立憲主義に立ち、平和主義、基本的人権、国民主権、地方自治に基づく日本国憲法が活かされる社会の実現をめざす超党派の自治体議員で構成する「自治体議員立憲ネットワーク」は、5月19日、「共謀罪」の創設に強く反対する声明を公表した。

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 本会議での採決はこれからになるが、実際にどのような行為が対象になるか不明確なままだ。えん罪が増える懸念もあり、思想信条までも対象になる懸念は払しょくされていない。廃案にすべきだが、最低限、もっと議論を尽くすべきだ。声明は下記。



市民の人権や自由を侵害し、監視社会をもたらす「共謀罪」の創設に強く反対する声明


1、本日、「共謀罪」を創設することを内容とする「組織犯罪処罰法改正案」が、衆議院法務委員会で可決された。参議院での審議を経て今国会中に成立する可能性が高い。

 今回は「テロ等準備罪」と称しているが、世論の強い反発を受けて過去3度にわたって廃案となった「共謀罪」法案と本質的に変わらないものだ。市民の自由な活動を萎縮させ、監視社会をもたらす懸念があり、違憲のおそれが強い法律である。立憲主義を擁護する立場で活動する超党派の自治体議員の組織である「自治体議員立憲ネットワーク」として、共謀罪の導入に強く反対する。

2、「共謀罪」は犯罪の実行行為がなくても犯罪の相談や計画するだけで処罰できることとするもので、実行された犯罪を罰することを原則とする日本の刑法体系を根本から転換させるものである。これによって個人の内心や思想そのものが処罰対象とされかねず、日本国憲法の保障する思想・良心の自由や言論・表現の自由などを侵すおそれが強い。

3、国会の審議では与党の強引な運営ばかりが目立ち、議論はまったく噛み合わなかった。衆議院予算委員会で質問された金田勝年法務大臣が「私の頭脳が(質問に)対応できず申し訳ありません」と答弁するなど、所管大臣としての資質を完全に欠いている。共謀罪の適用対象となる「組織的犯罪集団」や「合意」の範囲、「準備行為」の定義などいずれもあいまいなままで、捜査機関によって無限定に運用されれば、市民団体や労働組合の活動などが日常的に監視されることになりかねないとの不安が広がっている。

4、「監視社会化を招き市民の人権や自由を広く侵害する恐れが強い」と厳しく批判する声明を発表した日弁連をはじめ法曹関係者や学者、言論人、メディア関係者、労働団体、市民団体など多様な立場の人々から反対の声が噴出するなかで、数の力に頼んで成立を強行することは断じて認められない。自治体議員立憲ネットワークとして、共謀罪の創設に厳しく抗議し、廃案を求めて闘い抜く決意を表明する。


2017年5月19日
自治体議員立憲ネットワーク

写真はイメージ