5月12日の市議会総務委員会で行政報告があり、ある武蔵野市議会議員の一般質問により市長が訴えられていたことが分かった。議員の発言で市長が訴えられるのは釈然としない。
 発言内容が名誉棄損にあたり、500万円を支払うことを求める内容。訴えた人は武蔵野市民。

 行政と議会とは二元代表制とされ、別の機関。となれば、議員個人か議長が訴えられると思うが、公務員(議員は特別職の公務員)が職務で損害をあたえた場合に国家賠償法により、地方公共団体の長(武蔵野市では市長)が責任者として訴えの対象になると規定されるため、今回の訴訟になったという。

 以前、学校で起きたいじめで自殺したことで、教育長が訴えられたのではなく、市長が訴えられたことにより、市長と教育長の関係を変える法改正があったが、同じことにもなりかねない。

 市長の発言ではなく、質問した議員の発言で、答弁する市長が訴えられていたのでは、市長も困惑するのではないだろうか。制度的な課題もありそうだ。



■国会議員と地方議員の違い

 国会議員は、憲法51条に「両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。」と規定されていることから訴訟の対象にならない。

 一方で地方議員は国会議員ではないため対象になるが『民主主義政治実現のために議員としての裁量に基づく発言の自由が確保されるべきことは国会議員の場合と地方議会議員の場合とで本質的に異なるものとすべき根拠はなく、地方議会議員について憲法上免責特権が保証されていないことは右法理の適用に影響を及ぼすものではない。また、地方議会及びその議員に対する直接民主制や住民に対する直接責任によって議員の発言の自由が制約されるとは解されない』との判例もあるので、一概に決められないのが実情だ(みずほ中央法律事務所 国会議員/地方議員の免責特権 より)


■発言の責任

 自由に発言できるが、そこには節度があると考えるべきだろう。好き勝手に発言していいのではない。とはいえ、穏便な言葉だけでは市政の監視にはならないこともある。

 また、問題となった発言をした議員には、議長から口頭で注意をしているが、議員が従わない場合の対応も考えることが必要かもしれない。、

 さらに市が一審で敗訴した場合、上告する際には議決が必要となるので、議会がどのように判断するか。敗訴が確定した場合、その議員へ市が賠償を求めることもになるのか。今後もこの問題は続くことになる。

 訴状をまだ見ていないことや裁判はこれからなので詳細や訴えが認められるか否かは現状では分からない。議員の不用意な発言やヤジが問題視されることもあり、議会での発言をどのようにあるべきか。今後、考えるきっかけとなりそうだ。