総務省による土地統計調査によると武蔵野市の空家率が14.1%と都内で3位、多摩地区では多いことが分った。空き家対策がこれからの市政の大きな課題となりそうだ。

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 土地統計調査は、総務省が5年ごとに行っているもので、9月23日から30日までの間に調査対象となった世帯に調査票を配布した後、10月に再度訪問し、居住者から調査票を回収、もしくはインターネットで回答を得て行うもの。空き家は調査員が外観等から判断している。今回の結果は、平成25年に行われた調査の結果だ。

 武蔵野市の周辺自治体は、三鷹市=11.1%。小金井市=11.8%。西東京市=9.3%。杉並区=10.5%。練馬区=9.5%。
 多摩地域では、2番目に高いのは青梅市の13.2%。3番目は日野市の12.8%という状況だった(※1)。

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 空き家となるのは、全国的な調査では、親所有の住宅を相続した場合が44%と最も多い。
 相続の後、条件さえあれば売却または賃貸しようと思っているケースは約44%だが、売却や賃貸にするつもりはないというケースは約28%でこのような場合が空き家になると想像できる。
 また、空き家になっている住宅の建築時期は昭和55年以前の割合が全体の3分の2という状況で、賃貸にするには改修費がかかることもその一因だろう。

 空き家は、管理不全になると防犯や火災などの心配があるだけでなくまちの美観を損ねるなど所有者だけの問題ではない。国は空家等対策の推進に関する特別措置法を施行し自治体に対して空き家の対策計画を策定するように求めている。
 
 武蔵野市では平成29年度に空き家の実態調査を行い30年度にかけて空き家の対策計画を策定する予定だ。賃貸を含めて住宅を必要とする人は多いのだから、売却、賃貸も含めてどのように流通できるのかが注目される。武蔵野市の空家率が高い理由は、現状では分らないが、その理由も分るかもしれない。注目される調査だ。

 武蔵野市は外郭団体である武蔵野市開発公社の事業として、高齢者のライフスタイルの変化に合わせた住み替えを支援し、高齢者が住んでいた住宅を子育て世帯へ賃貸する「マイホーム借上げ事業」を行っており期待は高い。だが、この住み替え事業に対して市が補助金を出しているのだが、平成27年度の件数を見ると1件しかなく、広まってはいないことが分る(平成27年度事務報告書より)。この理由も検証しなければならない。

 武蔵野市の人口は、2015年で13万8,446人から2040年には12万2,592人、11%減となると予測されている。うち75歳以上の人口は、1万5,934人から2万3,993人と51%も増える(※2)。高齢者人口が増えることによる医療費や介護の問題もあるが、それだけでなく、住む人がいなくなった住宅、つまり、空き家問題も現在よりも増えることは容易に想像がつく。武蔵野市の大きな問題になるに違いない。何がネックになっているか今後調査したいが、対策は急務だ。

 

※1 平成27年度第3回 京都住宅政策審議会企画部会(平成27年8月6日)における資料及び主な意見の概要より(図は「空き家の現状と取組【資料集】」から転載
※2 JMARI(日本医師会総合政策研究所)による地域の医療介護提供体制の現状 市区町村別データ集(地域包括ケア関連) (2016 年度)より

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