武蔵野市教育委員会は、9月12日の市議会文教委員会に学校給食用に新たに建設される桜堤調理場の概要を示した。

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■新桜堤調理場の概要

 新調理場の基本設計などの補正予算が議会に提案されており、この審議のなかで示されたもの。

 新桜堤調理場は、武蔵野市内の児童生徒が増加していることから、このままでは学校給食が提供できないことが推計されているため、給食の供給数を増やすために建設されるもの。
 現在の桜堤調理場は、建設後51年目となり60年を目安としている武蔵野市の建て替え時期が迫っていたこともあり、前倒しして建て替え、供給数を増やす。場所は現在地の東側になる旧桜堤小学校の北側となる。

 新調理場での供給数は、小学校給食で約1,800食(3校分)、中学校給食で約3,000食(6校分)の合計4800食の規模としている。現在の桜堤調理場は市立中学6校分の給食を提供しており、最大提供食数は2,100食であるため、約2.3倍の規模になり、小学校用と中学校用の2つの献立に対応できる施設となる。

 委員会に示された資料によると、施設概要と施設整備の基本方針は下記となっていた。


▼施設概要
・延べ床面積:3,700平米。建築面積1,700平米(見込み)
・工事費:25億円前後(税込み)
・主要構造:鉄鋼造(S造)、または鉄筋コンクリート造(RC造)


▼施設整備の基本方針
(1)最新の学校給食衛生管理基準、HACCPの考えに基づいた施設
・学校給食実施基準、学校給食衛生基準、大量調理施設衛生管理マニュアルに適合

(2)労働安全衛生に留意した施設
・労働安全衛生法に適合

(3)災害時の対応の強化
・ライフライン復旧後、速やかに利用できる施設
・炊き出しを支援する機能

(4)環境機能の強化
・省エネ、再エネ東京仕様の技術項目例を参考

(5)食育推進のための機能
・食育への関心を高める施設(試食や食の研修ができる調理実習室を兼ねた会議室)

(6)周辺環境への配慮
・周辺環境と調和した施設外観
・防音、防臭や日照、振動の影響を防止する対策


▼工事スケジュール

 施設建設は、平成29年度に新調理場の基本仕様を決め、プロポーザル方式により設計事業者を募集し、事業者を選定(29年12月頃)。30年度から31年度に実施設計を行い、平成31年度か32年度に着工し33年度中に完成する予定だ。



■今後の給食はどうなるか

 武蔵野市では、市立小学校12のうち、4校が単独校式(自校式)で、8校がセンター給食とし、もう一つある北町調理場で対応し、中学校6校は桜堤調理場で対応している。今後の児童生徒数増加への対応は、短期的には単独校式の本宿小学校の給食施設から三小へ提供する親子方式で食数を増やす対応を行い、中期的には新桜堤調理場の稼働で小学校、中学校双方の食数増への対応することお計画している。

 今から15年後に平成44年には、北町調理場の更新時期となるが、推計では児童生徒数が減少することから閉鎖、もしくは児童生徒数が推計通りに減少しない場合は、60年を超えて使用する可能性があるとしている。

 また、児童生徒数が減少し、給食の供給数に余裕ができた場合の多機能化などを設計事業者に提案するとしていた。これは、学校給食施設で高齢者や夏休みなどの学童クラブへ給食を提供することも可能となるものだ。今すぐにできるのではないが、期待できる機能だ。

 
■採決結果

 委員会審議では、巨額な費用をかけるべきか、児童生徒数が本当に増えるのか、施設一体型小中一貫校となると自校給食になり、この施設は不要にならないかなどの質問があった。

 答弁では、直近の都内の給食施設建設を参考にして積算している。推計よりも児童生徒数が増えた場合は、小学校の自校式を増やすことでの対応も考えたい。一貫校になる、ならないのどちらになっても対応できるようにするとしていた。

 採決の結果、全会一致で可決された。


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■周辺対応と費用への視点

 費用を問題しているかのような質問があった。確かに巨額だが、質を保つためのものであり、食育施設として必要と考えるべきだ。推計は、確実にその通りとはならないだろうが最悪を回避することを最優先させると考えて建設せざるを得ない。市内の小中学校をすべて施設一体型小中一貫校にするとしても、20〜30年はかかる。その間の給食提供を考えると必要となると私は考えている。

 また、概要には、周辺環境、住民要望への対応などを可能な範囲であらかじめ盛り込むと記されていた。

 以前にも指摘しているが、建設が予定されている地域は、旧くぬぎ園や旧桜堤小学校の解体工事、桜野小学校の改修、校舎増築工事が続けて行われている。さらに、新調理場の建設と旧くぬぎ園に予定されている老健施設の建設時期が重なる予定だ。公的に必要な施設とはいえ、ここまで工事が続くと住環境としては課題が多いといえる。

 この対応を考えていることは評価したいが、具体策として何をするかが、今後、問われそうだ。できるだけの配慮を求めたい。




【資料】
2017年09月12日文教_武蔵野市新学校給食桜堤調理場(仮称)の基本計画の概要
※画像は、新調理場平面図。武蔵野市新学校給食桜堤調理場(仮称)基本計画より