武蔵野市は、市の外郭団体「武蔵野市子ども協会」に学童クラブ事業を委託すると同時に指導員(正式名称は「放課後児童支援員」の正規雇用を始めたが、それまでの指導員が全員正規とはなっていない。その現状と背景は何か。

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■全国的には非正規雇用が圧倒的

 学童クラブ指導員の雇用は、全国的にみると非正規雇用が圧倒的に多い。全国学童保育連絡協議会が2016年9月に公表した調査によると、全国の公営、民営を合わせた9万2500人の指導員のうち、非正規雇用は7万2600人、約78%が非正規雇用だった(※)。

 武蔵野市もこれまでは嘱託職員であり非正規雇用となっていた。これが平成29年4月から子ども協会に事業を委託すると同時に正規雇用へ雇用形態を変えた。このことは高く評価できる。

 しかし、この4月に多くの指導員が辞め、指導員が入れかわり、継続した保育ができるのかという不安の声を多くの保護者から聞いていた。

 学童クラブ指導員は、かつて全指導員の約3分の1が一度に辞めたことがあり、このことがきっかけになり、指導員の雇用を確立すること(正規化)で専門職としての職員が雇用でき、質の高い保育にしようと考え、子ども協会で正規雇用にする方針とした経緯がある。

 その経緯を考えると、指導員が辞めてしまった理由は何か。正規化による目的、質を高めることができるのかとの疑問がでてしまう。どこに課題があるのだろうか?

 そもそも、昨年度までの指導員のうち、何人が正規になったのだろうか?


■7割が入れ替わる

 そこで、この6月の一般質問でこの課題について確認をしてみた。

 答弁によると、この4月から子ども協会で採用した職員(全児童対策事業である「地域子ども館あそべえ)職員含む)のうち、正規職員と嘱託職員を合わせ6割程度は入れかわっていた。アルバイトスタッフも含めると7割程度となっている。

 市の嘱託から子ども協会の職員になった指導員は、前年度までの54人の指導員のうち37人だった。そのうち、正規雇用となったのは、16人でしかなかった(学童クラブではないが、あそべえ館長として正規雇用となったのは他に2名)。館長を含めても54人中18人、約3割しか正規になっていないことになる。

 正規にならなかった、あるいは辞めてしまった理由は、さまざまで年齢や家庭の事情、勤務時間の短い嘱託職員のほうが生活スタイルに合うなどだったと答弁では説明をしていた。


■子育てができない

 辞めてしまった何人かの指導員に直接、川名は話を聞いている。家庭の事情で転居せざるを得ないもあるので全員とはならないが、正規にならなかった理由には、19時までの勤務時間があるとの指摘があった。毎日19時までとなると、保育園に子どもを迎えにいけないからだ。

 家庭でのやりくりで保育園のお迎えをローテーションで対応することもできるだろうが、毎日となると確かに難しい。19時までとの条件だから、対応できない指導員は門前払いとの考えることもできるだろうが、子育て支援事業の職員が自らの子育てができないのでは、本末転倒ともいえる。おかしな状況だ。


■短時間正規

 このことを考えると、子育て期間中は短時間勤務の正規職員とすべきではないか。時間が減るだけ給与は下がるとして、子育てが一段落したら通常勤務の戻るという柔軟な雇用制度にすべきではないだろうか。子ども協会は、民間でもあり、市の雇用形態よりも、より柔軟にできるからだ。今、流行の言葉でもある多様な働き方、働き方改革にもなることだ。

 このことを提案したところ、短時間勤務の正規雇用は民間企業では採用しているところもあり、本市の外郭団体においても導入が可能かの研究は必要との答弁だった。

 雇用形態が複雑になると事務量が増えるので、その対応策も必要になることは承知しているが、進めていくべきだ。「研究」というと業界的には何もしないことと解釈されることは多いが、そうあっては欲しくない。



2016年5月1日現在の学童保育実施状況調査 報道発表資料より

 写真はイメージ