市議会の一般質問の内容により名誉棄損されたとして市長を訴えた裁判の地裁判決が出されたことについて行政報告が2月1日の総務委員会であった。
 


saiban 裁判は市内の事業者が一般質問を行った議員の発言により名誉棄損されたとして行ったもの。議員は特別職の公務員となるため、職務(議会活動中)で損害をあたえた場合に国家賠償法国家で対応することから、責任者となる地方公共団体の長(武蔵野市では市長)が訴えの対象となっていた。
 
 議員本人、もしくは、議会の責任者である議長が訴えの対象になるのならまだしも、質問を受けていた市長が訴えられるのもおかしな話だ。
 だが、国家賠償法は、第一条で『国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる』と規定されているため市長が訴えられている。市長が議員の責任者というのは、考えなすことが必要ではないだろうか。
 
 国会賠償法で補償すべきかどうかの争点は裁判の行方を見守りたいが、今回の裁判とは別にして、議員の質問の在り方も課題と言えるかもしれない。どのような質問にすべきか、ガイドラインや規定がそこにはなく、常識で考えて、となっているのが現状だからだ。どのような質問が適切なのか。質問力研修が行われる昨今、多くの議会で考えなくてはならないことだろう。
 
 
 判決の概要は下記(行政報告資料(画像)より抜粋)。原告が上告したため、裁判はさらに続くことになる。

▼概要
本件は、原告が、平成27年9月の市議会定例会一般質問における市議会議員の発言( 以下「本件発言」という) により、原告の名誉が毅損されたと主張して、市に対し、国家賠償法に基づく損害賠償として、慰謝料500万円及び遅延損害金の支払を求め、平成28年3月14日、東京地方裁判所立川支部に訴えを提起した事案である。

▼判決主文
(1) 原告の請求を棄却する。
(2) 訴訟費用は原告の負担とする。

▼判決の主な内容( 要点)
(1) 議会の一般質問における議員の発言について、市の国家賠償責任が肯定されるためには、当該議員が、その付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを必要とすると解されるが、本件発言においてそうした特別の事情があったと認めることはできない。
(2) 本件発言は、一般市民の普通の注意と受け止め方からして、直ちに原告の社会的評価を低下させるものであるということはできない。

▼市の今後の対応
原告が控訴したので、市の正当性を主張するため、応訴することとし、訴状が届き次第、本市顧問弁護士とともに適切に対応する。