武蔵野市議会は、議会基本条例の制定へむけて、市議会全員協議会を5月8日に開催した。この日の論点には、反問権をどのように規定するかがあった。

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■武蔵野市議会での動向
 
 反問権は、市長や市職員による逆質問、あるいは、反論権となるものだ。市長や市職員は、議員からの質問に対してしか答弁ができないのが現状だが、反問権が認められると、「では、その財源をどうするのか? いくら必要と考えているのか?」「質問の内容を実際に行う場合、具体的にどのようにしたらいいのか? 法的な問題はどこにあると考えているか?」など議員へ対して逆質問ができる権利だ。この制度ができることにより、議員の思い付きや調査不足の質問が少なくなり、議論がより深まる、緊張感が高まると期待されている。
 
 一方で、「どこで、誰が、何時何分に言ったのか?」など子どものケンカのような言い合いになってしまう可能性もあり、議論ではなく泥仕合、言い合いになってしまうことも懸念されている。

 武蔵野市議会では、予算決算委員会や本会議では議員の質問時間が限られているので、反問権が使われた場合に議員の質問時間に含めるのかなど技術的な課題もある。
 そのため、質問内容の趣旨が分からないので、再質問して欲しいなど質問の趣旨を確認する、いわば議事整理権ともいえる内容にすべきではないか、と素案には書き込まれていた。
 いわば、ソフトな反問権だが、全員協議会では、反論まで認めるべきではないかとの意見も出され、結果的にはどこまで認めるかの結論にならなかった。
 
 
■反問権の全国的な動向

 武蔵野市議会の素案段階では、ソフトな反問権を議会基本条例に入れていこうとしている。では、他の議会ではどうなのか。
 
 じつは、反問権には上記のような課題もあり、書き込まない例が多い。全国的な動向をみると、反問権を条文にしている議会は47.5%と半数に満たないのだ。

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 さらに、実際に反問権が使われたかを調べてみると、14%の議会でしか使われていないことが分かる。つまり、制度自体の普及は多くはなく、実際に使われることも少ないのが実態だ(※)。
 
 知りあいの首長や職員になぜ反問権を使わないのかを聞いたことがある。答えは、火に油を注ぐと議論が終わらなくなってしまう。逆恨みが怖い。規定されていなくても、「では、その財源はいくらになるか、どこから捻出するのか明らかにしてもらいたい、と思います」といったように逆質問ではなく、感想を述べるだけで対応できるので、なくても対応はできるといったものだった。反問権となると議員に答える義務が出てくるが、感想を述べられただけであれば、答えなくてもいいので議員からすれば気は楽になるのだろう。ようは、余計な波風を立てないほうが得策と考えが強いのだろう。
 
 私自身は、反問権は必要と考えているが、実態を考えると、どこまで認めるかが今後の論点となりそうだ。
 
 武蔵野市議会では、5月21日に市役所811会議室で市民との意見交換会を開催する。市民意見を聴き、さらに議論をして反問権が規定されることになる。
 
 
 ※データと図は議会改革白書2016より。白書は、全国の自治体議会へアンケートを送り1553自治体(回収率86.9%)から回答を得ている。

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