学童クラブの開所時間や指導員の資格要件を緩和するよう求める自治体からの意見が出されている。地方分権は進めるべきだが、地方分権の名のもとに保育の質低下が懸念される。

 
kaigi29shiryou14_ページ_3

■地方分権改革会議
 
 7月7日に内閣府の地方分権改革有識者会議と提案募集検討専門部会の合同会議が開催され、自治体から規制緩和を求める意見が資料として示されていた。

 地方分権改革有識者会議は、地方分権改革の推進を目的として、平成25年から設置されている。メンバーは学識経験者と地方自治体の首長だ。
 この会議の専門部会として提案募集検討専門部会があり、地方自治体からの提案を受け、関係省庁からヒアリングを行ったうえで、必要と判断した場合には対応方針案を作成し、地方分権改革有識者会議に報告。さらに、内閣府で対応し規制緩和につなげる流れとなっている。

 7日の会議では。資料として地方自治体からの要望がまとめられていた。


■具体的な意見

 さまざまな分野での規制緩和を求める意見があったが、この中に学童クラブについて気になる意見があった。   
・放課後児童クラブと放課後子供教室を一体実施する際の職員配置基準の緩和
・併設する学校職員等との連携により放課後児童支援員1人で放課後児童クラブを実施可能とする。
 ⇒全児童対策事業(武蔵野市ではあそべえ)を同時に実施している場合、学童クラブ指導員(放課後支援員)の配置人数を減らせる。最低2人の配置と決められているが、1名でも可能になる。

・放課後児童健全育成事業に従事する者の資格及びその員数について、「従うべき基準」とされているものを、廃止又は参酌すべき基準に見直すこと
⇒高卒以上で保育士や教員免許所持者などの資格要件があるが、なくす、あるいは必須ではなくす。

・放課後児童クラブの年間250日以上の開所日数要件を見直し、運営実態に即した基準にする。
⇒250日以下でもいいとなると土曜日に開所しなくてもよくなる

・放課後児童支援員等処遇改善等事業の「平日につき18時30分を超えて開所する又は開所していること」という要件を、放課後児童クラブの原則開設時間である「3時間を超えて」に緩和すること。
⇒19時までの開所でもよくなる。17時や18時でも可能になる。


■今後は?

 今後、専門部会や会議で検討され、必要となれば内閣府に伝えられ関係省省庁へ伝えられ、法改正や通達の修正などが行われ、実際に可能となるかもしれない。

 ここにあった意見は、指導員の配置基準や開所時間を国基準よりも低くしてほしいとの意見だ。地方都市などで指導員の人材確保ができない理由が考えられるが、当然ながら質の低下に結びつく。
 質低下となる場合には、地方議会が待ったをかけるか、あるいは許すかは分からないが、子ども子育て新制度で学童クラブの質向上が図られたものの4年で後戻りとなってはならない。地方分権でより事業内容を拡充するのであればいいが逆光では意味がないだろう。目的に反している。この流れは注目したい。


【参考】
内閣府
 第29回地方分権改革有識者会議・第53回提案募集検討専門部会 合同会議 議事次第・配布資料

図は有識者会議のイメージ(内閣府資料より)