アメリカの国会議員は沖縄の人口を2000人と思っている。この認識から原発、安保、沖縄、TPPなど日本の政策がアメリカからの「圧力」とされ決められている。実はその「圧力」は、日本の官僚や企業が作り出したものと驚かされる指摘があった。

IMG_0237

 1月26日に日米外交をテーマにして開催された新外交イニシアチィブの猿田佐世事務局長の講演での指摘だ。


■沖縄の人口も知らないアメリカの国会議員

 猿田さんは弁護士。鳩山政権時に普天間基地の移転先を最低でも県外と首相が言い出しことで大きな問題となったことから沖縄の人から依頼を受けてアメリカ下院の外務員会で沖縄を担当しているアジア太平洋委員会委員長に面会したところ、委員長は沖縄の人口を2000人と思っていたと話されていた。
 他にも面会すると、辺野古という言葉さえ知らない議員ばかり。沖縄県の人口が100万人以上ということを知らないばかりか基地建設というと、飛行場ができていいじゃないかといった反応しかなかったそうだ。これらのことから、日本の外交は驚くことばかり、いったい何をしているか。なぜこうなるのかと調べていくうちに、今までとは違った外交をすべきと考え行動を始めとされていた。IMG_0240

 同じようなエピソードをいくるも紹介され、どれも興味深い話ばかりだったが、日本の外交の現実の体験談には考えさせられた。日本はアメリカの言いなり、そのアメリカでもジャパンハンドラーズと呼ばれる少数の人たちが実権を握り動かしているとの話を聞いてきたが、実際はどうなっているか良く分からなかったからだ。

 猿田さんの話を伺うと、知日派と呼ばれ影響力のある人は5人から30人ぐらいしかいない。アーミテージ氏などが有名だが、実際には日本のことを正しく知っていたり、日本にはいろいろな考えがあることを知ってはいないのだそうだ。国会前のデモさえも知らないという。


■日本がコントロールしてる

 そのような状況で、なぜ日本に影響力を持つのか。

 アメリカの政治の中心はワシントンだが、人口は約65万人と小さな都市。そこへ、政府関係者、議会、シンクタンクの三層の人たちがいる。ここで影響力を持っているのがシンクタンクだ。アメリカは政権交代が起きると、政府関係者は全て入れ替わるため、シンクタンクから政権に入る人や政権経験者からシンクタンクで活動をする人もいるからだ。

 そのシンクタンクに問題点があると指摘していた。

 政権にいたからこその情報を元にしたレポートや次の政権に入るかもしれないシンクタンクからレポートは、政治関係者だけでなく企業にも関心が高い。一方でシンクタンクは、NGO、NPOであるため寄付、資金援助によって運営が行なわれているのだが、その資金援助の中に、日本政府や政府関係機関、企業があり、資金援助の代わりに都合のいいレポートを出させている。それが政府に影響するだけでなく、アメリカでこのようなレポートが出ている、日本は従わないと大変なことになると日本の国会議員が思いこみ、日本の政治が動かされているという指摘だった。その一例がアーミテージレポートだという。

 他の例も話されていたが、あくまでもシンクタンクのレポートだから参考にすればいいと思うが、アメリカが言っている、圧力だと思い込み、何よりもアメリカに言われると従ってしまう習性から影響力が高くなっていると思えてならなかった。


IMG_0242■ロビー活動の重要性と新たな外交、

 講演では、翁長沖縄県知事や稲峰名護市長の訪米コーディネートにも携わっているが、短い時間で沖縄の現状を理解してもらうのは無理。人口だけでなく辺野古ことも知らないような議員がほとんど。さらに、世界各国から分刻みで訪問を受けているので、全てを理解してもらえることはできない。まずは、時間をかけて少ずつ情報を伝え、理解してもらうしかないだろう。翁長知事が訪米して成果がないとの報道があったが、このような実情を理解していないから、報道でしかない。

 日本を知っているアメリカの議員を探そうとすると決まった議員しかいない。そのため日本への影響はいつも同じことになる。これを打ち破るには、テーマでつながる必要がある。米国の財政難の問題や環境問題、女性問題の視点から沖縄問題を理解してもらう必要があるだろう。保守系議員には、財政難なので沖縄に基地を置くどころではない、撤退すべきと考える議員もいるだろう。ティーパーティの人もこの面から話すと分かってくれるとされていた。

 そのためには、これまでとは違った角度からのロビー活動が重要とされ、新外交イニシアチィブを知ってもらい、支援を続けて欲しいと講演を結んだ。

 日本は国連では、第二次世界大戦の戦勝国の「敵国」のまま。沖縄の基地の状況も「植民地」と同じとも指摘されることは多い。猿田さんの指摘は、ひとつの側面とも言え、実際の外交の中身まだは理解できていないが、特定の政治信条や企業利益のためではない外交を行なえるようにしてから、原発、安保、沖縄、TPPを再考すべきではないか。このことが今求められえていると思えてならなかった。


  当日の動画です。