都立大井ふ頭海浜公園で行われている剪定枝葉を燃料としたバイオマス事業を視察した。公園の管理コストの削減にもなる再生可能エネルギー事業はもっと注目すべきだ。
 
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■チップ化してボイラーの燃料に

 大井ふ頭海浜公園で行われている事業は、公園の管理を指定管理者として受託している株式会社日比谷アメニスが行っている。公園内で大量に排出される剪定枝葉を細かく砕きチップ化、太陽光による温めた空気を使い乾燥させて、公園内のスポーツセンターの暖房や給湯をするボイラーの燃料として活用している

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 木材や廃材をそのまま燃すことも可能だが、チップ化し乾燥することで燃焼効率が上がる。例えば、水分を15%にすると発熱量は倍になるのだそうだ。そのため、ボイラーからの煙はほとんどなく、燃やした灰も少ない。10日に一回程度、灰を取り出す程度だそうで、年間のメンテナンスも年に一回程度で十分だという(日比谷アニメスでは、年に2回にしている)。
 
 また、剪定枝葉は、生物由来のエネルギーとなるためバイオマス事業となり、生物が成長する過程でCO2を吸収するため、CO2の排出はカウントされない特徴も持つ。


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■元が取れるコスト
 
 気になるコストだが、初期費用は約3500万円。ボイラーは都市ガスを併用しているが、剪定枝葉を燃やすことで都市ガスの使用量が減り、ガス代が下がる(年間約200万円削減)ことや剪定枝葉をごみとして処理する費用も下がるため、10年程度で元は取れるという。ボイラーの寿命は一般的に20〜30年と言われているためコスト的にもメリットは多い。

 公園で出る剪定枝葉は年間150トン、このボイラーで燃焼できるのはそのうちの50トン程度としていたのでより大型化すれば、よりメリットも多いように思うが、あくまでも社会実験として日比谷アメニスが行っているため、今後の拡大などは現状では考えていないとしていた。また、同社は指定管理者制度で公園の運営管理を任されているが、このバイオマス事業は都からの仕様にはなく、独自で実施している。指定管理者として他社と競合した場合、有利になるかも分からないとしていた。
 

P2170461■剪定枝葉の処理コスト
 
 公園や家庭、街路樹などの剪定枝葉の思慮り費用は自治体の負担となっている。武蔵野市では、家庭などから出される剪定枝葉は、西東京市にある造園業者によりチップ化し、群馬県にある事業者まで運び、葉のついていない枝木のチップは、群馬県にあるバイオマス発電所で発電に利用。葉があるものは農業用の堆肥として活用している。
 処理量は約243トン(平成26年)。市内での収集費用を含めると総額1,200万円余りがかかっている。キログラムあたりでは、収集運搬及び資源化も含めた剪定枝葉の資源化にかかわるコストは53円。可燃ごみが49円となるので、コストは高くなっているが、資源化にする意義があるとして武蔵野市では実施しているのが実情だ。しかし、運搬に伴うCO2の排出など環境負荷も考えるとこのままで良いのかを考えるべきだろう。
 
 日本にはさらに、利用されていない林地残材や間伐材、建設廃材など燃料となる木材は多い。これらもエネルギーとして考えていくことが、さらに必要だ。山林では集積や運搬などの課題は多いが都市部、それも公園ならこの課題も少ない。もっと広げることは十分できるだろう。
 

P2170484■法律の課題
 
 これからの課題となるのは、このようなエネルギー活用がされていることが知られてないこと。そして、法律の壁もあることだ。
 それは、このような施設を公園内につくることは都市公園法によりできないとされているからだ。大井ふ頭海浜公園は、海浜・海上公園となり都市公園法の適用範囲ではないことから設置できたという、いわば隙間的な活用方法だったのだ。
 
 再生可能エネルギーをより拡充するのは、このような法律の壁も取り払うべきだろう。バイオマスエネルギーなど眠っている国内の資源は多い。もっと活用することを進めるべきだ。特に捨てているエネルギーの活用から進めるべきで、その分かりやすい事例や今回のケースと言える。
 
 
【参考】
公園剪定枝のバイオマス燃料化 - 株式会社 日比谷アメニス環境部(face book)