7月30日に開催された市民と議員の条例づくり交流会議の全体会で、議会選出の監査委員は必要かをテーマに議論が行われた。

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■現状の課題

 このテーマは、地方自治法が改正され、議会選出の監査委員を選ばなくても良いようになったからだ。

 その背景は何か。現状を考えると、議会の第一会派が議長、第二会派が副議長、第三会派が監査委員というように会派バランスで割り振られる名誉職。あるいは、議長、副議長経験者の「あがり」の職となるケースは少なくない。

 また、監査委員の事務局職員は市長の部下でもあることから、二元代表制といいながら、執行機関に議員が入っていいのかの課題もある。

 これらのことを考えると、実際に機能しているのか。仕事をしていると疑問が出てくるのは言うまでもない。

 そこで全体会では、法改正の発端となった地方制度調査会の委員であった江藤俊明山梨学院大学教授による基調講演の後、元監査委員事務局職員と監査委員を経験した議員から議会選出監査委員の在り方や本来の仕事について報告があった。

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■議員と専門家

 議論では、機能していないのであれば、議会選出の監査委員ではなく、会計の専門家である会計者や税理士、監査法人などにやってもらったほうが機能するのではないか、との意見もあった。

 しかし、何もしない監査委員よりかはいいかもしれないが、行政は民間会社とは異なる手法で自治体を運営している。地域によっても事情が違う。一律に数字だけで判断できないので難しい。市民代表の視点も必要と考えれば、議会選出の監査委員は必要との意見が強かった。

 さらに議論を重ねていくなかで、議会で入手できない情報を得られるのが監査委員。それを議会全体の情報として活用できるのか。監査委員になった議員個人の「得点」に使ってしまうのでは意味がない。
 議会が選出する以上、どのように監査をするのか。監査委員の情報を活用できる仕組みも作り、そのために適切な議員を選ぶべきではないか、との結論となった。

 会派バランではなく、やるべき仕事を明確化したうえで適任者を選出すべきとの結論だ。


■やりすぎると

 議論では、力量のある議員がやれば、機能以上の働きが可能だ。しかし、やりすぎると監査委員事務局や執行部との軋轢を生み結果として情報がでて来なくなる可能性もある。

 また、最悪の状況になる前にアドバイスをして回避できるようにすることもできる。病気になる前に薬を与えて直すようなことも監査委員はできる。執行部が監査へ出す情報は、基本的に出したくない情報なので、なれ合いになるべきではないが、敵対関係になるべきでもない。このバランスが重要との話も出されていた。  

 バランス感覚を持ったスーパー監査委員が出てくればいいのだが、そのような議員はそう多くはないだろう。優れた議員を待つより、誰でもが監査ができる制度を作るべきではないかとの提案もあった。
 

■必要か、不要か。再考の時期

 法の改正は、議会選出の監査委員をなくす場合には、条例を制定することを求めており、何もしないと現状が続くことになる。不要か現状維持か。もしくは、さらに機能する監査委員にするか議会の判断が求められていることでもある。

 もし、現状のままで議会選出の監査委員を続け、財政の破綻や違法な税金の使い方が見つかった場合、議会は何をしていたのか。なぜ見つけることができる議会選出の監査委員をなぜ選出したのかが問われるかもしれない。議会の判断が問われてくるのがこれからだ。

 議会選出の監査委員。不要か必要か。必要などのような機能、仕事をすべきか。再考すべき時期にきている。


【参考】
法改正で議選監査委員をなくすことも可能に