国の平成27年度補正予算で地方創生加速化交付金が成立し、武蔵野市でもインキュベーション(創業支援)施設運営費事業補助費に2000万円の補正予算が3月28日の本会議で可決した。内容を質問すると「ザル」な内容で、これで加速するとはとうてい思えないものだった。

 
 補助金は、国が全額を出す(10分の10)もので、内容は下記と説明された(画像資料参照)。


インキュベーション補正資料_ページ_1●趣旨
武蔵野市総合戦略において、「地域の特性を活かした産業の振興」を掲げており、新たな事業への支援を通じて、市の経済の活性化を図る。

●事業の概要
新たに吉祥寺地区にインキュベーション施設を設置運営する創業支援事業者に対し補助を行う。
ハード整備に加えて、ソフト事業として、インキュペーションマネージャーによる相談、セミナー、スクールなど創業に関するワンストップの支援を展開する。
また、本市は吉祥寺商業圏を抱えていることもあり、市内の創業比率は全国的にも高い水準にあるが、女性の就業については多摩平均と比べ低い水準となっている。そこで、インキュベーションオフィスの女性優先枠の確保、セミナーにおける託児の実施、女性創業スクールの開催など、女性の活躍を促進する施策を展開していく。



■中身がない

 内容的には異論はなく、進めていい事業とは言える。しかし、どこにでもあるような内容で目新しさはない。
 そこで、内容について下記を議会で質問してみた。


 吉祥寺地区とはどこか? 
 何もって活性化と判断できるのか? 評価はどうするのか?
 想定している業種は何か?


 答弁では、吉祥寺駅近くの中心街を想定しているが、具体的にはない。判断基準もなく、業種はなんでもいいとの答弁だった。

 武蔵野市には、吉祥寺と名が付くのが、本町、東町、南町、北町とあり市内の3分の1ぐらいの面積になっている。さらに、武蔵野市ではなくとも吉祥寺と名を付けることは可能だ。明確な基準がないと、どこでもいいとなってしまう。あまりにもあいまいだ。

 活性化を判断することは成果指標を何にするかであって、これがないと補助金はとりあえず使えばいいとなり、それこそ無駄な税金の使い方でしかない。

 業種を問わないとなると、水商売やマルチ商法でもいいのか、普通にたくさんある商店を開業するのでもいいのかとなってしまう。それが地方創生になるとは、とても思えない。


■吉祥寺の必要性

 さらに言えば、創業支援は元気がない、少なくなったような場所でやるからこそ意味があって、家賃が高い=まだ経済的には元気な場所で、税金を使ってわざわざ創業支援を行う意味があるのかとの疑問も持ってしまった。

 狭い武蔵野市で考えれば、家賃の安い吉祥寺地区以外で創業してもらい、軌道にのったら吉祥寺に進出しても良いのだと思う。そのほうが、活きた税金の使い方になるはずだ。

 また、人気のある吉祥寺だから意味があるような趣旨の説明があったが、それでは、三鷹地区、武蔵境地区は人気がない、創業支援をしなくても良い地区と市が判断しているのか、となってしまう。それでいいはずはない。


■すでに同じ事業をやっている

 何よりも、26年度(平成27年度繰越)の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行型)でも創業支援事業3000千円が出されている。その成果もでていないうちに、さらに追加して加速化しろというのもおかしなことだ。とにかく金をばらまけば、地方創生するという事業としか思えない。全くもっておかしな事業だ。

 さらに、3月28日の本会議での補正予算を組んでも、残された年度内の日程は3日間しかない。使えることもできないので、補正予算が成立しても、そのまま次年度予算に繰り越すしかない。それなら、28年度当初予算に最初から入れればいいだけのことだ。

 これが市の事業としたら、こんな甘い設定で予算組はしないだろう。議会としても認められない。


■これで地方創生か

 どうしようもないと批判だらけになってしまうが、このような補助金を見つけてきたことは評価したい。国任せではなく、自治体が上手く使えば、税金は活きることになる。具体的なことは何も見えていないで、何とも言えないのだが、その成果に期待をしたい。

 使い道は武蔵野市で考えるとしても、このような税金の使い方で、国は本気で地方創生になると思っているのか? あまりにも、おかしな税金の使い方だ。