小池東京都知事は、オリンピック経費削減のために東京ビックサイト(国際展示場)をプレスセンターにしようとしているが、出展者の営業機会が失われることやコミケ(コミックマーケット)の代替え施設がないこともあり現状通り使いたいと署名活動が行われている。豊洲市場と同じように、知事の判断が注目されている。
 
ビックサイト
 
■1兆2000億円の損失

 ビックサイトをプレスセンターにするのは、オリンピックの経費を約1000億円削減できるとされているからだ。しかし、メディアセンターにするのは、オリンピック・パラリンピックの期間だけでなくその前後を含めて7カ月が利用できなり、さらに、2019年からは部分的に利用できなくなるので合計で20カ月にわたり制約を受けることになる。
 
 ビックサイトの出展者の中心は中小企業が多い。そのため、営業機会が失われ、経営難となり倒産する企業が出てくると懸念されている。試算によると、約1兆2000億円の売上が失われると試算されているほどだ。また、約7万人の海外バイヤーが買付けのために来日できなることでの経済損失や海外へバイヤーが流出してしまう可能性も高い。
 
 東京都は、展示場の代替え施設を設ける予定だが、面積が四分の一となりこれまでと同じ規模での開催ができない。そのため、現状のままで使えるように求める署名活動が日本展示会協会を中心となり行われ、2017年1月20日には小池知事に約8万筆の署名を提出している。


■コミケの影響と国際競争力の低下 
 
 ビックサイトは、コミケの会場としても知られるが、コミケは今や一日あたりの動員数では東京モーターショーの倍以上と日本最大級のイベントとなっている(東京五輪の影響で開催できる場所がない! 東洋経済ONLINE 松谷創一郎さんの記事より)。現在は年2回に開催され、一説によれば、1回の経済効果は180億円とも言われている(数値の出典不明)おり、この経済的な損失は大きい。
 
 コミケだけではなく他の展示会を幕張や横浜で開催することも考えられるが、面積的には狭く、オリンピックで使用されることもあり不可能。そもそもで考えると、東京ビッグサイトの面積でさえ世界ランキングの70位。国全体としての展示会場総面積を比較すると、日本は先進国中最下位(アゴラ「このままでは日本の展示会市場が中国に無償譲渡される」本元 勝さんの記事より)という問題が横たわっている。現状でさえ国際競争力が低い状況なのだ。


■豊洲市場と問題は同じ

 このまま、オリンピックで使えなくなると国際競争力の低下ともなり、東京の経済政策の失敗ともなりかねない。コミケの経済効果は、1回の経済効果は180億円とも言われる北京、ロンドン、リオでのオリンピックでも展示会場以外の場所に建設していることを考えれば、ビックサイトを使おうとしている判断に問題があると考えざるを得ない。

「あまりに影響の大きな話を、ろくに検討した形跡もなく突然打ち出された」「影響を検証する時間は十分にあったのに、場当たり的でお粗末」との批判もあり、なぜこのような判断をしてしまったのか、豊洲市場と同じ問題が東京都の根底にはありそうだ(朝日新聞2017年5月1日)。
 
 日本展示場協会は、都有地である防災公園などで仮設のプレスセンターを建設する、移転問題が解決していないことから豊洲市場を活用してはどうかとの提案もしている。豊洲市場の意見問題の判断がいつになるか注目されているが、ビックサイトの問題の判断も早急に必要となっている。小池知事が判断できるか、注目したい。
 

【参考】
日本提示会協会 特設サイト