個人的な率直な感想である。言葉尻の問題については、やはり今何に対して困っていて、どうしなければいけないかということに議論がすごく集中する。困っている方はたくさんいて、それに応えようということがすごく私たち策定委員の中にもあり、したがって10年20年先のことを見据えてというふうな議論にはなりにくい状況があったというのは実感として持っている。

(対応案)なし


■施策の大綱の扱い
(意見の要約)
この計画案がまとまって、冊子にした場合、五長で議決したところはどう記載されるのかというのがよくわからない。長期計画と調整計画、1冊にまとめてくれないと見づらくて甚だ大変だなと思っているが、これはどうされていくお考えか。施策の体系の例えば基本施策1の「支え合いの気持ちをつむぐ」の下に長期計画でいうP.105の施策の大綱の4行が入って、その次につながっていかなくてはいけないとすると、全体的に文脈がおかしくなってしまうのではないかという気がしているが、そこは大丈夫か。その辺りをもう少し具体的にわかるようにしないと、調整計画を見た市民の方々も混乱してしまうと思うが、ここについては早急に検討されるという理解でよろしいか。先ほど井原委員の話にあった膨大な一覧表がわかりやすい。これを全部出すというのも難しいが、この表も含めて表で見せるか、1冊にまとめるかしないと、この本体の長期計画と調整計画の位置づけがわからず、調整計画だけを読んでいろいろ考えてしまう可能性があると思うが、この点も早急に検討していただけるか。調整計画の策定の方法として、この一覧表を読み込んだ上でつなげていくという検討であったのかということについて確認したい。

(回答の要約)
【名古屋総合政策部長】 議決をいただいた長期計画のうちの市政運営の基本理念及び施策の大綱については新たにつくる調整計画の中に当然ページとして入れていくことを考えている。施策の大綱の文章を直接この調整計画の基本施策の中に入れるというよりも、これはまた長期計画のように一覧であって、その趣旨のもとに調整計画が書かれているということなので、色々ご指摘いただいた点を踏まえて内容についてはまた今後調整をさせていただきたい。全体についても、両方の冊子を持つとなると混乱するという話もあったので、その辺は1冊でまとめるつもりだが、よく検討をしたいと考えている。

(対応案)
調整計画では、「施策の大綱」の改定は行わないことを明記している。そのことが具体的に分かるよう記載した。



【参考】
第五期長期計画・調整計画 答申(このページに市民意見への対応などもある)
第五期長期計画・調整計画案に対する意見集約表(市議会全員協議会).PDF