米軍の オスプレイが被災地支援をしているとのニュースを聞いて思い出したのが、南スーダンの戦闘地域で役に立たなかったとの話だった。そもそも、役に立つのか? との疑問が残る。
南スーダンでの話は、佐藤学沖縄国際大学教授(研究分野:地方自治、アメリカ政治、日米関係)の講演で聞いたもので、ニューヨークタイムスが2013年11月21日に配信した記事「Attack on U.S. Aircraft Foils Evacuation in South Sudan」を紹介していた。
南スーダンは、自衛隊が派遣される地域だが、内戦が起きている。反政府ゲリラが占領している地域に米国籍の人が30人ほど取り残されたので、救助するために空軍のオスプレイ(CV-22 Ospreys)を飛ばしたところ、小銃により撃たれ乗員が負傷してしまい退散してしまったという内容だ。小銃でも貫通してしまう機体であれば戦闘地域では使えないことになる。オスプレイがあれば、戦闘力が飛躍的に高まるような雰囲気があるが、そうではないようだ。唯一この戦闘でオスプレイの優位性を示せたのは、航続距離が長いので、病院のある地域まで飛ぶことが出来たことだったという。
この南スーダンの戦闘により、空軍は防弾性能を上げるキットを開発していることも紹介されていた(BREAKING DEFENSE May 15, 2015)。オスプレイは、固定翼を回転させて、ヘリコプターと同じように垂直離陸が行なえ、また、前方に傾けることで固定翼を持つ航空機と同じように飛ぶことができる特殊な機能を持つ。その機能を発揮させるため機体を軽量化しているが、軽量化により防弾性能が落ちてしまっており、今度は、防弾性能を上げるためにキットを開発したが、今度は重くなってしまっていると佐藤教授は指摘していた。
オスプレイは輸送機。輸送機なら現行の輸送機のほうが長く、荷物もたくさん積めるので意味がないということだろう。そのため、本来なら最も使用する場面が多いはずの米国陸軍が導入を決めていないことや米国以外の国でも購入を決めた国はない。日本だけがカモになっているとされていたが、これらの記事を読むとそう思わざるを得ない。
自衛隊のサイトでオスプレイについてのFAQがあるが、ここには、「日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、アジア太平洋地域の安定に資すると考えている」「我が国において首都直下型地震や南海トラフ地震など大規模災害が発生した場合にも、迅速かつ広範囲にわたって、人道支援・災害援助活動を行なうことができます」と配備の意義について書かれている。安定にどのように資するのかは良く分からないが、災害援助には使えるのだろう(廃熱の課題がありそうだが)。
だが、『自衛隊にも約60人乗りの大型輸送ヘリCH47が約70機ある。約30人乗りの米軍オスプレイがさらに必要なのか。疑問の声が上がる』(朝日新聞2016年4月18日)との記事を読むと、オスプレイである理由は見つからない。
オスプレイで戦闘能力が向上するように思い込んではいないだろうか。佐藤教授は、日本で思い込まされていることが、いかにインチキか。何に使えるか分からないで買わされていることが、いかにアホかと語っていたがこの言葉を噛み締めたい。米国が喜ぶことだけは確かだろうが。
