老朽化などの理由により今年の11月7日に移転する築地市場を視察した。移転が決まっているとはいえ不安は残る。新都知事の判断が注目される東京都の大きな問題だ。

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 現在の築地市場ができたのは昭和10年。施設開場から75年以上が経過し耐震も含めて施設が老朽化していること。当初の貨物列車や船主流からトラック輸送中心となったことによる駐車場や荷さばきスペースが大幅に不足している物流面。さらに衛生面の課題があることが移転の理由だ。

 現地での建替えや大田市場近くなどの都内への移転も考えられたが、最終的に豊洲に決まったものの現地の土壌汚染への不安は残されている。移転費用や新規市場の利用料の高さも課題で、さらに、新施設が使い難いなどの課題もあるという。市場関係者に伺ったところ、マグロをさばく包丁を使うと壁にぶつかってしまうことや冷凍庫が必須なのに電源が足りないなど設計にも問題があるそうだ。

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 先の都知事選挙期間中には、小池候補(現知事)と鳥越候補が築地を視察している。なかでも小池候補は訪れたさいに「市場の場内と場外、新市場に移る人と移らない人のように分断され、不信感を募らせている。だから、いったん立ち止まることが重要だと思う」(東京新聞2016年7月24日朝刊)。「安全性の確認、使い勝手の問題、皆さまの納得をいただくために一歩立ち止まるべきだ。急がば回れでみんなが納得する結論を出したい」(日本経済新聞電子版2016/8/3 7:00)と発言している。

 豊洲には汚染の問題もある。例えば、ダイヤモンドオンラインが築地の仲卸業者にアンケートをしているが「東京都から十分な説明があったとお考えですか?」との設問に、「ほとんど説明されていない」「まったく説明されていない」を合わせた回答数が55%。「事業者の皆さんの意見が十分に反映されているとお考えですか?」に対しては、88%が「反映されていない」と答えているように、豊洲には安心できない面が残されており、少なくとも立ち止まって再検証することや内容の改善を求める意見は強いという。そのため都知事選挙で上記の発言につながったのだろう。

IMG_3062 現地を見ると移転する理由は理解できる。だが、単なる感想でしかなく詳細を調べていない前提ではあるが、現地のままでも良いのでは? 現地を再開発したいがホンネでは? と思ってしまった。


 しかし、立ち止まるとなると、2017年4月までに築地市場の解体を終えらせ環状二号線を2020年の東京五オリンピックまでに完成させるというスケジュールに影響が出てしまう。

 小池新知事が選挙時に語ったことを実行するのか。たんなるリップサービスだったのかが、今後問われることになり、大きく注目されることになる。さてどうなるか。



【参考】
東京都中央卸売市場 なぜ移転整備が必要なの?