小池知事の人気を背景に古い議会を新しい議会に変えると公約した都民ファーストの会が東京都議会の第一党となった。具体的に何が変わるのか注目したいが、他議会と比較して都議会の現状をまずは知っておきたい。

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■改革度ランキングで都議会は低位

 早稲田大学マニフェスト研究所が2010年より毎年、議会改革度調査を実施している。この調査の最新データ(2016年に調査した2015年分)を見ると、東京都議会は、47都道府県ランキングで35位という低位に甘んじている。
 日本で最も多い議員と予算を持つ議会がこの順位なのだから、古い議会と言われても言い返せないだろう。

 この調査から「東京都議会の現状と他議会との比較」を同研究所が公表しているが、ここに興味深い違いが示されていた。


■他の議会と比較すると

 比較対象は、あの号泣議員がいた兵庫県議会と都道府県議会で最小の議員定数(35人)の鳥取県議会、議会改革度ランキングで1位の大阪府議会としているが、この中の項目に「住民との直接対話の場」「議会基本条例の制定」「議員間討議の導入」「反問権の導入」があるが、どれも都議会だけが実施していない違いが出ている。

 住民との直接対話の場は、議員個人や政党で支援者と対話する場ではなく、党派を超えて議会や委員会として行うものだ。当然ながら議員の個人的な主張の場ではなく議会や委員会としてどのように考え議論し、対応するかが求められる。

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 議会基本条例は、どのように議会を運営するかの基本事項を見える化するもので、全国の地方議会の半数近くが制定している状況となっている。改革をするというのであれば、当然制定すべき条例だ。

 議員間討議は、議論の場である議会が議員同士で台本がなして議論するもの。執行部に対しての質問会ではなく、具体的な課題抽出と改善策を議員同士で考えていくことになる。
 都議会は、委員会でも執行部と事前調整をして「台本」を作り読み上げていくことをこれまで行っている。
 これを「改革」できるのかが問われることになる。

 反問県は、知事から質問されるもの。議員の質問に対して財源や法的な課題など逆質問されることになり、議員の質問が問われることになるものだ。知事のイエスマンでない議員の力量が問われることになる。


■真の改革とは

 議会改革というと報酬や定数を削減するものと思い込んでいる人は少なくないが、まずは議員としての仕事とは何か、議会での議論はどのようにするかを明確にしてルール化し運用、活用することが改革の一歩だと私は考えている(議会基本条例)。報酬は仕事への対価だから、何をすべきかが明確でないと高いとも安いとも評価できないからだ。

 都民ファーストの会で当選した議員には、まったくどのような人物か分からない議員と旧知の議員がいる。旧知のなかには改革を進める力を持っている議員もいるので、真の改革を進めてくれるだろうと期待はしている。
 だが、今回のように大人数となると会派をまとめられるのかとの疑問は残る。公約の中にあった「議会棟での禁煙を実施します」が改革成果とは言えないだろう。

 都民ファーストの会の公約は、「忖度だらけのふるい都議会を新しく 自分ファーストの議員から都民ファーストの議員へ」としているのだから議会改革の成果をどこまで出すのか。都道府県議会の改革度ランキングでどこまで上がるかも注目したい。



【参考】
マニフェスト研究所 議会改革調査部会
 議会改革度調査2016「東京都議会の現状分析と提言」
  (画像の表は、上記より転載)