11月12日の市議会総務委員会で「住民参加のない武蔵境駅北口市有地有効活用事業の再検討を求めることに関する陳情」が審議され、否決(不採択)となった。
 
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■賃料は安すぎか
 
 この陳情の審議で論点となったのは、市民、特に駅前の商店街の方々の意見を聞いていない、情報が伝わっていない、何をしようとしているのか分からない。そして、民間事業者への貸出す費用が安すぎないかだ。
 
 武蔵境駅北口の市有地は、借地にある市政センターを移設すること、武蔵境の賑わいにつながることを目的に官民連携(PPP)で行う。市は土地を30年間、貸出すことを条件に民間事業者が建物を建設し、民間事業者が中に入るテナントを探し、建物の維持管理、補修も行うのが大きな枠組みだ。
 
 今回のケースでは、市政センターの賃料として月額40万円の賃料を民間会社に支払うが、土地の借地料が月額47万円得られるとしている。この市有地の活用についてチラシが配布されているが、そこには月額7万円で貸し出すので安すぎるように記載されていた。
 
 
■見えていない費用
 
 しかし答弁によると、地価から計算していくと通常であれば月96万円になる。公益性があるので市政センターは安く設定されており、共益費も含めれば本来の役賃よりも安く月額で50万円の支出減になっている。年間で計算すると市は600万円を払わなくてもいい。この他に駐車場用地の賃料を払わなくてもいいこともあり30年間で計算すると2億7300万円が削減できるとしていた。
 
 さらに、建設費(約4億4000万円)の負担がない。市政センター分の面積の建設見込み、約8600万円分も不要になり、民間なので固定資産税と都市計画税が入る。少なく見積もっても年間160万の税収増になるなどメリットがあるとしていた。
 
 確かに土地代と市政センターだけの数字を見ると、月額7万円で貸し出すように見えてしまうが、そこには、建物の建設費と年間の維持管理費や維持管理に係る人件費を負担しなくていい費用面が計算されていない。このメリットも含めての是非が問われることになる。
 
 
sakaikita■「伝えたこと」と「伝わったこと」 

 今回の審議の傍聴や陳情審議の前に行われる時間での陳情者の意見を聞いていると(休憩中なので議事録はない)、説明をしたとしても内容が伝わっていたのか? の疑問が生まれてきた。PPPとは何のことが良く分からない、との発言もあり、市としては分かっていることをそのまま伝え、聞く側がどの程度理解していたのかを把握していなかったのではと思った。

 PPPは制度的には難しい。これまでの手法とは異なることがあり、検討の途中で市民・商店街から意見を言えない制度であることなどが伝わっていなかった、理解を得られていなかったのではないか。何よりも、理解が得られるよう伝えられているかを検証すること、伝わる努力がもっと必要だったと思えてならなかった。
 
 「伝えたこと」と「伝わったこと」は違うのだ。


■今後も意見交換を
 
 審議の結果、賛成したのは自民会派の2名のみで、他の4名は反対で否決となった。12月20日の本会議で最終的に決まるが、会派構成を考えれば結論は変わらないだろう。
 否決理由は、事業者を変えるとなれば違約金などが発生するだろうし、借地にある市政センターの移転を遅らせるわけにもいかないので、陳情文にある再検討はできないことが大きな理由だった。私も同じ考えだ。

 ただし、30年以上も武蔵境駅周辺のまちづくりを市と一緒にしてきた人たちと、今後も、一緒にまちづくりをすすめること、納得が得られるように説明や意見交換を続けてもらいたい。
 
 陳情が出されたということは、それだけの理由があること。このことを理解することも必要だ。
 

写真は、PPPによる武蔵境北口市有地と(上)、施設概要(下)
武蔵野市プレスリリース 「武蔵境駅北口市有地有効活用事業における優先交渉権者が決定しました」より

【参考】
住民参加のない武蔵境駅北口市有地有効活用事業の再検討を求めることに関する陳情

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