現在開催されている国会(第193国会)で地方自治法等の一部を改正する法律案が可決され、議会から選出される監査委員をなくすことができるようになった。

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 議会から監査委員を選出するのは、地方自治法第193条に「議員のうちから、これを選任する」と規定されているためだ。自治体の規模により1名か2名を議員から選出している(武藏野市は1名)。


■名誉職

 しかし、議選委員(議会から選出される委員)は、『短期で交代する例が多いことや、当該地方公共団体の内部にある者であり、その監査が形式的になりがちではないかとの指摘がある』(平成21年 地方制度調査会、「今後の基礎自治体及び監査・議会制度のあり方に関する答申」より)こと。
『市区町村などにおいては、第一会派が議長をとり、第二会派が副議長をとる、そして第三会派が監査委員を割り当てられるという、言ってみれば処遇的な要素があって、監査機能に特化して適任者が選ばれるということがなかなか議選の場合にはないわけであります。
 では、代表監査委員と言われている学識経験者の問題はどうなるかというと、大体十万人サイズの町だとフルタイムの代表監査委員がいることが多いわけでありますが、しかし、これは行政のOBが圧倒的に多いわけであります。したがって、率直に言いますと、わかりやすい言い方をすると、一期四年の監査委員をもう一期ぐらいやりたいなと思っている監査委員は、なかなか辛口のことを行政に指摘したり提案したりすることは心理的にも難しい』(平成29年5月16日衆議院総務委員会/土屋代議士の質問より)とあるように、監査委員は、議員の名誉職であったり、首長に逆らえなかったりとそもそも厳しいチェックができないとの指摘がされてきている。


■問われる議会のチェック機能
 
 改正案は地方制度調査会の答申受けての提案だ。条例をつくることにより議選の監査委員を選ばず会計士など専門家をいれた第三者機関の監査にすることが可能となった。2000年の地方分権一括法以来、自治体の責務が重くなった現状で今までのような監査でいいのかが問われていることになる。
 
 このことは同時に、議会のチェック機能が果たせているのかも問われているとも言える。
 
 法の施行は平成32年4月1日から。次の統一地方選挙以降には、監査委員を議員から選ぶのか、外部監査に任せるのかを選ぶことになる。当然ながら、議選の監査委員は何をしているのか、これまでどおりで良いのかも問われることになるだろう。
 
 今回の改正では、議会が決算の不認定にしたさいの「当該不認定を踏まえて必要と認める措置を講じたときは、その内容を議会等に報告・公表」することも盛り込まれている。これまでは、議会が決算議案を不認定(否決)しても、首長は何もしなくてよかったので、少しは決算の意義が深まったともいえる。
 
 いずれにせよ、議会改革の議論のなかで、監査や決算についての論点はなかった。これから問われてきそうだ。
 


 画像は総務省の地方自治法等の一部を改正する法律案、概要より
 矢印の囲みにある「議選監査委員の選任の義務付けの緩和」が、条例により議選監査を選ばなくてもいい規定のこと