学校にペレットストーブを導入するなど、将来的に原発に頼らない社会を目指すという福島県いわき市も視察させていただいた。

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 ペレットストーブは、簡抜材などを乾燥・圧縮してペレットと呼ばれる木質の燃料を燃やすストーブだ。燃料となる樹木が生長するさいに二酸化炭素を吸収することから化石燃料のように二酸化炭素を増加させないクリーンエネルギー、バイオマスエネルギーとして注目されている。
 しかし、期待はされているものの普及は進まないのが現状だ。その理由は、ストーブの設置コストが高いことが理由だ。
 私の知る範囲でペレットストーブ本体の値段は、10万円弱のものもあるが、20万〜30万がおおよその中心価格。さらに、煙突の工事が必要になり、燃料のペレットを購入できるか、灯油のように配達可能かなどハードルもある。

 一方で林業の振興や地域の木材を使えば、中東から石油を輸入するよりも地球環境にはよく、地域経済の活性化にもつながるメリットもある。ペレットの製造で雇用が生れているケースもあるので、普及が進めば初期投資へのハードルは下がるだろうから、一定の行政の誘導策も必要だろうとも考えている。その意味で、いわき市の例は興味深い。


IMG_4443 視察させていただいたのは、いわき市立江名小学校。開校140年にもなり古くから地域に親しまれている学校だ。

 ペレットストーブは、平成25年に職員室に設置された。導入の理由は、市が設置希望を募ったさい、校長先生が理科の先生でもありこどもの環境学習や保護者への話題提供に役立てようと考えたのが発端だったとされていた。

 使ってみての感想は、補完的なストーブが必要な時もあるが通常では問題はない。木の香りがすることや炎を見ることができて癒し効果がある。灰は燃料が完全燃焼するのでほとんど出ない。煙突掃除は年に一回程度なので、メンテナンスの苦労はない。燃料代は、導入当初は灯油が高かったので安価だったが、昨今では下がってきたので特に安いとは思えないと話されていた。
 実際に設置さえできれば、さほど問題はないように思えた。


iwaki1 いわき市では、ペレットストーブの他にも民間事業者も対象にする公共施設の屋根貸しによる太陽光発電、太陽熱利用、風力発電、清掃センターでの発電などの普及を進めており、補助金を設けている。今後は、さらに定置用リチウム蓄電池や家庭用燃料電池(エネファーム)、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)への補助を検討しているとしていた。
 
IMG_4439 これらの施策は、福島県が平成52年頃を目途に県内のエネルギーの100%以上の再生可能エネルギーを生み出すと目標を作っていることに加え、市としても再生可能エネルギーの導入を推進することで原子力発電に依存しない社会を目指すと明確に目標を掲げていることから実施されているものだ。

 武蔵野市としても、同じように明確に目標が必要ではないだろうか。






 
 武蔵野市はいわき市とは違い、太陽光パネルや風力発電所を設置するような土地がないため同じようにできないことは百も承知だが、目標を掲げることから施策は進むと考えるからだ。

 いわき市では、画像のような再生可能エネルギーへの理解を深めるための環境教育として副読本「みんなの再生可能エネルギータウン」を作成し、市内の小学校に配布している。他にも公共施設の窓口や出前講座でも活用している。
 このようなことであれば、武蔵野市でもできることだ。

 いわき市での再生可能エネルギーの普及は、市内のエネルギーをまかなうまでは程遠いようだが、目標を示すこと。教育としても広めることは参考にさせていただきたい。


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【参考】
戻るべきか 〜原発事故からの5年〜 NO.1
戻るべきか 〜原発事故から5年〜No2 楢葉町


(写真は上から)
・ペレットストーブ
・江名小学校
・副読本の表紙。この中にも『将来的には原子力発電に頼らない社会を目指す』と書かれている
・ペレットストーブの煙突。懐かしい風景
・小学校でヒアリングの様子

※視察は、原発のない社会をめざす自治体議員ネットワーク、グリーンテーブルで行なった。