武蔵野市議会は、議会基本条例制定へむけて、条例文の検討をスタートさせた。私が所属している会派、民主生活社ネットから検討へのたたき台となる条例文案が下記だ。


 検討は、議会運営委員会で行い、通常の日程に加えて条例文を検討する日程を増やして行っている。今年の5月が現在の議長の任期であり、議会運営委員会の任期となるため、5月に一定の形にすることを目標としている。


 検討は、各会派から条例文や考え方についての意見を出し合い、その内容を元に詳細の条文を協議していく。

 民主生活者ネットから提案した条文案で目指している内容と特徴もまとめてみた。今後、各会派からの意見と議論をかさね議会運営委員会としての素案をつくり、市民にも意見を聞き、まとめていく予定だ。




■会派条例案の概要

・議会・議員活動の再認識
・現行で行われていることの明確化
・市民への説明責任
・執行部と互いの立場を認識した上での市民福祉向上
・地方自治法にあるものは規定しない
・目指すべき方向を示す


■会派条例案の特徴

・市民との意見交換会を行う
・政策検討会議を設置する
・反問権を明記する
・議員倫理を規定する
・予算と決算の関係を明確化し、議会による次年度予算案への考え方を示す
・大災害時対応を明確化する
・議会局を設置し、事務だけでなく議会のパートナーとして位置づける
・議会図書室の拡充し、情報収集・政策立案に役立てるようにする


■条例案

武蔵野市議会基本条例 素案 民主生活者ネット (2016/11/18)

(前文)
 日本国憲法は、地方公共団体に議事機関である議会を設置し、その構成する議員と執行機関の長をそれぞれ住民が直接選挙する二元代表制をとっている。議会と長とは、独立・対等の立場で、互いに尊重し、抑制と均衡を保ちながら、合議制の機関と執行機関のそれぞれの特性を生かし、市民福祉向上のため適切に役割を果たすことが求められている。
 さらに2000年の地方分権一括法等により地方分権社会が進められ、地域のことは地域が決める市民自治の実現がより求められ、議会の責務はより重くなった。
 これらのことから議会と議員が果たすべき責務、活動、市民並びに市長等の機関との関係を明確化し、これを市民と共有することにより、今以上に市民の負託に的確に応えられよう取組を推進すること、並びに地方自治の本旨である市民福祉の向上及び市勢の発展のためこの条例を制定する。


 第1章 総則

(条例の目的)
第1条 この条例は、二元代表制の下、合議制の議事機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会及び議員の活動原則等の基本的事項を定めることにより、地方自治の本旨に基づく市民の負託に的確にこたえ、もって市民福祉の向上と公正で民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。

 (最高規範)
第2条 この条例は、議会の最高規範であり、議会に関する他の条例、規則等を解釈し、又は制定し、若しくは改廃する場合においては、この条例との整合を図らなくてはならない。
2 議会は、議員にこの条例の理念を浸透させるため、一般選挙を経た任期開始後速やかに、新たな議員に対し、この条例に関する研修を行わなければならない。


第2章 議会の活動原則

(議会の活動原則)
第3条 議会は、議事機関として、次の各号に掲げる原則に基づき、活動を行う。
(1) 公正性、透明性及び信頼性を重視する議会運営を行うものとする。
(2) 議決責任を深く認識し、市民に対して積極的な情報公開に取り組むとともに、説明責任を果たすものとする。
(3) 自由闊達な議員間討議を行い、市政の課題に関する論点及び争点を明らかにするよう努めるものとする。
(4) 議会は、原則として委員会活動を中心に討議を行うものとする。
(5) 市民の多様な意見を把握するとともに、把握した市民意見をもとに条例制定、政策提言等の強化に努めるものとする。
(6) 市民本位の立場から、適正な市政運営が行われているかを監視し、評価し、並びに政策提言を行うものとする。
(7) 議会は、その意思決定に当たっては、議会としての合意形成を目指して審議を尽くすものとする。
2 議会は、その役割を不断に追求し、議会改革に継続的に取り組むものとする。
3 その他必要な事項は、武蔵野市議会会議規則において定めるものとする。

