陸上競技場の土手にある樹木について、伐採するのではなく、住民を交えて緑を守る計画を作って欲しいとの陳情が出された。あまり知られていない場所の緑をどうすべきかが問われた陳情だったが、結果は賛成少数で否決された。


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 陳情は、武蔵野市の陸上競技の周辺にある土手の南東部分にある樹木について、陸上競技場に隣接する農地が住宅地になることから55本ある樹木のうち31本の伐採する計画を白紙にすること。住民に情報を出したうえで、樹木の管理計画を周辺住民と一緒に作り緑を保全すること。陳情を出すことで余分な経費がかかると言わんばかりの職員の態度を改めることなど求めていた。

 また、伐採の周知は、切ること決めてから住民に周知の文書を出したことから、伐採を決める前に住民へ周知し、一緒に協議をすること。伐採により、緑を増やし、保全していこうという市の姿勢と相反することも理由としていた。


IMG_0676■保全計画はなく、担当部署もあいまい 

 現地を見ても思ったのは、ここにある樹木について誰も何も考えてこなかったことだ。これまでは隣接地が畑であったため、伸びていても大きな問題とはなっていなかったが住宅地になることで当然問題となるのは誰でも分かる場所だ。だが、住民があまり訪れることもないので、現況への調査や保全計画もない状況となっていた。

 さらに、陸上競技場は、指定管理者制度により武蔵野市生涯振興財団が運営を行っているが、管理を同財団が行うのか、所管の市の部局である教育委員会生涯学習スポーツ課なのか、あるいは、緑の保全を担っている環境部緑のまち推進課なのかも不明確な状態だった。

 住民にもあまり知られず管理もされておらず、担当部署もあいまい。緑を大切にして増やしていこうという市の方針は明確だが、この場所だけは考えられていなかった。いわば、武蔵野市の緑の盲点とも言えるのがこの場所だったのだ。


■市は陳情の趣旨を受け止める

 委員会の質問でいくつかを確認したが、ここの樹木について、桜は市が植えたがあとはどこからか種が飛んできていて自然に育ったものだ。特に管理をしていないので、どのような樹木が何本かあるか分からない状態だった。そのため、宅地になり迷惑になると思えばすぐに切ってしまおうと思ったのかもしれない。

 今回の陳情が出されたことで、31本の伐採が5本となり、他は枝を剪定することで対応することになった。このことは良いとしても、今後をどうするかも決まっていない状況だった。

 そのため、陳情文にもあるように周辺住民と協議をしてこの樹木を守るための計画などを作るべきではないか。市が植えた木ではないとはいえ、雑木林のような雰囲気があり、保全してはどうか。隣接地が住宅になると土手に住民が入ることができるようになるので、土手の管理も考えるべきではないか、と委員会で提案した。

 市長は答弁で、周辺住民とは限定しないが、広く住民と協議をしながら緑を保全ができるようにしたい。土手は、特に手を入れている状況ではないが、自分が子どもの頃に遊んだ場所でもあり、保全できないか検討したいとしていた。

 宅地開発は4月から始まるので、現状で計画を白紙にはできないものの、31本の伐採計画が5本と減ったこと。今後は住民と保全を考えていきたいことが明確となったので、陳情の願意を市は受止めたと思える。

 職員の態度については、現場にいなかったので何とも判断はできなかった。


■しかし、陳情は否決

 採決では、私としば委員(共産)は白紙撤回は無理と考えるが、趣旨としては理解でき、市も同様に考えていると答弁では判断できたので賛成したが、他に賛成者はなく、三静養数で否決となった。

 否決理由は、白紙を求めていること、管理することを否定していることなどが理由だ。委員会で賛否の意見を聞くと、言っていることはそう大差がないように感じたが、賛否は分かれてしまったことになる。

 議会の判断は否決となったので、議会側から言える立場ではないが、雑木林にも思えるような、この土手の風景をなるべく残せるようにして欲しい。
 

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上 右が宅地になる農地。間の道は市の土地
下 自然に生えている樹木。周囲に迷惑がかからない範囲で、この雰囲気を残してほしい


【参考】
武蔵野市の緑の保全に関する陳情