武蔵野市議会は、9月20日の本会議で、「東京都保健医療計画改定に当たり、武蔵野市の地域医療資源を適正に配分することを求める意見書」を全会一致で可決した。近く、都知事や関係者に送付される。

 武蔵野市の吉祥寺周辺では、この3年の間に2カ所の病院が廃院し、ベッド数が134床減少。さらに、南町病院と森本病院の改修計画が滞っているなど今後の地域医療に不安が広がっており、このことについての陳情が提出されていた。

 この意見書は、陳情を審議した厚生委員会が、武蔵野市や吉祥寺地区の医療について、現状を都に考えてもらい、都が想定している医療圏と実際の生活圏が違うことも考慮することを求めている。今年の秋に都の計画が固まることから今の時期に議会としての意見を伝える意味もあり提出された。


 意見書の内容は下記。吉祥寺の医療の問題は、「病床激減 吉祥寺地区の病院事情」の記事を参考にしてほしい。

【参考】
吉祥寺地区の医療と病院機能の維持に関する陳情
武蔵野市 武蔵野市地域医療構想(ビジョン)2017を策定しました


東京都保健医療計画改定に当たり、武蔵野市の地域医療資源を適正に配分することを求める意見書

意見書
武蔵野市は、平成26年に成立した「医療介護総合確保推進法」を受け、「地域医療の在り方検討委員会」(平成26年)、「在宅医療・介護連携推進協議会」(平成27年)などの取り組みを進め、市町村では任意の扱いとなっている「地域医療構想(ビジョン)2017」にいち早く着手し、今年5月に策定しました。

「住み慣れた地域で安心して暮らす」医療と介護の連携、まちぐるみの支え合いの仕組みづくりに全市で取り組んでいるさなか、平成26年10月松井外科病院(急性期病棟91床)が病床機能を返上、平成29年4月水口病院(急性期23床、慢性期20床)が廃院と、約3年の間に2カ所で134床減少と、地域医療、とりわけ吉祥寺地区の医療体制にとって大きな打撃をこうむりました。

 高齢化率が現在22%に達し、30年後には33%超と想定されている武蔵野市において、今後の地域医療のあり方を抜本的に見直す必要に迫られております。

 市議会には、市民から多くの不安の声とともに「地域医療と病院機能の維持」に関する陳情が提出され、既存病院の建てかえ・機能拡充の課題とあわせ、執行部とともに将来を見据えた持続可能な対応を協議しているところです。

 武蔵野市が属する「北多摩南部保健医療圏」においては、既存病床数が基準病床数を59床上回り(平成28 年4月現在)、これ以上の増床は認められない状況です。しかし、東京都地域医療構想2016で公表された医療機能別の病床需要推計(2025 年) によれば、高度急性期と慢性期病床は余るものの、急性期と回復期病床は約2,600 床不足し、全体としても1,262床不足であるとされています。

 また、多摩地域を5つに切り分ける保健医療圏と、市民の生活実態が乖離している面も否定できません。「住み慣れた地域で安心して暮らす」ことを目標に掲げている本市として、救急医療や休日診療の体制整備とともに、おおむね5キロメートル圏内で完結する医療体制の整備は、市民福祉に欠かせない切実な課題となっています。

 よって、武蔵野市議会は貴職に対し、以下を求めます。

   記

1 「東京都保健医療計画」の改定に当たっては、武蔵野市、とりわけ吉祥寺地区における急激な病床数の減少を含む地域事情に十分配慮し、医療機能別病床数の需要推計を踏まえ、医療資源の適正な配分を行うこと。

2 市区町村ヒアリング、医師会、歯科医師会、薬剤師会ヒアリング、パブリックコメントなどで寄せられる意見を適切に反映させること。

以上、地方自治法第99 条の規定により、意見書を提出します。