福島県いわき平競輪場と茨城県サテライトしおさい鹿島(競輪の場外売り場)を東京都11市競輪事業組合議会で視察した。
 

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 11市競輪事業組合は、武蔵野市など東京多摩地域の11市(※)が一部事務組合をつくり競輪を行うために作られており、調布市にある京王閣競輪場で開催している。簡単に説明すると、民間の競輪場である京王閣を使用して多摩地域の自治体が合同で競輪を開催しているものだ。この組合にも、市議会と同じように議会があり、参加している市から2名の議員が派遣され予算や決算を審議している。川名はその議員でもある。

  
 今回視察したのは、いわき市の単独事業として競輪場と運営の両者を行っているいわき平競輪場と、京王閣を含めた全国各地で主催している競輪の車券を販売しているサテライトしおさい鹿島だ。


※構成市:八王子市、武蔵野市、青梅市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市


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■全国11位の売上げ いわき平
 
 いわき平は、平成18年に施設改修を行い、駐車場を多くとる必要と狭い場所の問題から1階部分を駐車場、レース場が3階部分にあるという特殊な構造で、さらにモダンなデザインの施設となっていた。
 話を聞くと場所が狭いこと、設計はコンペで選ばれた。バブル時代の名残もあってこのようなデザインになったようでランニングコストは他の施設よりも高い。普通の施設にすれば収容人員は3倍ほど増やせたかもしれないそうだ。
 施設改修は今からではできないが、時代によって変わるもの。改修してから10年しかたっていないが、次の改修はどうなるのだろうと思った。

 収支は、27年度で年間約158憶7000万円の車券売上げ。全国で43の事業施行者があるなかで11位。いわき市への繰入は、年額で2〜5億円は出せているという。ちなみに京王閣は、年額約281憶1200万円の車券売上げで全国2位。構成している11市に一市あたり年額3000万円を繰入れている状況だ。どちらも、堅実な状況といえるだろう。
 

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■高齢者の社交場 しおさい鹿島

 しおさい鹿島は、茨城県が平成15年に開設した施設で、ここで競技をおこなうのではなく、車券だけを販売する施設。県内の取手競輪がメインだが京王閣の車券も販売している。平成28年からはオートレースの販売も始めたことや、利用率の低い駐車場を活用して太陽光発電を行い災害時に対応できるようにしたなど、競輪の車券販売だけではない地道な努力もしていた。

 この場所に開設したのは周辺が工場地帯であり、働いている人のレジャーとして考えられたのだそうだが、現状は会社員をリタイヤした人などの高齢者の社交場としての利用が多いという。ここに来て、かつての同級生に会ったというケースは少なくないそうだ。
 都会と比べるとレジャー施設がないことから、このような利用となっていると説明されたが、適度な支出で遊べるのであれば、せっかくの施設の活用法として考えてもいいかと思った。


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■競輪事情

 公営競技(ギャンブル)は、ひと頃は自治体の財政に大きく貢献してきたが、時代とともに売上げが低迷している。千葉市が施設の老朽化と大規模改修費を出せないことから、2017年度で廃止する方針を示すなど各地で廃止する例が出てきている。

 全国の競輪事業車券売上げ状況(図)を見れば分るが、バブルの最後の年、平成3年んび比べると売上げは三分の一と低迷が続いている。自動券売機の導入や民間に事業を委託するなどの合理化、インターネットでの販売などで収益率(図の黄線・視察資料より)を少しずつ上げてきている状況だ。


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 いわき平では、バンク(競技のトラック)内でビアガーデンを開設するなどでの収益向上を行っている。京王閣も同様で、このような地道なことがこれからも必要なのだろう。
 競輪用という特殊な施設であり、他の用途に使いにくいのは確かだか、もう少し多用途に使えないものかとも思ってしまった。これは今後、考えてみたい。大規模改修が現状ですぐにある状況でもないので、地道な改善を続けていくしかないか、と思った視察だった。


【参考】
京王閣競輪