5月17日の市議会厚生委員会で「第三期武蔵野クリーンセンター(仮称)施設・周辺整備協議会―報告書―」の行政報告が行われたが、委員会で問題視されたのは、エコプラザや周辺整備について周辺住民が市への不信感を募らせ、協議が進められていないことだった。


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■不信感で協議ができず

 クリーンセンターはごみ焼却施設。現在の場所の敷地内に新たな施設が建設されている。新施設建設にともない、現施設の事務所棟を環境啓発のためのエコプラザにすることや周辺の街路整備なども進められる計画となっており、周辺住民と市が協議会を設けて意見交換を続けて進めることになっていた。

 しかし、エコプラザと周辺整備について、住民に情報提供がされていない不明確な点が出てきたこと。住民意見が反映されないこと。議論していない内容が第五期長期計画・調整計画に記載されたことなどから市民参加が形骸化している、パートナシップが築けないなど市の対応に周辺住民の不信感が広がり、協議が進められなかったことが、この報告書に書かれていたからだ。

 通常、報告書には問題となったことは詳しく記載されないことが多いが、この報告書にはその顛末が記載されていた。


■協働の歴史、信頼関係を否定するもの

 参考資料との位置づけだが、報告書の巻末には、周辺住民団体と緑町コミュニティ協議会から提出された確認書までもが付けられていた(画像参照)。

 この確認書には、下記の理由などから周辺整備協議会を軽く扱っている印象を持ち、現在のクリーンセンターが周辺住民と徹底的に話し合ってきた協働の歴史、そこで培った信頼関係を否定するものとして受け止めると書かれていた。


・我々委員が市に対し不信感を抱き、このまま継続しても議論する意味がない
・エコ.プヲザに関する検討が別の揚に予定されていること、そのための担当課長が設置されたことについてこれまで全く説明がなかった
・周辺整備に関して、北エリアの体育施設は一切動かさないという市の方針があることが、ここに来て初めて明かされた
・周辺整備協議会で議論したことが庁内推進本部てきちんと報告されている様子が見られない
・第五期長期計画・調整計画案にエコプラザ開設の方針が示されていますが、この方針に至った経過について、周辺整備協議会に対し、一切説明がない


 このことから下記の5点について市の考えを確認したいと記されていた。


■住民から確認が求められた5項目

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1.計画案に示されたエコプラザに関する方針について、こうした結論に至った経過、理由を説明してください。そのうえで、なぜ周辺盤備協議会にそれを説明してこなかったのか、説明がなくもいいと考えたのか教えてください。

2.北エリアの体育施肢は一切動かさないという市の方針の根拠と、本当に今後一切議論の余地がないものなのかどうか市の考えを教えてください。

3.今後、エコプラザ周辺整備を検討するうえで、周辺整備協議会の位置づけをどのように考えていますか。

4.我々が求める協議の場は、「望ましいまちづくりをどうすれば実現できるのかを、住民と市の関係職員と一緒になって根本から検討し、方針を形づくる場」です。今後、そのような周辺整備協議会を設置する意思がありますか。

5.我々が求める協議の揚を設置し、エコプラザや周辺整備の検討を行っていくのであれば、計画案に示した内容も、公表する前に相応の修正が必要だと思いますが、そのつもりはありますか。

 なお、この協議の結果、仮に、当方が納得する回答が得られない場合、今後この事業に一切関わりを持たないことも含めて、事業への関わり方を根本的に見直す所存であります。

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234■市民参加の汚点
 
 ここまで市を否定する文書が掲載されていることは、きわめて異例だ。というより、問題の大きさが分かる。クリーンセンターの建設は武蔵野市の市民参加の象徴であり、それが住民側から否定されたとまで書かれている。武蔵野市の市民参加の歴史に汚点となると言っても過言ではない。


 委員会からは、周辺住民を蔑ろにしている。市の組織的な欠陥ではないか、との批判が相次いだ。市の答弁では、ごみをなくしていきたい、環境啓発をしたいとの方針は同じと考えている。意見交換の場を設けていなかったことで、ボタンの掛け違いとなってしまった。今後、腹を割って真摯に議論したい、との答弁だった。

 報告書が出されたことで、ひとつの区切りがついたことになるが、このようなことを二度と起こしてはならない。上記の確認書への市からの回答文は画像のとおりだが、後付けの言い訳にしか受け止められなかった内容だ。

 今回の委員会を聞いている限りでは、住民を見下していなかったか。面倒なことはやりたくないと思っていなかったかの印象を受けた。終わったことは今から取り返しがつかないが、何が問題だったのか、真摯に反省し二度と起きないようにすることが大切だ。市の対応がどのように変わったのかも示す必要がある。

 今後、住民との協議が再開され、住民からの信頼を取り戻せるか。今後の市政を大きく左右するように思えてならない。