マンホールのデザインは、自治体ごと違うことをご存じだろうか? 
 最近では、このデザインの違いを楽しむ人も増えてきている。どのまちにある大正時代から変わらないデザインではなく、まちの魅力発信、観光用として作りなおそう。

マンホールは、下水菅などを点検するための鉄の蓋で、人が出入りできる大きさであることからマンホールと呼ばれている。和名はその名のとおり、「人孔」だ。下水だけでなく、電気や電話、ガス、水道などにもあるが、今回は、主に下水のマンホールをテーマとしたい。

 このマンホールのデザインの愛好家のことを「マンホールマニア」、あるいは「マンホーラー」と呼び、最近では「マンホール女子」も増えつつあるという。マンホールのデザインを鑑賞するイベント、「マンホールナイト」や「マンホールサミット」も行われており、関心が広がっている。


■マンホールのデザインを比較してみる

 そこでご覧いただきたいのがこれ。
 武蔵野市の下水道のマンホールだ。

武蔵野



 円が基本となったもので、滑りにくいなど機能的ではあるかもしれないが、あまり、面白くはないデザインだ。他にも微妙に異なったデザインがあるが、基本はこのデザインとなっている。
 

 他の自治体はどうか。武蔵野市周辺のマンホールをいくつか調べてみた。


多摩

 一番左は、お隣の小金井市のマンホールは、玉川上水の桜、小金井桜がモチーフとなっている。
 この写真のマンホールはカラー塗装がされていま、いわばレアモノとなるものだ。

 
 以下、左から二番目が市の花サツキがモチーフとなっている国分寺市。
 市の木、ケヤキと富士山、田園風景と電車、車などが描かれている小平市。
 市の花コブシをデザインし、基地があったからなのか、周囲に英語で、「HEALTHFUL CITY TACHI KAWA と書かれている立川市も、それぞれ特徴的なデザインになっている。

 
 東京都(23区)はどうか。

東京


 東京都の花「ソメイヨシノ」の花びらの間に都の木「イチョウ」、都の鳥「ユリカモメ」がデザインされている。このように自治体ごとに特徴を出したデザインのマンホールが多数ある。



 
■大正時代から続く同じようなデザイン

 その一方で、このようなマンホールも残されている。

比較2


 左が東京都のマンホールで、右が旧保谷市のマンホールだ。

 どこかで見覚えがあるデザインだが、それは、武蔵野市のマンホールとほとんど同じデザインだからだ。

 この同じようなデザインは、JIS規格による模様で、「東京市型」と呼ばれるもの。元のデザインは、1915年(大正4年)に当時の東京市がデザインしたもので、1958年にマンホールのJIS規格が定められたさいに、参考用のデザインとして示されたものだ。

 必ずしもこのデザインにする必要はないが、中心部分のデザインを取り替えるだけで、どこの自治体でも使えるデザインとなっている。そのため、オリジナリティを追求せずに、安易に作られたように思えてならない。

 武蔵野らしさという言葉が良く使われ、オリジナリティを大切にすると考えれば、大正時代からどこの市でも使っているようなデザインのマンホールは、そろそろ変え時ではないだろうか?


IMG_7936■マンホールカード

 マンホールのデザインを楽しむしかけとして、下水道広報プラットホームにより「マンホールカード」が作成され、全国の自治体のマンホールが紹介され話題となっている。遊戯王カードなどのようにコレクションになるもので親子で楽しめるように考えられ、これまでの累計では191自治体のマンホールカードが発行されている。お隣の小金井市のマンホールもこの仲間となり、今年8月に発行されたばかりだ。
 武蔵野市としても、新たなデザインにして、この仲間に加わるべきだ(写真は小金井市のマンホールカード)。

 武蔵野市は、下水道の役割、重要性、魅力、可能性などに気づき、共感し、行動してもらうための取り組みとして「水の学校」を実施しており国土交通大臣賞を受賞している。市として、下水の大切さをアピールしていることを考えれば、下水道の大切さや理解を深めてもらうために、マンホールのデザインを再考することで、下水の大切さを伝えるきっかけにすべきではないだろうか。

■コストは?

 マンホールの鋳型作成費用は、通常23万程度。平均的な耐用年数は、通行量の多い場所で約15年。長くて30年だ。市内のマンホールを一斉に変えるのではなく、耐用年数が来たものから順次変えていけば、鋳型の作成費用程度で大幅な費用は発生しない。

 マンホールデザインを新たにすること、オリジナリティで作成することで、まちの新たな魅力発信ツールになるのに違いない。マンホールードが注目されていることを考えると、アニメの聖地巡りまでとはならないまでも、来街者を増やすことや関心を持ってもらうことへとつながるはずだ。

 じつは、武蔵野市の下水道マンホールにオリジナリティはないが、武蔵野市の消火栓のマンホールは独特のものとなっている(下の画像参照)。下水にも同じようにオリジナリティを持たせるべきではないだろうか。
 
 下水道マンホールのデザインを市民参加で作ることや、今年開催したアールブリュットの作品からつくるのでも良いだろう。作成過程にいろいろな人がかかわることで、まちづくりの楽しさにもつながるはずだ。

 マンホールのデザインを楽しみ、考え直そう。


武蔵野消火栓