通行が可能となった国道6号線を通るさい、双葉町を通りかかる。そのさい、あの看板を眺めてみようと立ち止まったら撤去されていた。3.11から5年目を迎える今日、「原子力は明るい未来のエネルギー」だったのか、あらためて考えてみるべきだろう。

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■撤去された未来のエネルギー

 この看板は、1988年に原子炉増設の機運を高めることを目的に町が町民から公募したものだ。
 撤去は、老朽化が理由。しかし、当時小学6年生だった応募した方は、「原発を推進してきた町の歴史や、事故の記憶を消すことになる」として反対だという(東京新聞2015年3月10日)。
 看板をどうするかは、町の判断に任せたいが、この言葉を信じていた人が多かったことは忘れてはならない。その結果が、福島原発の事故を起こし、看板のあった双葉町をはじめ周辺には未だに戻れない区域があることもだ。
 さらに言えば、原発の電気は東京で使われていたこともだ。
 
IMG_4547IMG_4562 看板が撤去され、住民が避難していた区域で帰還施策が進められている。来年までに戻らないと県外へ「自主避難」した人たちへの支援を打ち切ることも行なわれてようとさえしている。これらは、まるで元の福島県に戻ると言いたいように思えてならない。

 住民がふるさとに戻りたい気持ちは痛いほど分かる。だが、戻れるように本当になっているのか。何よりも、事故を起こしてしまった原発をどうするか明確にしていないのが現状だ。福島第二原発は、再稼動の可能性も残されているのだ。

 稼働中の高浜原発に「運転差し止め仮処分」という画期的な判決が出されたが、原発の再稼動は進められ、ベースロード電源として必要としている政治家は少なくない。この状況は、「原子力は明るい未来のエネルギー」と信じきっているとしか思えてならない。
 現実を忘れている、あるいは考えようとしていないと思えてならない。これでいいのか。元に戻っていいのかを政治家だけでなく、国民全体で考えなくてはならないのが、今日だろう。


■豊かなくらし

 あまり知られていないが、「原子力は明るい未来のエネルギー」の標語の裏側には、「原子力 正しい理解で豊かなくらし」の標語も掲げられていた。


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 戻りたくても戻れない区域が未だにあること。国や県から戻れといわれても、生活ができないことや不安が払拭されていない現実。そして、原発が稼動していなくても生活は続けられてきたこと。
 今現在、再生可能エネルギーは加速的に広がっている。さらに拡充することや省エネを進めていくことで原発を必要としない、本当の意味での豊かな暮らし実現できる。
 これらを普通に考えれば、原理職は明るい未来のエネルギーとは決して言えない。

 今こそ、正しく理解して、原発がない豊かなくらしへ動き出さなくてはならない。

【参考】
戻るべきか 〜原発事故からの5年〜 No.1
戻るべきか 〜原発事故から5年〜No2 楢葉町
戻るべきか 〜原発事故から5年〜No3 いわき市 ペレットストーブと教育  

▼写真(上から。6以外は2016年1月撮影)
1・文字が撤去された看板
2・看板近くには、撤去反対の横断幕も掲げられている
3・まだまだ放射線量が高い地域
4・帰還困難区域には、除染土の山が広がっていた。この最終処分はどうするのか
5・「原子力 正しい理解で豊かなくらし」の看板
6・「原子力 明るい未来のエネルギー」が掲げられていた様子。2011年4月撮影
7・福島第一原発周辺に残っている看板。原子力が明るい未来のエネルギーだった思っていたからだろうか




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