(議長選挙)
第4条 議長及び副議長の選出は、立候補制とし、立候補する議員は、選挙に先立って所信表明を行うことができるものとする。
2 その他、議長及び副議長の選出に関し必要な事項は、別に定めるものとする。

(会派)
第5条 議員は、議会活動を行うため、会派を結成することができるものとする。
2 会派は、政策を中心とした同一の理念を共有する議員で構成し、活動するものとする。
3 会派は、議会運営及び政策立案等に関し、必要に応じて会派間で調整を行い、合意形成に努めるものとする。
4 議会は、会派に属さない議員の意見が議会運営に反映できるよう配慮するものとする。

(会派代表者会議)
第6条 議長は、必要があると認めるときは、会派代表者の会議を開催することができるものとする。
2 会派の代表者の会議に関し必要な事項は、別に定めるものとする。


第3章 議員の活動原則 

(議員活動の原則)
第7条 議員は、次の各号に掲げる原則に基づき、活動を行う。
(1) 議会が言論の場であること及び合議制の機関であることを認識し、議員間の自由な討議を重んじるものとする。
(2) 市政の課題全般について市民の意見を的確に把握するとともに、自己の資質を高める不断の研さんによって、市民全体の代表者としてふさわしい活動をするものとする。
(3) 議会の構成員として、一部団体及び地域の代表にとどまらず、市民全体の福祉の向上を目指して活動するものとする。

 
第4章 議会と市民との関係
 
(議会の公開及び説明責任)
第8条 議会は、市民に対し積極的にその有する情報を発信し、情報の共有を推進するとともに、説明責任を十分に果たさなければならない。
2 議会は、本会議、常任委員会のほか、すべての会議を原則公開とする。

(市民参加)
第9条 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第100条の2に規定する学識経験者等による専門的調査の活用並びに同法第115条の2(同法第109条第5項において準用する場合を含む。)に規定する公聴会制度及び参考人制度の活用等によって市民等の意見等を聴き、議会の政策形成、審議に反映させることができるものとする。
2 公聴会は、武蔵野市議会委員会条例に基づき開催するものとする。
3 議会は、請願及び陳情を市民からの政策提案として受け止め、審議等に当たっては請願者及び陳情者の説明機会の確保に努めるものとする。

(市民との意見交換)
第10条 議会及び委員会は、市民の多様な意見を把握し、審議へ反映するため、市民との意見交換の場を多様に設けるものとする。
2 市民との意見交換の場に関し必要な事項は、別に定めるものとする。


第5章 議会と市長・執行機関との関係

(審査の原則)
第11条 議会審議における議員と市長その他の執行機関及びその補助職員(以下「市長等」という。)との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努め、武蔵野市(以下「市」という)としての最良の意思決定を行う。
(1) 議会は、市長等との立場及び権能の違いを踏まえ、議会活動を行うものとする。
(2) 本会議及び委員会における議員と市長等との質疑応答は、論点及び争点を明確にして行い、発言はすべて簡明にし、議題外に渉り又はその範囲を超えてはならないものとする。 

(反問権)
第12条 議長から本会議及び委員会に出席を要請された市長等は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質問に対して、論点及び争点を明確にするため反問することができるものとする。

(政策提言、情報提供)
第13条 議会及び委員会は、市長が提案する重要な議案等については、議会審議を通じて、市民福祉向上のため、市長等に対し政策提言を行うこと、並びに必要な情報を明らかにするよう求めることができるものとする。
2 議会及び委員会から政策提言を受けた、もしくは、必要な情報を求められた市長等は、その趣旨に沿うよう努めるものとする。

(行政報告)
第14条 市長等は、市等が行う政策や事務事業の進行状況、内容等を議会に行政報告し、議会の意見を聞くことができるものとする。


第6章 議会の権限

(議会による評価と予算)
第15条 議会は、決算審査に当たって、市長等が執行した政策、事務事業等の評価を行うよう努めるものとする。
2 議会は、予算に十分反映させるため、議会としての評価を市長等に示すことができるものとする。
3 市長は、議会の評価を予算に反映させるよう努めるものとする。

