3月6日の市議会総務委員会で、JR中央線武蔵境北口にある市有地の民間活用について、白紙撤回などを求める3本の陳情が審議され、採決の結果、否決(不採択)となった。
 
 
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 陳情は下記の三本。
 
 市民の財産を毀損するPPP事業反対に関する陳情
 情報公開制度の適正運用と市民参加を求めることに関する陳情
 武蔵野市健康福祉総合計画に基づく「かかりつけ医制度」の充実と武蔵境駅北口市有地有効活用事業の見直しに関する陳情
 
 
 陳述者によると、市民に情報が開示されていなかった。市民の意見を聞かないで事業を進めたことで不信を持っている。不当に安価な値段で民間に貸すことなどが問題で、立ち止まって考えてほしいと考え陳情したと審議前に話されていた。
 
 
■医師会との調整

 委員会では、特に地元の医師会とどこまで調整ができていたのかがポイントとなった。
 
 今回の事業者に提案には、夜間と休日も診療する小児科・内科のクリニックが入るとしている。
 だが、市と医師会とが協力して休日診療を行っているが、このようなクリニックが入るのなら市と医師会との信頼関係を崩すことになり、医師会で行っている休日診療を考えなくてはならない、との意見が出ていると陳情者の方は話されていたからだ。
 
 市の答弁では、若い母親や子どもが多い地域なのでママ&キッズカフェや体操教室はニーズにあっている。また、地元商店街との競合をしないことや商店街に加盟することも条件にしているなかで優れていると判断した。クリニックについては事業者の提案段階であって、具体的な医療機関が決まっているのではない。医師会の皆さんと協議していきたいとしていた。
 
 また、情報公開条例に違反しているとは考えていない。長期的に考えても市税を使うことはないので、市民財産を棄損することはないとしていた。
 
 採決の結果、採決か継続審議かをはかったところ、3対3の同数となり委員長により採決が決まった。三本とも採決は、自民会派の2名が陳情に賛成としたが、残りの4名が反対として否決(不採択)となった。否決の理由は、課題はあるが白紙撤回はできないというのが主な主張だった。
 
 
■クリニックは想定外

 今回の審議を傍聴していて思ったのは、PPPとはどのようなことが知られていないこと。制度の熟知が進んでいないことだった。

 委員会の質問のなかで、クリニックの提案があった時に健康福祉部と協議しておいたほうが良かったのではないか、との問題提起があった。今となれば、この指摘通りと思えなくもないが、どの事業者が良いかを判断をするのはあくまでも有識者を入れた審査委員会だ。その審査内容を外部に漏らすことや相談して判断するのでは審査委員会が有名無実化してしまい、してはならないのは言うまでもない。審査委員に医療関係か市の担当者が入っていれば良かったのだろうが、答弁でクリニックの提案があるとは想定していなかったとあったように、想定外の提案であったために今回の問題となっているのだろう。
 
 答弁では、具体的なことは今後の協議としていたので、ここは慎重に進めてもらいたい。
 
  
■市民の財産の棄損

 民間に安く貸し出しているのは、市民財産の棄損との意見もあったが、それを言うのであれば、この土地の購入自体がどうだったのかも考えなくてならない。前回の委員会と今回の委員会の質問にあったが、土地の購入価格と現在価格の差だ。
 
 答弁によると、道路などの用地を含めて約2000平米をJRの清算事業団から購入しているが、今回の陳情の対象となっている市有地の600平米の購入価格は約15億円だった。その後の地価の変化、さらに、中央線が地下で複々線化する計画が決まり、地下や二階までしか建築物を建てられなくなっている。

 そのため、民間による評価額で算定すると今では約2億7800万円になっているとの答弁があったからだ。12億円以上も損をしていることになる。このことの方が市民財産の棄損ではないだろうか。
 
 そもそも、PPPとは民間に細部を任せるのだから、外野や後からとやかく言えないものだ。伝え方に課題はあったと思うが、説明責任となると平成27年(2015年)12月8日には市議会に報告されている。その前に策定された第五期長期計画・調整計画で市有地の民間活用については議論されているのだから議会に知らされていなかったとは言えない。
 
  いずれにせよ、何が課題なのか。それにしたいして、市の対応はこのようにしたということを、もっと明確に示すことが何よりも必要だろう。

 
【参考】
武蔵境北口市有地 再検討を求める陳情は否決(12月にあった同趣旨の陳情の審議結果)
BBQ場や体操教室、クリニックなど/武蔵境駅北口市有地の事業内容固まる
武蔵境駅北口 市有地を民間活用へ