武蔵野市は、固定資産税と都市計画税を誤って過大に課税したことから、加算金(利子)を含めて約2億6000万円を返還すると発表した。

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■課税ミスの原因

 課税の誤りは、税率が異なる鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)と鉄骨(s造)との複合建築物に対して、耐用年数が長いため税率が高い鉄骨鉄筋コンクリートの税率をどちらの建築物にも適用したことで起きたもの。課税についての情報公開請求があったことで判明した。
 市は、この課税誤りが判明したことで、市内にある全ての複合建築物、436棟を調査したところ、もう一棟にも同様の課税誤りがあったことが判明したとしている。

 課税誤りがあった一つの建築物への還付金は約1億8800万円。この額に加算金、約3100万円を合計した約2億1900万円を返還する予定だ。もうひとつの建築物は、還付金約3500万円に加算金約600万円を合計した約4100万円が返還される予定だ。9月議会の補正予算が成立後に支払われる。法人市民税や個人市民税への影響は今後精査するとしていた。


■全国でも起きている 
 
 複合建築物だけではなく、同じような固定資産税の課税誤りは全国で起きている。

 例えば、札幌市では2016年に固定資産税の課税ミスが37件、合計で4571万円を過大徴収。茨城県河内町は、808人から6758万円を過大徴収。秋田県三種町でも共同住宅18件で729万円を過大徴収していた。さらに、埼玉県新座市では過大徴収されていた住宅の税金などが支払えず差し押さえられ、公売に掛けられた後に課税誤りが見つかったケースまでもある(週刊エコノミスト 特集:固定資産税を取り戻せ! 2016年6月7日特大号より)。最近では今年1月に伊勢原市、つくば市、4月に横浜市などでも起きている。

 2012年8月、総務省は2009年度から11年度までの3年間で97%の自治体で課税の誤りがあったとの調査結果を公表している(日本経済新聞2012/8/28 元データは総務省報道資料)。課税誤りは、武蔵野市だけでなく、全国の自治体の問題でもある。また、2012年に分かっていながら、対策をしていなかったのかも問われそうだ。


■対策は

 武蔵野市は、職員の課税するさいの入力誤りであり、今後は、課税した職員とは別の職員が再確認する複数体制で課税誤りが起きないように対策するとしている。
 しかし、税額は、自治体が評価額を決め、納税者に税額を通知する「賦課課税方式」で、納税者は決められた額を信じて払うしかないのが実情だ。複合建築物は税制が複雑で、税額自体が正しいか分かりにくい問題もあるが、納税者側から本当に正しいのか確認することが必要となりそうだ。

 最近では、固定資産税還付や減額請求を扱う会計士事務所や専用サイトが登場してきている。他の自治体でも、同様のことがさらに広がるかもしれない。



 ※課税の誤りは、8月7日の武蔵野市議会代表者会議へ報告された。