(議決事件の追加)
第16条 議会は、地方自治法第96条第2項の規定に基づき、法に定めるものを除き、必要な事項を議決事項として追加することができるものとする。


第7章 議会の機能強化

(広聴広報委員会)
第17条 議会は、広聴広報機能の充実のため、議員で構成する公聴広報委員会を設置するものとする。
2 広聴広報委員会に関し必要な事項は、別に定めるものとする。

(付属機関の設置)
第18条 議会は、審査、諮問又は調査のため必要があると認めるときは、別に条例で定めるところにより、付属機関を設置することができるものとする。
2 議会は、市政の重要課題に対応するために、大学等研究機関、専門家等と連携し、重要課題解決へ努力するものとする。

(政策検討会議)
第19条 議会は、市政に関する重要な政策及び課題に対して、共通認識及び合意形成、条例制定、政策提案を検討するため、政策検討会議を設置できるものとする。
2 政策検討会議に関し必要な事項は、別に定めるものとする。

(全員協議会)
第20条 議長は、市政の諸問題に関する研究及び協議、並びに意見聴取を行うために市議会全員協議会を設置することができるものとする。
2 全員協議会の運営、その他必要な事項は、別に定めるものとする。

(大災害への対応)
第21条 議会は、大規模災害が発生した非常時においても、機能を維持するものとする。 2 議会は、大規模災害時において、議会と市の役割を踏まえて、協力・連携体制を整え、大災害対応に当たるものとする。
3 大災害時の議会活動については、別に定めるものとする。


第8章 議員の政治倫理、身分及び待遇

(議員倫理)
第22条 議員は、市民の代表者としてふさわしい品位を保ち、常に、公正かつ厳正を指針として行動するよう努め、発言においては、根拠を明らかにするよう努めるものとする。
2 議員は、その地位を利用して、社会的常識の範囲を逸脱するいかなる金品の授受をしないものとし、又は市が行う業務に関し、特定の企業、団体、個人等のために有利な取り計らいをしないものとする。
3 市民全体の代表者としてその名誉と品位を害するような一切の行為を慎み、その職務に関し、不正の疑惑を持たれる行為をしないものとする。

(政務活動費)
第23条 議員は、政務活動費が政策立案又は提案を行うための調査及び研究に資するため交付されるものであることを認識し、武蔵野市議会政務活動費の交付に関する条例に定めるところにより適正に執行しなければならない。
2 政務活動費の収支報告書(領収書等の証拠書類を含む。)及び会計帳簿は、公表しなければならない。
3 このほか必要な事項は、武蔵野市議会政務活動費の交付に関する条例により定めるものとする。

(議員定数)
第24条 議員定数は、武蔵野市議会議員定数条例で定めるものとする。
2 議会は、議員定数の改正に当たっては、参考人制度及び公聴会制度等を十分に活用することにより、市民の意向を把握し、本市の実情にあった定数を検討するものとする。
3 議員が議員定数を改正する議案を提出するに当たっては、改正理由の説明を付して、議長に提出するものとする。

(議員報酬)
第25条  議員報酬は、 武蔵野市議会議員の議員報酬等に関する条例により定めるものとする。
2 議員報酬の額にあたっては、武蔵野市特別職報酬等審議会の答申を尊重するものとする。


第9章 議会局

第26条 議会は、議会の政策形成及び調査機能、法務機能を高め、議会運営を円滑に行うため議会局を設置する
2 議会は、議会局の組織体制の充実に努めるものとする。
3 その他必要な事項は、別に定める。

第10章 議会図書室

第27条 議会は、議員の政策形成及び立案能力の向上を図るため、議会図書室の充実に努めるものとする。
2 議会は、議会図書室が市民にとって利便性が高いものとなるよう努めるものとする。
3 議会は、議会図書室機能の充実のため、市立図書館等との連携に努めるものとする。
4 議会図書室の選書方針、図書の除去方針、情報収集方針、管理等は別に定めるものとする。


第11章 補則

(条例の見直し手続き)
第28条 議会は、この条例の目的が達成されているか否かを、議会運営委員会において、適時、検証するものとする。
2 前項の検証の結果、必要と認める場合は、この条例の改正を含め適切な措置を速やかに講ずるものとする。


付則
この条例は、平成●●年●月1日から施行する。