3月11日、福島県楢葉町で復興植樹祭が行われた。福島第一原発事故から6年、復興へとつながって欲しいが、そもそもなぜこのようなことになったのか。責任はどこにあるのだろうか。

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■楢葉町の復興シンボル

 復興植樹祭は、樹齢2000年と言われる山梨県北杜市の「山高神代桜」の子孫樹の苗木を植えたもの。苗木は国際宇宙ステーションに乗り、地球に帰還した「宇宙桜」から芽を出したものだ。式典で松本幸英町長は、今後の2000年も町が反映してように復興のシンボルと育てたいとあいさつされていた。

 楢葉町には昨年訪れており、一年ぶりに訪れてみると瓦礫は少なくなっているように思え、放射線量も0.10μSv/h(※)前後、仮設共同店舗が役場前に開設されておりコンビニが再開しているなど戻れる状況になりつつあるのかもしれない。小中学校は今春から再開する。

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■戻りたい住民は半数

 平成29年1月に実施した復興庁による住民意向調査の結果(速報版)では、「現在、楢葉町に戻っている」「今後、早期に楢葉町に戻る」「今後、条件が整えば、楢葉町に戻る」を合計すると53.2%となり住民の約半数が戻りたい意思を持っていることが分る。実際に戻っている「現在、楢葉町に戻っている」人の割合は、27年1月の同調査では7.6%だったが一年たった今年では17.8%と増えているのは朗報かもしれない。

 しかし、今後、楢葉町には戻らないと回答した人は25.2%と前回と同様で、震災前に戻れるとは思えない状況だ。

 昨年は避難されている方の楢葉の家に伺い、帰還が始まるとはいえ「戻るべきか悩んでいる。町のアンケートどおりに戻りたい町民がいるとは思えない」と話されていたことが印象に残っている。気持ちと現実の乖離がどこまで広がるか。これから明確になるのだろう。


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■戻れない

IMG_0691 楢葉町から国道6号を北上すると富岡駅がある。26年に訪れたときとは姿が変わり、駅舎が建てられそうとしている状況で29年には駅が再開する予定だという。しかし、人の姿はほとんどいない状況だ。学校の鉄棒がさび付いていた。
 さらに国道6号を北上すると「帰宅困難区域」が残り、福島第一原発近くでは、時おり5μSv/hを線量計が示していた。この区域は、復興どころではない。


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 一度、壊されてしまったまちの再生、復興がどれだけできるのだろうか。成し遂げてもらいたいと思うが、その前に、なぜこのような状況になったのか。
 福島第一原発事故は予見されていたという。それなのに、事故を起こしている。その責任はどこにあるのか。その反省も責任も問われていない現状のほうが問題だ。
 
 原発事故はまた起きる可能性は十分ある。避難計画が実際には機能しないことも分っている。原発が動かなくてもやっていけたのに、なぜ必要なのか。

原発は、なくてもやっていける。責任も原因も明らかではないこの現実に目を向けないで、原発をさらに進めようとしている政治こそ変えなくては、と改めて思った。



※復興植樹祭が行われた天神岬スポーツ公園(芝生)での27年1月測定値。


●写真(上から)
・復興植樹祭には、小中学生が招待され、まちのゆるキャラと植えられた桜に水をかけていた
・式典
・富岡駅
・富岡第一中学校
・福島第一原発近くの国道で
・「帰宅困難区域」で(3点とも)

【参考】
時が止まったままのまち
戻るべきか 〜原発事故から5年〜No2 楢葉町




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