武蔵野地域で放送しているローカルFM局、FMむさしの(コミュニケーションネームはむさしのFM)で放送予定だった市議会のお知らせが放送できなかったとの報告が議会にあった。事故が起きるのは避けられないとは思うが、ローカルとはいえ、広告費を取る事業者の体質として、これで良いのかと思う内容だった。
 

 
■原因は調査中

 放送ができなかったのは2月13日の早朝に予定していた議会日程を知らせる20秒の広告。議会への説明では、自動で放送する設定がされていたパソコンがフリーズし、放送ができなくなったとしていた。議会のお知らせ以外は、他の局に自動的に切り替わるので放送は続けられたという。
 
 原因については調査中で分からない。放送ができなくなった時間帯は社員が放送局にいないため対応ができなかった。社員がいれば、その場で対応ができ放送は続けられるため、今回の対応策として朝、昼、夜の3回放送予定を社員が局にいる時間帯の昼間に変更したいとの報告だった(議会への報告は、むさしのFMから説明を受けた議会事務局職員が行った)。

 議会とFMむさしのの契約は一日3回としており、時間帯は指定していない。以前の放送は別の時間帯になったこともあり、今回の提案となったようだ。


■聴取率はどうなっているか
 
 しかし、時間帯を変更することは、何人の人に情報を伝えられるかが変わってくる。そのことで広告料が変わるのが普通の放送局だろう。そのため、時間帯による聴取率はどうなっているのか。概算でも分かっていないのかを確認したところ、調べたことがないので分からないと説明されたとしていた。

 しかし、武蔵野市議会の議事録を調べると1996年(平成8年)の3月18日、19日、20日の3日間にFMむさしのは、市内の300 名を対象に「むさしのFMを知っているかどうか」「聞いたことがあるかどうか」「聞いている時間帯はどうか」などの5点を聞く簡易な調査を行っていると答弁があった。

 結果は、

 「むさしのFMを知っているかどうか」 65.7%が「知っている」
 「FMむさしのを聞いたことがあるか」 29.7%がある
 「FMを聞く時間帯」午前7時〜11時 14.1%
           正午から5時ごろまで、午後6時以降 7%

 となっていた(1996.11.28 : 平成7年度決算特別委員会議事録より)。

 さらに、2000.03.17 : 平成12年度予算特別委員会の議事録には、聴取率調査として、毎年、市内、市民の18歳以上の男性、女性、 300名について、電話による聞き取り調査をやっているとの答弁がある。実際はどうなのか。止めてしまったのだろうか。今後、調べてみたい。


■番組の評価

 規模の小さなローカル局だから、大手の放送局のように何回も聴取率を調べることはできないのは分かる。しかし、無作為抽出して調べることなどで自らの番組の評価はできるのではないか。それもしていないとなると、何を基準に番組を作っているのかと疑問を持ってしまった。
 
 放送時間の変更は、FMむさしのの社員が常駐している時間だからが理由だ。聴取者や広告主の議会の意向ではなく、事業者側の理屈での提案といえる。考え方が逆としか思えなかった。市や議会が支援してくれるから甘えていないのか。事業者の体質として課題があるように思えてしまった。以前にも同じ内容を放送してしまったこともある。そもそも、パソコンの故障を想定していないこともどうなのだろう。
 
 
■武蔵野市との関係

 武蔵野市の公式サイトにある「財政援助出資団体一覧」のページには、『市が主導的に設立し、継続して財政援助及び人的援助をしている次の団体を援助団体といいます』との説明の後にFMむさしのが記載されているように財政支援をしているだけでなく、現在の代表取締役社長は、武蔵野市の元職員であるように関係は市との関係は深い。
 
 災害時に情報提供する役目など公共的な位置づけを考えれば市からの一定の支援は必要だと思う。しかし、誰がどのように聞いているのかも分からない状況で、税金から広告料を払い放送することが必要なのか。税金の使い道として適切なのかを考え直すだけでなく、その対象なる事業者の体質についても考え直さないと思えた。
 
 
■70%が聞いている? FMくめじま
 
IMG_5055 写真は、先日伺った沖縄県久米島町にあるローカル局、FMくめじまの番組にゲスト出演させていただいた時のもの。地方議員の研修会を久米島で開催することへの告知協力をしていただいたのだが、その時に、聴取率は70%あるとナビゲーター(DJ)の方は話されていた。
 実際に調べた数字ではないようだが、夜の居酒屋であった人に今日聞いたと話しかけられたり、翌朝には、番組を聞いて東京で生活していた町民の方が私たちの宿泊しているホテルに懐かしくて会いに来たりなどの反応があったことを考えると、あながち間違いではないと思えた経験だった。

 島独自のメディアが他にないという環境の違いがあるとはいえ、聴取者にどれだけ届いているのか、確認することが何よりも必要ではないかと思えた経験だった。