民進、共産、自由、社民の四野党は、『市民連合が実現を目指す政策』に対する現段階での共通する認識を取りまとめた。内容は評価したいが、民進党のこれからの立ち位置、方向性が問われているとも言える内容だった。

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■原発ゼロが盛り込まれる

 四野党の考え方は、次の三本が大きな柱となっている

1. 国民生活の安定と「分厚い中間層」の復活に向け、社会経済政策を転換する
2. 原発ゼロを目指し、エネルギー政策を抜本的に転換する
3. 立憲主義を守り抜き、平和を創造する

 民進党内では、原発ゼロを何時にするかについて方向性に乱れがあるが、ゼロを再度明確化したことは評価したい。実際になくても大丈夫なことが立証できているのだから、なるべく早くに実現をすべきと考えるからだ。


■共産党嫌い

 一方で、長島昭久衆院議員が共産党との共闘を進める党方針に不満を募らせ離党届を提出した。長島衆院議員は、昨年の都知事選挙で野党が連携して鳥越候補を応援したさい、地元の立川での街頭演説会にさえも顔を出さなかったほどだから、共産党嫌いは一貫しているのだろう。朝日新聞(2017年4月7日)には「価値観の大きく異なる共産党との選挙共闘路線は譲れぬ一線を越えることを意味」したツイートを紹介しており、そのための離党であれば、筋が通っているといえなくもない。

 同朝日新聞によれば、小池百合子都知事を中心とする地域政党「都民ファーストの会」との連携も模索しているという。地方議員に続き国会議員までかと思うだけでなく、「都民ファーストの会」の理念や政策がまったく分らないなかでは、何をよりどころにしての連携なのか不思議でならない。

 このことは別として、4月8日、自民党の下村博文自民党幹事長代行は、「われわれと考え方が非常に近い」として長島衆院議員の将来的な自民党入りを促したと報道されている(産経新聞2017.4.8)。長島衆院議員は、もともとは自民党衆院議員の秘書だったのだから、やっと古巣へ戻れるのかもしれない。


■民進党の再生に

 これらのことを考えると、自民党に入りたい人は自民党に行ってもらう。「都民ファーストの会」が良いと思う人も行ってもらい、数は少なくなったとしても、再度、民進党は何をめざす政党なのか。立ち位置はどこかを議論し尽くして明確にすべきだと思う。自民党に入れなかった人の選挙互助会という立ち位置はすでになくなっているのだから、この際、ハッキリするべき時だ。

 民進党は、旧民主党の結成時の理念、「市民が主役」に立ち戻ることが今だからこそ必要だと私は考えている。そのスタンスになれば、原発推進とはとてもいえなくなる。推進なら自民党などへ移ってもらえば、党のごたごたが少なくなるに違いない。

 共産党とは全てが同じ考えとはなり得ないと思うが、大筋の方向性が同じであれば、立ち位置を明確にしたうえで共闘すべきだと私は思う。政治には、数の力も必要。小異を捨てて大同に就くことこそ、今の民進党に必要なことだ。贅沢を言える立場ではないことも認識すべきなのだ。
 



四党の考え方_ページ_1『市民連合が実現を目指す政策』に関する四党の考え方

(前略)
 民進、共産、自由、社民の四党は、早期の衆院解散総選挙は十分にあり得るという前提に立って、できる限りの協力を進めることで合意している。そのうえで、市民連合が実現を目指す政策について四党政策実務者による協議を進めた結果、以下のような考え方を共有することを私たちは確認した。

1. 国民生活の安定と「分厚い中間層」の復活に向け、社会経済政策を転換する

(1) 子育て・教育・若者
〇就学前教育から大学まで、すべての教育について原則無償化をめざす。
〇保育施設の拡充、保育士の賃金引き上げ等を通じて待機児童をなくす。
〇安倍政権が放置してきた子育て・教育への投資を劇的に拡大することにより、教育の機会平等と質の向上、持続的成長の実現、雇用の創出、女性の社会進出、人口減少対策等を後押しする。

(2) 雇用・働き方
〇残業代ゼロ法案の成立を阻止するとともに、インターバル規制を含む長時間労働規制法を早期に成立させる。
〇同一価値労働同一賃金の実現など非正規労働者に対する待遇の差別を禁止する。
〇最低賃金の大幅引き上げなど、賃金・労働条件を改善する。

(3) 社会保障等
〇国民皆保険制度を維持し、年金の最低保障機能を強化する。
〇介護労働者の賃金など待遇を改善するなど、介護の充実を進める。
〇働き方や性別等に中立的かつ公正な社会保障制度、税制を確立する。

(4) 女性・ジェンダー
〇選択的夫婦別姓を実現する。
〇政治分野で候補者割り当てクオータを導入する。
〇包括的な性暴力の禁止に向け、性暴力被害者支援法を制定する。
〇LGBTに対する差別解消施策を盛り込んだ法律を制定する。

(5) 地域活性化
〇霞ヶ関目線で効果の上がらない地方創生を掲げ、カジノによる地域振興に迷走する安倍政権と対峙し、地方の自主性を尊重した公正な地域活性化を進める。
〇農家に対する所得補償制度を法制化する。


2. 原発ゼロを目指し、エネルギー政策を抜本的に転換する

(1) 原発ゼロを目指す
 3.11を原点として新しい日本のエネルギー政策を構想する。

(2) 省エネルギーの徹底
 断熱の徹底、廃熱の有効利用等をすすめ、世界一の省エネ社会を実現する。

(3) 再生可能エネルギーの飛躍的増強
 太陽光発電や風力発電への支援、ソーラーシェアリングの大幅拡大等を進める。

(4) 地球温暖化対策の推進
 国際社会に通用する中長期数値目標を設定し、地球環境・生態系の保全を進めるとともに新産業と雇用の創出につなげる。


3. 立憲主義を守り抜き、平和を創造する

(1) 立憲主義と平和主義を脅かす憲法改悪の阻止
 自民党の憲法改正草案は、立憲主義に反し、基本的人権の尊重や国民主権、そして平和主義という基本的価値を脅かすものであり、これを基礎とした改定、特に平和主義を破壊する憲法9条の改悪を阻止する。

(2) 2015年安保法制の白紙化
 安倍政権下で強行された安全保障法制は立憲主義と平和主義を揺るがすものであり、その白紙撤回を求める。

(3) 戦略的なアジア太平洋外交の推進
 同盟国である米国を含め、近隣諸国、関係国との対話を促進し、地域における信頼醸成に努める。

(4) 沖縄の基地負担の軽減
 沖縄の民意を踏みにじって基地建設を強引に進める政府の姿勢は、容認できない。沖縄県民の思いを尊重しながら基地負担の軽減を進める。

(5) 情報公開の推進と報道の自由の回復
 安倍政権下で後退した情報公開と報道の自由は、民主政治の基盤であり、危機感を持ってその推進、回復に取り組む。

以上


画像は、考え方の文書より

【参考】
民進党ニュース 野党4党と市民連合との意見交換会で基本的な理念、政策的な方向性の共有を確認