都知事選挙の結果は、小池百合子さんの圧勝で私が応援していた鳥越俊太郎さんは完敗だった。その理由をいくつか考えてみた。

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■無党派の支持

 小池さんは、何かをやってくれそう。挑戦しているとのイメージに加え女性という期待感が重なり、いわゆる無党派の票を集めたように思う。一方鳥越さんは、野党四党の基礎票はある程度まとまったが、最大の票田である無党派への浸透ができなかったのが敗因だろう。

 その理由は、高齢批判への打ち返しができなかったことだ。正直なところ、本人を見ると顔色に生気を感じることがなく、年齢を感じてしまった。あくまでも見た目なので、皇居の周辺を走って見せるなど払拭できるパフォーマンスが出来なかったことが残念だった。


■記者会見はやるべきだった

 週刊誌の「疑惑」記事への対応にも疑問が残る。記者会見をして事実無根を主張すべきだった。会見で記事を書いた雑誌の記者や編集長にジャーナリストとして「公開取材」しても良かったのだろう。

 街頭遊説などでは国政の問題への発言が多く、都政の問題を明確に出来なかったことも大きい。国政へ言及することは良いとは思うが、都の問題の具体的解決策が弱かったことも大きい。演説の滑舌や構成も最後まで改善されていなかった。支持率が当初から下がっていく中で殻を破ることや開き直りが出てくるかと期待していた最後まで出来なかったことも残念だった。

 これらは、候補者本人が政治家ではなかったことにその原因はある。
誰に対して何を言うべきかを考えておかないと聴衆は肩透かしとなり支持が広がらないからだ。演説を聞いて友人知人にあの人は良いという口コミが広がらなかったと思えてならない。
街頭遊説には、握手をすることやご当地ネタを入れるなど定番的な要素があるが、これらが出てきたのは終盤になってだった。また口に出してしまったことが批判の対象にあることも少なくなかった。注目されていることを自覚し、足元をすくわれないことへの配慮も少なかった。何よりも演説数が少ないのが痛かった。


■時間がなかった

 これらことよりも準備時間がなかったことが最も大きな敗因だ。上記の演説手法は時間が解決することもある。政策についても、調べればそう長い時間は必要ないはずだ。支援してくれる人たちが何を求めて支援しているのか届かなかったことも支持が広がらなかったことにつながっている。
 また、野党四党間の調整が必要となり、それも選挙期間中に行うことで遊説計画や政策などが後手になり、結果として何をしたい人、何ができる候補者なのかが定まらない状況だった。

 都知事選挙など大きな選挙は候補者だけでは戦えない。時間がなかったことで戦略をつくり実行していくことができなかったことが結果となったのだ。鳥越さんは候補者としては知名度もあり魅力的な人だったのは確かで、知事になってもらいたかったと現在でも私は考えている。残念だ。


■三多摩事務所の意義

 一方で、課題は残るものの野党が共闘できたこと。政党に所属しない地方議員、市民も一緒に選挙ができたことは、今後を考えると非常に大きな成果になった。

 三鷹駅近くに設置した鳥越俊太郎三多摩事務所(武蔵野市中町)は、政党主導ではなく、地方議員や市民の方々が中心になった選挙事務所だった。この動きにかかわった一人として考えると、ここの熱気を次につなげていくことで政治が変わっていくように思えてならない。

 大きな選挙に勝つには、個人や組織が自分たちの理想のために別の候補でバラバラにやっていては勝つことはできない。すべてとはいえないが、鳥越さんで大きくまとまれたことは、鳥越さんに感謝したいし、今後につなげていかなくてはならない。そのひとつの象徴がこの事務所であり、可能性を実感したからだ。

 このことは、幅広い人たちから支持を得なくてはならない民進党の課題ともつながることだ。


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(写真は、無所属の議員を中心にした約90名の自治体議員から推薦状を手渡したときのもの)



■これから問われる自民党

 小池さんが知事になり、本当に東京を大改革するのであれば期待したい。選挙前から政治と金の問題が指摘されており、これでまた辞職とならないようにも願っている。

 あとは都議会がどのように対応するかが注目だ。特に自民党がどうするかだ。

 自民党都連は都知事選告示直前に「親族を含め、非推薦候補を応援した場合、除名等の処分の対象になる」と文書で警告している。選挙終盤になり寝返った議員も少ないというが、小池さん自身を含めての処分をするのか。勝てば官軍で擦り寄るのか、自民党の体質を示すことになるので注目したい。民進党に比べて伝統があり政治の中心でもある組織としての対応に注目だ。