7月2日に投開票があった東京都議会議員選挙は、都民ファーストの会の圧勝となった。既存の選挙手法の転換期になるかもしれない。一方で、この状況でいいのだろうか。

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■既存選挙手法の敗北

 私は武蔵野市選挙区で立候補した民進党の松下玲子さんの陣営にいたこともあり、内部から今回の選挙を見てきた。選挙でやるべきことを今まで以上にやってきたが、それでも小池知事の人気の風、というよりも暴風にはかなわなかったのが今回の選挙だった。

 武蔵野市の都民ファーストの会の鈴木くにかずさんは、街頭演説やホームページを見たり聞いたりしても、最後まで、どのような政治信条なのか、何を経験してきたのか、個人的な政策は何か、人間味も含めてよく分からないままだった。それでも当選することは、既存の選挙手法ではかなわないほどの暴風だったとしか思えない。

 これも民主主義と考えるべきだろうが、本来は政策で選ぶのが選挙と考えている私には、どうも納得がしがたいのが今の思いだ。


■民進党の問題

 選挙期間中に閣僚や自民党国会議員の問題が噴出し、自民党への逆風が、それこそ神風のように吹いた。このことが自民党への票を減らしたのだが、その受け皿は結果的に都民ファーストの会へ流れたのだろう。本来であれば民進党へ流れてもいいはずだが、それは大きな数にはなっていないようだ。

 武蔵野市では、自民候補には大きく差をつけた松下さんだったが、それでも都民ファーストの会の候補には追い付けなかった。

 何人かに聞くと、自民以外で悩んだ結果、民進党は嫌だから都民ファーストの会へ投票したという人が少なくはなかった。民進党公認が足枷になったと思えてしまうが、この逆風でも民進党に残っていることを評価する人も少なくはなく、民進党だったことが良かったのか悪かったのかは現状では分からない。

 ひとついえるのは、民進党がこのままで先行きが危ないことだ。過去の政権の失敗を未だに覚えている人は多く、期待を裏切ったことへの対応ができていないことは明らかだ。反対ばかりの党とのイメージを持つ人もいる。どのような社会をめざすのかを含めて立ち位置の再構築が必要だ。 

 問題は、それを誰がやるかだが、現状では見えないことが問題の根深さにつながっている。


■本当に改革できるか

 都民ファーストの会が第一党となったことで、今後の都議会運営に注目したい。出身母体や政治信条が分からない議員の集合体状態、さらに大人数で構成されるとなると会派の人事だけでなく、議会人事や議会運営がかなり混乱するように思えてならないからだ。

 2日の夜にネットで放送されたニコニコ生放送の東京都議会議員選挙開票特番「都議会は東京を滅ぼすか?」に特別ゲストとして出演させてただいたが、出演者もこのことに注目していると話していた。社会が注目しているともいえる。

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 また、議会や議員活動がどうあるべきかを分からないままで当選し、私は議員だから偉いと勘違いしてしまい、都民や行政職員へのふるまいがおかしくなる例を私は見てきている。さらには、このことで不祥事が起きてしまうのではとも懸念している。

 一方で既存の議会ルールを知らないからこそ、一般社会から見て当たり前の議会に変えてほしいとの期待は持っている。
 
 都民ファーストの会は、『忖度だらけの古い議会を新しく』との公約を掲げている。武蔵野市選挙区の鈴木くにかずさんは、『議員特権を廃止し、議会改革条例をつくります』と選挙公報に記載していた。

 具体的な改革内容は分からないが、ぜひ実現してほしい。
 政治は結果責任。公約は選挙までと言われることもあり、これが今までの古い議会だろう。本当に改革できるか。有権者の皆さんも注目して4年後に再評価してほしい。

 風だけで判断せずに。